学習塾STRUX塾長の橋本拓磨です。
みなさん文化祭や体育祭の期間は準備で勉強が進まないので、ちょっとやだな……なんて人もいるのではないでしょうか?
そのへんの話はTwitterでちらりとしていたので、ぜひ参考に。
こういう文化祭に出させられる場合の対応としては
・諦めて文化祭を楽しむ分、他の日でハチャメチャに勉強する
・3年の文化祭でも楽しめるように1、2年から余裕を持って勉強しておく
・文化祭の裏でコソコソ勉強する
現実的なのは1、一番いいのは2と3 — 橋本拓磨@STRUX塾長・高校生向けアカウント (@struxhashi) September 5, 2019
ツイートでは受験生向けに話をしましたが、1・2年生だって文化祭や体育祭に全力投球する中でやってほしいことはあるんですよ?
それは、毎日少しずつでも勉強すること。
人間、一度やりたくないことをやる時間がゼロになると、そこからまたやろうとなったときにしんどいです。
「やりたくないことをやらなくていい」という味を占めてしまったからですね。
とはいえ文化祭や体育祭の期間中になかなか勉強に身が入らないのも事実……
そういうときは、英単語だけでも覚えるようにしましょう。
ちょうど先日、英単語の勉強法についての動画を撮影したので、今回はそれも交えて「英単語はどう覚えればいいのか?」「ぶっちゃけどの単語帳を使えばいいのか?」実際の生徒さんの事例を交えながらお伝えしていきます!
↓動画はこちら↓
英単語はこう覚えろ!鉄則
詳しい話は英単語の記事にかかれているので、それを参照にしてほしいんですが、ここでも改めて確認しておきましょう!
英単語を覚える鉄則は、
- 短期間で何度も繰り返す
- 必ずテストをする
- まずは赤字の意味だけ覚える
の3本建て。記事や動画では触れられていない記憶のメカニズムも交えながら話していきます。
1.短期間で何度も繰り返す
いちばん大事なことは、とにかく「何度も繰り返す」こと。
それも、ただ繰り返すのではなく、1週間や1ヶ月などの短いスパンの中で何周もすることが重要です。
というのも、人間が記憶を「短期記憶」から「長期記憶』に移行させるには、何度も短期間に繰り返し触れることで情報の重要度を高める、かつ完全に忘れてしまう直前に思い出すことで重要度を高めることが重要だからです。
今回はターゲット1900を例に話していきます。
いちばんよくお話している基本スタイルは、
- 1周め:1日1時間100単語(19日で1900単語)
- 2周め:1日30分100単語(19日で1900単語)
- 3周め以降:とにかく間違えた単語を中心に回す。
というパターン。このようにやるだけでも、いちどやった単語は1ヶ月以内に2周めに入れるので、忘れ去ってしまう前にとりくむことができます。
もちろん人によっては、こんなに期間をあけると忘れてしまう……という人もいます。
実際の生徒さんでも多いので、流石にこんな感じですべての範囲をぶっ通しでする人は多くありません。
そういった場合におすすめしているのは、単語帳をいくつかのレベルに分けること。
例えば、ターゲット1900であれば
- 1-800:入試基礎
- 801−1500:入試標準
- 1501-1900:入試応用
といった具合に分かれています。
この範囲ごとに完璧にしていくのがちょうどいいですね。
たとえばまずは1から800までを完璧にする、というふうにすれば、8日で1周終わります。
つまり、約1週間で1周、2週間で2周おわることができるんですね。
より短い期間で繰り返すことができるので、人によってはこちらのやり方のほうがスムーズに覚えられます。
全範囲で見ても結局は全範囲をやりきるのにかかる時間は変わりませんし、特に1501以降の単語はMARCHの難関大(立教、青学など英語が難しいところ)や早慶、国立大志望でなければやらなくてOKなくらいなので、この順番で覚えなきゃいけないところから確実に覚えられるという点でもメリットが大きいです。
暗記の出来不出来にはもちろん個人差があります。長期記憶に定着しやすいかどうか、記憶したものを思い出しやすいかどうか、ということはワーキングメモリによるのですが、このワーキングメモリの強さが人によって違うので、どうしても「すぐに忘れちゃう」という人も出てきます。
そういう人は、もっと頻度を上げることがおすすめです。
なかなか覚えられない……という人は、「2日間かけて同じ範囲を2周する」ということをおすすめしています。
- 1日目に1-100を1周する
- 2日目に全く同じ1-100をもう1周する
- 3日目に101-200の1周目……
これをぐるぐると繰り返していくわけですね。
つまり、1日目に100単語、2日目に同じ100単語を、というふうにすることで、前日やった単語をより完璧にしてから先に進むんです。
長期記憶により定着させるシステムにはいくつかの説があるのですが、その暗記法の一つに「間隔反復」というものがあります。
はじめに覚えるタイミングから何周もするにつれて徐々に反復する時間間隔を広げていく方法で、第二言語習得の文脈で出てくることが多いです。
効果についてはまだ検証しきれていないところがあるのですが、人によって多少なりとも効果があるということは実験でわかっています。
また、この実験でも、記憶があいまいなはじめのうちは間隔を詰めて覚え、だんだん間隔を伸ばしていき、忘れる直前に思い出し直すという分散学習が良いとされています。
このように、はじめこそ「短期間で」2周めに取り掛かるというやり方が記憶には有効だとされているんですね。
これを最大限活用するのがこの「1日目と2日目に同じ単語をやる」というやり方。
これでも不安な場合、週の終わりにその週にやった単語を再度すべてテストするようにすると、1週間で300単語を3周でき、確実に暗記を進めることができます!
暗記に苦手意識がある人は、こういったやりかたもぜひ!試してみてほしいです。
ぶっちゃけ、どの単語帳がおすすめなの?
こちらもよく聞く話。
普段の動画や記事ではあんまり話さないことなので、これを機にしっかり話しておければと思います。
結論から言うと、使いにくいと思わなければどの単語帳を使ってもOKです。
このサイトや学習塾STRUXではターゲット1900を推奨していますが、これはターゲット1900が一番クセがなく、オーソドックスであるからにほかなりません。
ターゲットシリーズであれば1200、1400とレベル分けもしっかりされているので、取り組むレベルさえ間違えなければそれだけでどんな大学も対応できる力を持っています。
とはいえ他の単語帳にも使いやすいものがたくさんあるので、いちばんは「自分が使いやすい!」と思うもの、かつ「レベルが合っている」ものを使ってあげることです。
……ただし。
いくつか「取扱注意」な単語帳もあるので、それだけ「使い方」に気を配ってあげてください。
今回はそれらを紹介して終えたいと思います。
取扱注意単語帳①:速読英単語
レベルとしては悪くないですし、いろんな学校でも採用されているので使っている人も多いのではないでしょうか。
ただ、いかんせん速読用教材とドッキングしてしまっているため、
- 単語の質や重要度、頻出度がバラバラ
- 「単語を覚える」ことに特化しきれていないので使いにくさを感じやすい
あたりが難点として挙げられます。
実際、単語量としても物足りなさがありますし、どうしても長文の内容によって偏ってしまい、却って覚えにくい現象が起こっていることもしばしばです。
そもそも単語を覚える時点ではあまり長文が読めない、なんて人もいますし、そういう人にとっては「速読」パートはあまり意味がなくただの単語帳になってしまいます。
もちろん「速読」の教材としては非常に優秀なので、速単が使いにくいな……と感じている人は思い切って他の単語帳に切り替え、速読英単語は速読用教材として使っていくのが良いです。
取扱注意単語帳②:鉄壁
まあこの単語帳に手を出す人は東大志望もしくは旧帝大・難関大志望の人が多いと思いますが……
くれぐれものめり込まないように注意しましょう。
鉄壁は僕も愛用していた問題集ですが、ぶっちゃけあれをすべて完璧に覚えようとするのはお門違いです。
鉄壁は同じ単語の形容詞系、名詞系も並べて意味が書いてあることが多く、それで単語数が増えています。
つまり、いつものように「1日100単語」ペースでやると同じような単語ばかり覚えてしまうことになるんです。
鉄壁であのように同じ単語の名詞系・形容詞系を並べる意図としては、単語を丸暗記せずとも、接頭辞や接尾辞、なんとなくの意味で推測できる力を養うことが大きいと思っています。
つまり、ハナからすべて覚えるように設計されているわけではないということです。
実際僕が使っていたときも、全単語は覚えられませんでした。
その分単語に対する感覚、意味の捉え方は養えたように思います。
それこそ1周目は読み物感覚でただただ読んでいくのがおすすめです。
2周目以降しっかり覚えていきますが、東大を受けるレベルであれば各章のテストで満点を取る必要も、難単語のページを覚える必要も全くありません。
最後半の「難単語」は外語大や一橋大志望の人が取り組むといいかな、と思います。
なんどもいいますが、のめり込みすぎないことが重要です。
ぶっちゃけ、単語帳については挙げればきりがないのでこのあたりにしておきます。
「この単語帳どうなの?」ということについて聞きたい人は、Twitterで聞いてください。
さて、今回は英単語についてたくさんお伝えしました。
もっと詳しいセオリーや覚え方はこの記事でもじっくり話しているので、参考にしてみてください。
英単語はすべての基本!忙しい時期だからこそ、しっかり単語だけでも学習を進めていきましょう!
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