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受験勉強を進めるためには、参考書を効果的に活用する必要があります。「子どものためにと思って参考書を買ったのに、本棚に置かれたまま手をつけてくれない」このような悩みを抱えている保護者の方も多いでしょう。
この記事では、「参考書を買っただけでやらない」という状況の裏に隠された子どもの心理を5つの視点から解説します。
さらに、その心理的なハードルを乗り越え、今日から実践できる具体的な解決策を5つご紹介します。お子さんの学習について不安のある方は、ぜひご覧ください。
参考書を買っただけで「やらない」子どもの5つの心理とは?

参考書を買っただけで「やらない」子どもには以下の心理があります。
- 買った瞬間に「安心感」と「満足感」を得てしまう
- 「完璧にやらなきゃ」という過度なプレッシャーを感じてしまう
- 自分のレベルに合っていないので手が付けられない
- 「いつ・何を・どこまでやるか」の計画がないため取り組めない
- 参考書の「正しい使い方」がわからない
子どもならではの複雑な心理が隠されています。保護者の方がその心理を理解することが、問題解決への第一歩です。
買った瞬間に「安心感」と「満足感」を得てしまう
参考書を手に入れたとたん安心感や満足感を得てしまうことがあります。これは、目標のための手段がいつの間にか目的そのものになってしまう「目標の置き換え」と呼ばれる心理状態です。
特に、本棚に人気の参考書や評判の良い問題集が並んでいるのを見ると、まるでその知識がすでに自分のものになったかのような錯覚に陥りがちです。この「買っただけで満足」してしまう状態は、いわゆる「参考書コレクター」の入り口とも言えるでしょう。
「完璧にやらなきゃ」という過度なプレッシャーを感じてしまう

真面目で責任感の強い子どもほど「この参考書をやるからには、全ページを完璧に理解しなければならない」という過度なプレッシャーを自分に課してしまうことがあります。この完璧主義が、かえって学習を始めるための大きな障壁になります。
「1ページ目から間違えずに進めたい」「途中でつまずいたら、また最初からやり直さなければ」といった考えが頭をよぎり、取りかかる前から精神的に疲弊してしまうのです。
その結果、最初の一歩を踏み出すのが億劫になり「明日からやろう」と先延ばしにする悪循環に陥ってしまうのです。
自分のレベルに合っていないので手が付けられない
保護者の方が良かれと思って選んだ参考書や、周りの評判が良い人気の参考書が、必ずしもその子どもの学力レベルに合っているとは限りません。
内容が簡単すぎると退屈してしまい、やる気を失う原因となります。一方で、難しすぎると問題が全く解けず、参考書を開くこと自体が苦痛になってしまうでしょう。特に注意したいのが、子ども自身が自分のレベルを正確に把握できていないケースです。
憧れの志望校の名前が入ったハイレベルな参考書(「医学部の~」「早稲田の~」など)に手を出し、結果的に挫折してしまうことも少なくありません。参考書選びのミスマッチは、学習意欲を削ぐ大きな原因の一つと言えるでしょう。
「いつ・何を・どこまでやるか」の計画がないため取り組めない

目の前に分厚い参考書がただ置かれているだけでは、多くの子どもは何から手をつけて良いかわからず、途方に暮れてしまいます。
「テストまでにこの一冊を終わらせよう」といった漠然とした目標だけでは、日々の具体的な行動には結びつきにくいでしょう。これは、ゴールの見えないマラソンを走るようなもので、どこに向かってどれくらいのペースで進めば良いのかが不明確なため、走り出すことすらできません。
「いつ」「どのページを」「どれくらいの時間をかけてやるのか」といった具体的な学習計画がなければ、行動への移し方がわからず、結果的に「やらない」という選択をしてしまうのです。
参考書の「正しい使い方」がわからない
参考書には、問題演習が中心のもの、講義形式で解説が詳しいもの、暗記に特化したものなど、さまざまな種類があります。それぞれの参考書には、効果を最大限に引き出すための「正しい使い方」が存在します。
しかし、多くの場合、子どもはその使い方を知らず、ただ漠然とページを眺めたり、問題を解きっぱなしにしたりしてしまうでしょう。
やり方がわからないまま参考書を進めると学習効果が上がらず、モチベーションの低下につながります。「参考書をどのように使えば成績が上がるのか」という道筋が見えないため、学習意欲が減退してしまいます。
参考書を「買っただけでやらない」を卒業!今日からできる5つの解決策

参考書を「買っただけでやらない」を卒業するための解決策は以下の5つです。
- 「なぜ、その参考書が必要か」を共有する
- ハードルを下げてみる
- 子どもに難易度が合っているかチェックする
- 学習計画を策定する
- 参考書の「やり方」を調べる・聞くなどして学習方法を確立する
保護者の方が少しサポートするだけで、子どもの学習への向き合い方は大きく変わります。子どもの心理を理解した上で、具体的なアクションを起こしましょう。
目標の明確化:「なぜ、その参考書が必要か」を共有する
「買っただけで満足」してしまう心理への対策として、参考書を購入する際に「なぜこの参考書が必要なのか」という目的を親子で共有しましょう。
「次のテストで数学の点数を10点上げるため」「苦手な英文法の関係代名詞を克服するため」など、具体的で達成可能な目標を設定するのがおすすめです。
この意識共有を通じて、子ども自身が参考書に取り組む意味を理解し、学習への当事者意識が芽生えます。参考書はあくまで目標達成のための「道具」であることを確認し、購入がゴールではないことを親子で共有することが、学習への第一歩を踏み出すきっかけとなるでしょう。
ハードルを下げる:「1日1ページだけ」から始めてみる

「完璧にやらなければ」というプレッシャーを感じている子どもには、まず行動のハードルを極限まで下げてあげると良いでしょう。「1日1ページだけやってみよう」「今日はこの問題1問だけでいいよ」といった声かけで、とにかく参考書を開いて机に向かう習慣をつけることを目指します。
一度手をつけてしまえば、意外に集中できて「もう1ページやってみようかな」という気持ちになることも少なくありません。この「小さな成功体験」の積み重ねが学習を継続する自信につながります。
レベルの再確認:子どもに難易度が合っているかチェックする
もし子どもが参考書を全く開こうとしない場合、参考書の難易度が合っていない可能性を疑ってみましょう。保護者の方が内容を確認し、問題が難しすぎると感じたら、ためらわずに、より基礎的なレベルの参考書に変えることを検討してください。
その際、「レベルを落とす」というネガティブな伝え方ではなく、「こっちの方が今のあなたに合っているよ」と前向きな言葉で提案するようにしましょう。
また、書店に一緒に行き、子ども自身に中身を見せて「これならできそう」と感じるものを選ばせるのも良い方法です。少し頑張れば解ける、と感じるレベルの参考書に取り組むことで、子どもは達成感を得やすくなり、学習の好循環が生まれます。
学習計画の策定:「いつやるか」を具体的に決める

「何をすればいいかわからない」という状態を防ぐためには、具体的な学習計画の策定が必要です。ただし、親が一方的に計画を押し付けるのではなく、子どもと一緒に決めるプロセスを大切にしてください。
「平日は学校から帰宅後、夕食を終えたら20時から30分間」「土曜日の午前10時から1時間」など、学習する曜日と時間をできるだけ具体的に決めます。
さらに「月曜日はP10〜12の練習問題をやる」「火曜日はP13の解説を読む」というように、日々のタスクを細分化して明確にします。カレンダーや手帳に書き込む習慣をつけると、やるべきことが可視化されるのでおすすめです。
学習方法の確立:参考書の「やり方」を調べる・聞く
参考書の「正しい使い方」がわからない子どもには、具体的な学習方法を一緒に調べてあげましょう。
最近では、YouTubeや学習系のブログで、特定の参考書を使った効果的な勉強法を解説していることも多いので、参考にすると良いでしょう。そうした情報を親子で一緒に見ることで、学習のイメージが湧きやすくなります。
また、学校の先生や塾の講師といった学習の専門家に「この参考書の進め方を教えてください」と親子で相談に行くのも効果的です。第三者からの客観的なアドバイスは、子どもも素直に受け入れやすい傾向があります。正しい参考書の使い方を身につけることで、学習効率が上がり、成果を実感しやすくなるでしょう。
保護者からの「OKな声かけ」と「NGな声かけ」

子どもへの何気ない一言が、やる気を引き出すこともあれば、逆効果になってしまうこともあります。ここでは、子どもの学習をサポートする上で効果的な「OKな声かけ」と、避けるべき「NGな声かけ」の具体例を紹介します。
OKな声かけ:「どのページから始めると良さそう?」「一緒に計画を見てみようか」
子どもをサポートする際の基本的なスタンスは、「管理」ではなく「伴走」です。子どもの自主性を尊重し、あくまでもサポート役として関わる姿勢が伝わるような声かけを心がけましょう。
例えば「どのページから始めるとやりやすそう?」と問いかけることで、子ども自身に選択させ、主体性を引き出します。「計画通りに進んでいる?」と詰問するのではなく「一緒に計画を見てみようか。難しいところはない?」と寄り添う姿勢を見せることが大切です。
子どもが小さな一歩を踏み出せたら「1ページできたね、すごい!」と結果ではなく行動そのものを具体的に褒めることがモチベーション維持につながります。
NGな声かけ:「また買って!」「どうせやらないんでしょ?」
過去の失敗を責めたり、子どもの人格を否定したりする言葉は避けましょう。「また新しい参考書を買って!前のものも終わっていないじゃない!」といった言葉は、子どもの罪悪感をあおるだけで、次の行動にはつながりません。
「どうせあなたはやらないでしょ?」という決めつけは、子どもの自己肯定感を深く傷つけ、不信感を生みます。
このようなネガティブな言葉は、子どもの挑戦する気持ちを奪い、学習からさらに遠ざけてしまう原因となるため、絶対に避けてください。
参考書を買ったけど「やらない」が続く場合の根本的な原因

これまで紹介した解決策を試しても、なかなか状況が改善しない場合、より根深い原因が潜んでいる可能性があります。表面的な問題だけでなく、その根本原因に目を向けることが、真の解決につながります。
「計画」と「実行管理」ができていない

根本的な原因として、学習におけるPDCAサイクルを回す習慣が身についていないことが挙げられます。PDCAサイクルとは、計画(Plan)を立て、実行(Do)し、その結果を評価(Check)し、改善(Act)するという一連の流れを指します。
参考書をやらない子どもは、計画の段階でつまずいていることが多いです。あるいは計画を立てても実行に移せない、評価・反省ができていない、というケースも考えられます。
PDCAサイクルを自分で管理する力は、一朝一夕には身につかないため、粘り強いサポートが必要です。
受験勉強では全教科を完璧にしなければいけないと思い込んでいる
特に受験生に多いのが、「全教科を完璧にこなさなければ合格できない」という思い込みです。この考えに囚われると、やるべきことの多さに圧倒され、何から手をつけて良いかわからなくなってしまいます。
結果として、どの参考書も中途半端になったり、最初の一歩が踏み出せなくなったりするのです。
しかし、実際の大学受験では「何をやるか」よりも「何をやらないか」を決める戦略的な視点が欠かせません。志望校の配点や自分の得意・不得意を分析し、学習の優先順位をつけることが合格への近道です。
すべての参考書を完璧にしようとするのではなく、限られた時間の中で最大限の効果を出すために取捨選択が必要です。
受験勉強をサポートする伴走者がいない
子どもが一人で学習計画を立て、モチベーションを維持しながら受験勉強を進めるのは、非常に困難な道のりです。特に、計画通りに進まなかったときにどう修正すれば良いか、どの参考書を優先すべきかといった判断は、子ども一人では難しいでしょう。
子どもが困ったときに、客観的な視点で学習の進捗を管理し、適切なアドバイスをくれる「伴走者」の存在が大きな支えとなります。
保護者の方がその役割を担うことも可能ですが、感情的になってしまうこともあるでしょう。伴走者として、塾の講師、家庭教師など、信頼できる第三者にサポートを求めるのがおすすめです。
まとめ:参考書を「やり切る力」を育てよう
この記事を読み、「まさにうちの子どものことだ」と深く頷かれた保護者の方も多いのではないでしょうか。
「買っただけで満足してしまう」「完璧主義のプレッシャー」「正しい使い方がわからない」—記事で解説したお子さまの悩みの根本には、「計画」と「実行管理(PDCA)」の難しさ、そして「受験勉強をサポートする伴走者の不在」が潜んでいます。
志望校合格への道のりで、お子さま一人に、戦略の策定からモチベーション維持まで全てを任せるのは酷なことです。だからこそ、プロの「伴走者」が必要です。
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