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地理を共通テストや私大の受験、国公立の2次試験など。どこに使うかは人によりますが、他の教科と比べて、地理にかけられる時間は決して多くはとれない人が多いでしょう。
受験地理では短い勉強時間で成績をアップできるかが重要なポイントになります。短期間で実力をつけるには、根拠に基づいた確かな勉強法を取り入れる必要があります。
もし、以下のようになんとなくで勉強しているだけでは成績は上がりにくいです。
- とりあえず地理の参考書を買ってみた。
- 「系統地理」「地誌」といわれて、なんのことかわからない。
- 共通テスト地理を何度やっても70点を超えない。
地理の勉強法を見直して成績を伸ばす勉強法に変えていきましょう。
短期間で、地理の成績を伸ばす勉強法
地理の勉強法のステップは3つあります。
- Step.1 まずは地理の知識をインプットする
- Step.2 地理の問題集を解く
- Step.3 試験対策で受験地理の総仕上げ
それぞれの勉強法やおすすめの参考書を解説していきます。
Step.1 まずは地理の知識をインプットする
他の教科と同じくまずは知識をインプットすることから始めます。
知識がない状態では、いくら問題を解いたところで実力がつくことはありません。まずは、基礎的な知識を身につけることから始めましょう。
地理は系統地理と地誌に分けて勉強します。先に系統地理から勉強するのがおすすめです。
系統地理・地誌の勉強内容は以下の通りです。
- 系統地理:テーマ別に原理を学習していくこと
- 地誌:地域別に具体例を学習していくこと
系統地理は「気候」「農業」「人口」「交通」などテーマ別に、一般的な地理の理論を学習していく分野です。一方で地誌は「ラテンアメリカ」「東アジア」「アフリカ」といった地域別に、具体的な事例を学習していく分野です。
地理の勉強を効率的に進めるため、系統地理から勉強するのが大原則です。
系統地理をきちんと身につけておけば、地誌で覚える具体例もすべて理由と一緒に覚えられるので、丸暗記ではなくなり身につくスピードも速くなります。
では、具体例を挙げて説明していきます。
例えば地誌でこんなことを習ったとします。
タロイモ・ヤムイモ・キャッサバの生産量は、ナイジェリアが世界1位。
系統地理がしっかり身についていない生徒がこれを覚えようとすると、ナイジェリアはタロイモ、ヤムイモ、キャッサバと暗記で覚えるだけになってしまいます。それだと暗記事項が多い地誌の勉強は負担が大きく、ものすごく時間がかかってしまいます。
系統地理をしっかり理解していれば、ナイジェリアが世界最大のタロイモ・ヤムイモ・キャッサバの生産国であることは、暗記しなくても理解できるのです。
系統地理で習う「気候」から考えると、ナイジェリアは熱帯系の気候Am。「土壌」はやせたラトソルで、作物が育ちにくい。「農業」の分野から考えると、やせた土壌でも育つイモ類の生産が盛んになるはず。「人口」から考えると、ナイジェリアはアフリカでも最大の人口なので、主食となるタロイモ・ヤムイモ・キャッサバの生産が盛んになることは当然です。
このように、系統地理を先に身につけていれば、地誌で習った内容と関連付けて覚えられるので、多少抜けてしまっても思い出すことができます。
実際の入試では「ナイジェリアで多く生産されているものはなんですか?」という問題は出てきません。「人口分布と食糧生産の関係」「気候区分と農業の関係」「なぜナイジェリアではイモ類の生産が盛んなのか」といった問題が出題されます。
表から読み取って「なぜ」に答えていくことや、文章を読んで関連性を見つけることが、2021年以降の共通テストでも求められるようになっています。しっかり系統地理と地誌を関連付けて覚えておくことで点数も上がりやすくなります。
「なぜ?」を考えながら勉強する
地理の勉強では「なぜ?」を考えることが大切です。例えば、「なんでアフリカには砂漠もあるし、熱帯雨林もあるの?」「なんで東アジアでは稲作が盛んなの?」「なんでアメリカ合衆国では、人の移動に電車は使わないの?」これらを考えることで学習効果が上がっていきます!
「なぜ?」に対する答えを推測しながら勉強する
「なぜ?を考えよう!」に類似していますが、重要なのは、「なぜ?」を考え自分なりに推察し、自分の考え方が合っているかを照らし合わせることです。ここまで勉強できれば地理の勉強もスムーズに進みます!
地理の「系統地理」「地誌」を身につけるための参考書

この系統地理・地誌を身につけるために、最初は読み物系の参考書や映像授業などで地理について理解を深めていくことが必要です。
参考書は、『村瀬のゼロからわかる地理B』がおすすめです。
映像授業はペースの管理もしやすいため「スタディサプリ」などのサービスを活用するのもよいでしょう。
スタディサプリであれば「高1・高2・高3地理」の授業を活用しましょう。
参考書・映像授業のどちらを使う場合でも、1回で完璧に覚えようとしないことがポイントです。
まずは、授業や参考書の内容を理解することに重点を置いて、まずは1周することを念頭に置いて取り組みましょう。

Step.2 地理の問題集を解く
知識のインプットができたら、何度も問題集を解いてアウトプットします。問題集を解いて知識の定着と問題を解く力をつけていきましょう。
問題を解くことで、インプットした知識を活用できるようになり、知識がインプットできていれば短期間で成績を上げることができます。
地理の知識を定着させる参考書と勉強法
知識を定着させるには、手を動かして問題を解く必要があります。しかし、地理の問題集はそう多くありません。
共通テスト向けの問題集は、多くの分野から均等に問題が出題されるため、基本知識が身についているか確認できます。なので、共通テストで地理を使う生徒だけでなく、大学ごとの個別試験で地理を使う生徒も共通テスト向けの問題集を使うのがおすすめです。
情報が少し古い部分もありますが、センター試験の問題なども同じように活用できます。
ただし、いきなり共通テストの問題を解いても難しいため、まずは共通テストレベルの基本問題集を使いましょう。
例えば、この『共通テスト集中講義』シリーズであれば、大まかな各分野の解説から一問一答、実践的な問題まで少量ずつ載っているため、効果的に基礎知識を押さえることができます。
問題を解くときに、注意するのは以下の3つです。
- 間違えた問題には必ず印をつける
- 正解していた問題も解説をすべて読む
- 解説でわからなかった箇所は、必ず参考書や地図帳や資料集に戻って確認する
特に地理の場合、たまたま正解していた問題をそのままにしてしまうと成績は上がりにくいです。
理由まで理解して正解していないと、次回も正しく答えられるとは限りません。正解していた問題も理由が合っていたか、忘れていた知識がないかを解説で確認しましょう。
Step.3 試験対策で受験地理の総仕上げ
知識のインプットと問題集によるアウトプットが終わったら、最後に自分が受験する入試にあわせた試験対策を行います。
共通テストで使用する場合は、共通テストの過去問や予想問題、センター試験時代の過去問も可能な限り解いておきましょう。
古い問題を解いてもあまり意味はないのでは?と考える生徒もいるかもしれませんが、地理の原理・原則が大きく変わることはありません。ほとんどの問題は少しくらい古くても活用できるため、ぜひチャレンジしてください。
共通テストより高いレベルを目指すときの勉強法と参考書

共通テストより高いレベルの私大入試や国公立の二次試験で地理を使う場合は、志望校に合わせた問題演習が必要です。
私大入試は選択式の問題が多いので、『実力をつける地理100題』を使って演習しましょう。
本番の入試に近い内容が載っていて、さまざまな問題を演習できます。
国公立の個別試験では、論述が出題されることがほとんどです。
論述問題は、選択肢のない中で、自分で現象を考察して文章にまとめられるようにしておかなくてはなりません。
『納得できる地理論述』などの問題集で論述演習をするだけでなく、資料集や地図帳も一読していろいろなネタを仕入れておく必要があります。
どちらの問題集に取り組む場合でも、解答や解説は、正解しても不正解でもすべて目を通しましょう。
地理の基本となる系統地理が入っていれば、あとはどれだけいろいろな国・気候・地形を知っているかで点数が大きく変わります。解説に書いてあることも含めてすべて問題の題材や論述のネタになると思って読み込みましょう。

地理の定期テスト・学校の勉強の対策
学校の定期テストで地理の点数が取れないと悩んでいる生徒もいるかもしれません。
定期テストの地理は、学校によって出題形式は異なりますが、一般的には大学入試に比べて知識問題が多くなる傾向があります。
事前の勉強で対策できる内容が多いため、ここでは「大学入試で地理を使う場合」と「定期テストでしか地理を使わない場合」の授業の活用法や勉強法を紹介します。
大学入試で地理を使う場合
共通テストや大学の個別試験でも地理を使う場合は、普段の授業をしっかり聞いて、授業で教わった内容は授業中に理解するようにしてください。
地理の入試対策は高3の入試前まであまり時間を取れないことが多いため、普段の学校の授業やテスト前の勉強で、できるだけ基礎知識は全てインプットしておく必要があります。
具体的には、以下の3つを意識して勉強に取り組みましょう。
- 学校の授業でわからなかった箇所はその日のうちに解決する
- 授業は、プリントだけでなく、資料集や地図帳も合わせて見ながら受講する
- テスト前は必ず問題を解く
地理のテスト向け問題集が配られていない場合は、先ほど紹介した共通テスト向けの問題集でテスト範囲を解いておくとよいでしょう。
知識は問題を1回解いただけでは定着しません。3周は解くように逆算して勉強計画を立てておきましょう。
定期テストのみに使う場合
地理を定期テストのみ使う場合には、以下の2つを意識して勉強しましょう。
- 何を目的に勉強するか
- 何点とることを目標にするか
正直なところ、学校の成績をそこまで重視していないのであれば、地理のテスト勉強に時間をかける必要はありません。3日前からプリント・ノートを見返して、穴埋め部分を覚えておけば十分でしょう。
単位が取れない可能性がある、推薦入試のために内申点を取りたいという場合は、次の「何点取ることを目標にするか」がポイントになります。
平均点を取りたい場合は、1週間位前から勉強しておけば十分点は取れます。満点に近い点数を狙うのであれば、正直1ヶ月前から始めてもどこまで伸ばせるかはわかりません。
内申点が必要であれば、共通テストなどで地理を使う生徒と同様に、授業中だけでも集中して聞いて内容を理解し、テスト直前期は、問題集を3周繰り返して身につけておきたいところです。

地理の勉強法に関する不安・質問

最後に地理の勉強に関する質問に回答します。
地理っていつから勉強を始めればいいですか?
目指すレベルによって変わりますが、基本的には以下のスケジュールで勉強計画を立てましょう。
- 国公立二次試験で地理の論述が出題される→高2のうちには勉強スタート
- 私大個別試験で地理を使う→遅くても高3の4月には勉強スタート
- 共通テストで利用する→高3の夏休みにはスタート
ただし、学校の定期テストの勉強にきちんと取り組み、授業もすべて聞いていることが大前提です。
もちろん勉強を開始するのは早ければ早いほどよいのですが、ほとんどの生徒の地理の優先度はそこまで高くないことが多いです。
特に共通テストでしか地理を使わない場合、地理よりも配点が高い科目や、英語・数学などの個別試験で使う科目に時間を割くほうが効率的だと考えるでしょう。
普段の地理のテスト勉強などで復習をしておけば、上記の時期から勉強をスタートさせて基本的には間に合います。
ただし、各大学の個別試験で地理を使う場合、高3の夏休み前には全範囲カバーしている状態にしてください。
学校の授業は高3の夏前に終わらない場合がほとんどです。系統地理はなんとか終わっても、地誌の授業は終わらないケースがよく見られるので要注意です。
夏休みは問題演習にしっかり取り組みたい時期なので、もし学校の授業が夏休み前に終わらない場合には、地誌の部分だけでも映像授業や参考書などを使って勉強しておきましょう。
地理の資料集や地図帳、用語集や一問一答って必要?
教科書・プリント以外の地理の教材の使い方について解説します。
学校で配られたけど、全然授業では使っていない参考書があるという生徒も多いかもしれません。
確かに地理では、以下のようなさまざまな教材が配られたり、購入を勧められたりします。
- 地図帳
- 資料集
- データブック
- 用語集
- 一問一答
この中で必ず使ってほしいのは地図帳・資料集の2つです。
地理は場所・地形を覚えていることが大前提です。実際の現象を勉強する分野のため、図解や地図・写真があったほうが覚えやすいといえるでしょう。
地図帳や資料集を見ればひと目でわかるということもたくさんあるので、地図帳と資料集は地理の勉強時に必ずいつでも開けるようにしておきます。わからないことや新しいことが出てきたら、資料集や地図帳ですぐに関連する項目・場所を探してみてください。
地理のデータブックは、個別試験で地理を使う人には必要です。基本的に覚えておかなければならないデータはごく一部で、ほとんどは系統地理の知識で考察すれば解けるようになっています。そのため、データブックに掲載されているデータを覚えようとする必要はありません。
データブックは、解説を読むときなどに該当データを調べたり、古い過去問などを解いたときに最新のデータと比べて変化がないか確かめたりするために使うのがおすすめです。
個別試験で地理を使う場合は、必ず最新のデータを見て現状をチェックしておきましょう。
用語集や一問一答は使わないことが多いので、購入は必要ありません。難関私大を地理で受験するという場合や、1対1で覚えたほうが理解しやすいという場合にのみ使用すれば問題ありません。
地理の勉強法|まとめ
地理の勉強ステップは以下の3つです。
- 参考書でインプットする
- 問題集でアウトプットする
- 過去問でしっかり試験対策をする
地理は使える参考書も限られるため、過去問や資料集・地図帳などをフルに活用して学習に取り組んでください。
何よりただ暗記するだけでなく、普段から「なぜこうなるのか」を考察するようにしましょう。
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