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「英語の長文問題がなかなか解けない」
「長文を読解できるようになりたいけど、どうしたらいいの?」
と、悩んでいる生徒は多いはず。
英語の長文問題は、大学入試の中でも配点が高いためちゃんと読めれば高得点が狙えます。特に共通テストでは、長文問題のみの出題のため、長文問題が解けるかどうかが重要なポイントになります。
しかし、単語や文法などしっかりと基礎を固めておかないと、長文問題に取り組むのは難しいです。
今回は、苦手意識を持つ生徒が多い英語の長文読解の勉強法を解説します。この記事を参考に、英語長文を速く正確に読むコツを身につけましょう。
英語長文の勉強法に関しては、以下の動画でも解説しています。
英語の長文読解が苦手な人が多い2つの理由

英語の長文を苦手だと感じる主な理由として挙げられるのは以下の2つです。
- 英語の長文に書かれている内容が読み取れない
- 長文を時間内に読み終わらない
英語の長文は、文章の内容を理解できないと問題が解けません。英語の文章を読解するためには、単語・文法・英文解釈といった基礎事項を身につける必要があります。
また、日頃から英語の文章を読む演習をしていなければ、入試本番で時間内に読めません。
英語の長文を読み慣れていないと、英文をスムーズに読み進められず時間がかかってしまうからです。
以下の英文は「2016年度早稲田大学政治経済学部の大問1」からの抜粋です。
試しに読んでみてください。

早稲田大学 政治経済学部 2016年度 第一問
出典 “Gained in Translation, “The Economist(May 17, 2014), and David Edmonds, Would You Kill the Fat Man?
©The Economist Newspaper Limited ,London
上記の問題なら7~8割は正答したいところです。もし、この英文を見て、難しいと思った場合は、長文読解を重点的に勉強していく必要があります。

英語長文読解の具体的な勉強法
ここからは、以下の2つの勉強法について詳しく解説します。
- 英語の基礎事項をおさえる
- 長文をたくさん解く
英語の基礎事項をおさえる
まずは、単語や文法などの基礎事項を押さえましょう。
早速ですが、以下の英文の意味はすぐにわかりますよね。
“This is a pen.”
すぐにわかる理由は、「this」「is」「a」「pen」 という各単語の意味を知っていて、Be動詞の文法事項についても理解しているからです。
では、次の英文はどうでしょうか?
“She has been in Vietnam since last month when she succeeded the project.”
この文章は「関係代名詞」「現在完了形」などの知識が身についていればすぐにわかります。逆に、関係代名詞などの知識があいまいだと、読解に時間がかかるはずです。
また、関係代名詞などの知識は身についていても「Vietnam」「succeeded」など英単語の意味を知っていなければ解くのは難しいかもしれません。
なんとなく読めたとしても問題の正解にはたどり着けないでしょう。
つまり、長文読解では「単語・熟語」「英文法」「構文把握」の3つを完全に理解しておかなければなりません。
まずは、基礎事項をしっかり固めてから長文問題に取り組みましょう。
各分野の詳しい勉強法については、以下の記事を参考にしてください!
長文問題をたくさん解く
次に必要な勉強は、長文問題を何度も解いて慣れるということです。
先程の英語の基礎事項の勉強は、長文を読むための準備です。基礎をいくら繰り返して勉強しても、長文を読む練習を積まないと入試本番でも長文を正しく読むことはできません。
そのため、基礎事項を覚えたら必ず長文問題をたくさん解いて慣れましょう。
英語の長文問題を解くときは、以下の7ステップで練習をしてください。
- Step1.時間を計測して問題を解く
- Step2.時間をオーバーしても解ける問題が増えたらペンの色を変えて解く<
- Step3.和訳や文章の解説パートを確認しながら長文を読み返す
- Step4.問題部分の解説部分すべてに目を通す
- Step5.分からなった単語は辞書で、文法用語は文法書で調べる
- Step6.調べたものを覚える
- Step7.音源に合わせて3回以上音読する
英語の長文を速く正確に読む力をつけるには、
- 時間を計る
- 音読で読むスピードを養う
が必須の練習方法です。
時間制限をつけるときには、問題集にある解答の目安時間が記載されている場合が多いため、参考にするとよいでしょう。
長文問題に取り組むときは、読むだけで問題は解かないというのは絶対にやめましょう。本番では、読めなくても推測をすることで解ける問題があれば、それも解く必要があります。そのため、読めない部分の推測をする練習も兼ねて、必ず問題も解きましょう。
はじめから速く正確に読むのは難しいでしょう。最初は速さにこだわらず正確に読むことを意識します。そして制限時間をオーバーした分はペンの色を変えて解答を続けます。ペンの色を変えておくと、スピードが必要なのか、読解ができていないのかを判断できます。
復習するときは、必ず和訳や文章の解説を確認しつつ、最初から長文を読み直すことが重要です。
解説を読むときは、不正解の部分だけでなく、正解した問題やなんとなく正解した問題についてもチェックしておきましょう。
正解した問題であっても考え方が異なる場合もあったり、なんとなく正解した問題の根拠を確認することで、似通った問題が出題されても対応できます。
解説を読んでもわからない単語や文法があれば、辞書や参考書などを使って調べて覚えるようにしましょう。
特に過去問を解くようになると、解説に単語の意味が1つも掲載されていないことが多いです。自分で調べる習慣をつけておかないと、過去問を解くときに苦労するので注意しましょう。
音読については、英文を始めから読めるようにするために必要です。入試本番ではスムーズに文章を読み進められないと時間が足りなくなってしまいます。
音読をすると音でも英文を聞き取れるため、スムーズに文章を理解できるようになります。

英語長文が得意な生徒がやっている問題を解くコツ
ここでは、長文読解問題が得意な生徒がやっている問題を解くときのコツを3つ解説します。
- 基礎事項をおさえて長文を読むスピードを早くする
- スラッシュリーディングを活用する
- ディスコースマーカーを活用する
基礎事項をおさえて長文を読むスピードを早くする
大学入試では、2ページ以上にわたる長文が複数個出題され、決められた時間で解かなければなりません。
頭の中で全て和訳していると時間が足りなくなってしまうため、英文を英語のまま理解する必要があります。
例えば、「Hello!」と言われたら、「こんにちは」と和訳しなくても「挨拶をされた」とわかります。
ところが
“The word he said reminded me of the memory during my childhood in Japan.”
のように文が長くなると、
「彼が言った言葉は記憶を思い出させた、わたしの日本での子供時代」
のように、日本語に訳す段取りを一度踏まないと、「彼の言葉で子供時代の記憶が蘇った」という内容が理解できない人も多いはず。
しかし丁寧に訳しながら読み進めると、何度か英文を往復してしまうので、時間がかかってしまいます。
訳す作業をできるだけ省き「戻らずに前から語順通りに読む」ことができると、読むスピードが上がってくるでしょう。
前に戻らずに英文を読むためには、英語の基本事項である文法・構文を勉強して理解しておき、英文を読み慣れることが必要です。
スラッシュリーディングを活用する
スラッシュリーディングとは、文章や構文の区切りごとに「/」を入れて読む方法です。
このテクニックを使うと、スピーディに文構造を理解できるようになります。スピーディに文構造を理解できると、先ほど解説した前から語順通りに文章を理解するということもできるようになります。
例えば、
It is rather for us to be here dedicated to the great task remaining before us―that from these honored dead we take increased devotion to that cause for which they gave the last full measure of devotion―that we here highly resolve that these dead shall not have died in vain―that this nation, under God, shall have a new birth of freedom―and that government of the people, by the people, for the people, shall not perish from the earth.
ゲティスバーグ演説の訳し方(渡部, 2013)
これはリンカーンの「ゲティスバーグの演説」の一説です。一見こんな長い文章は理解できないと思うかもしれません。
しかし、スラッシュリーディングをすると以下のように区切りが入ります。
It is rather for us / to be here dedicated / to the great task / remaining before us /―that from these honored dead / we take
increased devotion to that cause / for which they gave the last full measure of devotion― / that we here highly resolve / that these dead shall not have died in vain / ―that this nation, / under God, / shall have a new birth of freedom― / and that government / of the people, / by the people, / for the people, / shall not perish / from the earth.
「文法的な役割(主語の部分、述語の部分など)」で前から区切れるため、意味を理解しやすくなります。
英文解釈のように、かっこでくくったり矢印をつけたりしないので、時間をかけずにざっくりと意味をつかむことも可能です。
さらに、スラッシュリーディングによって英文を前から読む癖も身につくので、長文読解のスピードも上げられます。
ただし、スラッシュリーディングをするためには、構文をしっかり把握できるようになることが必須です。
ディスコースマーカーを活用する
ディスコースマーカーとは、文章の流れを表す言葉を指します。例えば、「but」「on the other hand」などの接続詞や副詞句が挙げられます。
“ I partly agree with your idea, however, in my opinion, the better plan is.. ”
という文なら「however」がディスコースマーカーです。
Howeverは、逆接の接続詞で、「しかし」という意味です。
つまり、ディスコースマーカーがある場合は、話が切り替わるあるいは大事な内容が次にくるポイントと認識しておきましょう。
逆に、この文で “I partly agree~ idea” はそこまで重要な文ではありません。本当に大事なのは、次に来る”in my opinion”以下の文章です。
ディスコースマーカーに注目すると解答になる部分を見つけやすくなります。
なぜなら、長文読解の問題は「文中の大切な部分」に着目して作成してあるからです。
英文を読んでいるうちに、2つ前の文の内容がわからなくなってしまう場合は、ディスコースマーカーを意識して印を書き込みましょう。
印をつけることで「ここは大事だ!」という意識が芽生えます。大事な内容も忘れにくくなるだけでなく、文章の主張も分かりやすくなるメリットがあります。
ディスコースマーカーに印をつける際は、
- 逆接(but, howeverなど)につける記号
- 順接(after all , thusなど)につける記号
というように「意味ごとに記号を決める」という自分なりのルールを作ると、文章が読みやすくなります。
英語長文読解のおすすめ参考書【レベル別】

ここからは、5つのレベルごとで、それぞれオススメの参考書と詳しい使い方を紹介していきます。
- 中学レベル
- 高校基礎レベル
- 共通テストレベル
- MARCHレベル
- 早慶レベル
どの参考書をどれくらいのペースで具体的に解説しているので、ぜひ参考にしてください。
中学レベルのオススメ参考書
そもそも英語が嫌いな生徒や長文なんて無理という生徒は、ここから始めましょう。
- 受験を控えているが英語長文の勉強法がわからない
- 教科書の英語長文が読めない
- 中学の定期テストで得点が5割を下回った経験がある
高校基礎レベルのオススメ参考書
「受験英語の基礎レベルから始めたい!」という生徒は、高校基礎レベルの参考書から取り組みましょう。
以下のチェックリストに1つでもあてはまる人はオススメです。
- 試験時間内に長文を解き終わらない
- 英語の文章は読めているはずなのに問題に答えられない
- 英語長文の具体的な勉強方法がわからない
このレベルの人は、『イチから鍛える英語長文Basic』を使いましょう!
共通テストレベル
高校基礎レベルの延長で、共通テストに近いレベルの方にオススメです!
- 模試を受けたが、今までの問題レベルとの違いを感じている
- 共通テストの問題を解いていないが対策したいと考えている
- 学校で扱う長文は概ね分かるようになり、受験対策を考えたい
このレベルの生徒は、『イチから鍛える英語長文300』を使いましょう。
MARCHレベルのオススメ参考書
共通テストレベルよりもレベルアップし、MARCHレベル志望校対策ができるように勉強したい人はもう少し難しい問題集にチャレンジです。以下のチェックリストに1つでもあてはまる人は『イチから鍛える英語長文500』がオススメです。
- 学校の勉強とは別で志望校向けに長文の勉強をしたい
- 共通テストの長文は読めても、それ以上のレベルについては自信がない
- 日東駒専~MARCHレベルの英語の過去問を読んでみたが、現在の実力では解けなさそう
早慶レベルのオススメ参考書
英語長文の最難関、国公立~早慶レベルをクリアしたい生徒向けの参考書です。
以下のチェックリストに1つでもあてはまる人はオススメです。
- 早稲田や慶應の長文だと時間内に読みきれない
- 共通テストレベルの長文は確実に8割解ける
- 早慶レベルの長文読解の演習問題に挑戦したい
このレベルの人は『イチから鍛える英語長文700』を使いましょう。
今まで紹介した勉強法を取り入れれば「長文はなんとなく読めるのに問題は解けない」といったことはなくなるはずです。
英語の長文の問題集については、以下の動画も参考にしてみてください!

英語長文読解の勉強法Q&A

最後に英語長文の勉強でよくある質問についてお答えします。
英語長文問題で単語が分からない時の対処法
英語長文問題で分からない単語が出てきたときには、読み飛ばしても大丈夫です。
おそらく、単語が1、2個わからないぐらいで解けない大学入試は存在しないでしょう。
文中の単語が90%以上わかっていれば問題ありません。
「1、2個の単語がわからないだけで全く解けない!」という入試問題はおそらく存在しません。
とはいうものの、わからない単語をそのままにしていいわけではなく、必ず答え合わせの後に調べて暗記しておきましょう。
わからなかった単語の復習のしかた
分からなかった単語は、必ず辞書で調べてその場で覚えましょう。書き出しておいて忘れないように繰り返しテストをすると効果的です。
わからなかった単語の復習は、次の2つがポイントになります。
- 長文問題を解き終わったら辞書を確認する
- その場で覚えて書き出す
単語の意味を確認するときには、必ず辞書を使いましょう。
辞書には、ひとつの単語についていろいろな意味が掲載されているため、自分が解いた文中における意味を確認するのに最適です。Webや電子辞書を使っても構いません。
辞書でいろんな意味を一緒にチェックしておけば、ほかの用法も目に付くため、別の問題を解いたときにも役立ちます。
また、単語を覚えるときは、意味だけでなく品詞・スペルまで覚えましょう。
ノートは、単語を覚えるときにわからない単語をまとめるのではなく、わからない単語を書き出して覚えたら消すという方法で活用しましょう。
目で見るだけでなく、手も動かすことで効果的に暗記できます。ノートでなくても、「電子辞書にブックマークして覚えたら消す」「スクショして覚える」などでもよいでしょう。
まとめ
英語の長文読解のポイントは以下の2つです。
- 単語、文法、英文解釈といった基礎事項を固める
- 基礎事項が身についたら問題練習を繰り返し行う
- 長文の中に出てきた単語は単語帳に載っているものだけ覚える
長文読解は基礎事項を固めて、問題を解いて慣れることが大切です。
この記事で解説した方法をしっかり守れば、早慶レベルの長文までスラスラ読めるようになるでしょう。
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