国公立大学の入試制度は、私立大学と大きく異なります。
そのため、私立と同じ感覚で受験してしまうと、併願校の決め方や勉強の方向性を間違えてしまい、痛い目を見る可能性があります。
国公立受験を進めるには、まずは入試制度についてきちんと理解することが必要です。
今回は、国公立大学の入試制度の特徴や受験する際の注意点などについてまとめました。
国公立の入試制度は「共通テスト+個別試験」
基本的に、国公立の入試は「共通テスト+個別試験」からなっています。
入試制度としては「学校推薦型選抜」「総合型選抜」もありますが、合格者の8割は共通テストと個別試験による「一般選抜で決まる」と考えてください。
この記事では、国公立の一般選抜をメインにご紹介します。
国公立入試のスケジュール
国公立入試は、「1月の共通テスト+2〜3月の個別試験(二次試験)」というスケジュールで進みます。
個別試験は、前期・中期・後期と3回設定されていますが、ほとんどの大学では前期で合否が決まります。
2022年は、前期が2月25日(金)から、中期が3月8日(火)から、後期が3月12日(土)から試験が始まります。曜日は異なりますが例年同じ日付で実施されるのが基本です。
そして、これらの入試を受けるために、1月後半から2月上旬に出願する必要があります。
〜2022年度入試の例
出願 2022年1月24日(月)〜2月4日(金)
前期試験 2022年2月25日(金)〜
前期・中期・後期で試験日は異なりますが、出願は同じ時期に行わなければいけないので注意しましょう。
国公立入試と私大入試はどう違うの?
国公立と私大の入試制度の主な違いについて表にまとめました。
違い | 国公立 | 私立 |
入試制度 | 共通テスト+個別試験 | 学部個別方式メイン |
入試科目 | 【文系】 共通テスト: 英語・数学1A2B・国語・理科基礎2科目・社会2科目 個別試験: 英語・国語・社会1~2科目(・数学1A2B) 【理系】 共通テスト: 英語・数学1A2B・国語・理科2科目・社会1科目 個別試験: 英語・数学(1A2B3)・理科2科目(・国語) | 【文系】 英語・国語・社会1科目 【理系】 英語・数学・理科1~2科目 |
受験料目安 | 共通テスト: 1万8,000円(3教科以上) + 個別学力試験: 平均1万7,000円/校 | 共通テスト: 1万2,000円(2教科以下) 1万8,000円(3教科以上) + 個別学力試験: 平均3万5,000円/校 医学系、歯学系の場合 1万2,000円(2教科以下) 1万8,000円(3教科以上) + 個別学力試験: 4万〜6万円程度/校 |
4年間の学費目安 | 250万円前後 医学部・歯学部・薬学部(薬剤師用)は6年間なので、300万円前後 | 文系:400万円前後 理系:540万円前後 医学部・歯学部:2500万円前後 |
ほとんどの大学では、「共通テストで5教科7科目」「個別試験で2〜3科目」が必要です。
個別試験では、文系で「国・数・英・地歴公民」から2~3教科、理系で「数・英・理」から2~3教科が課されることが多いです。
東大、京大など一部難関校では4教科5科目が課されることもあり、そうでなくとも理科は2科目必要、というところも多くあります。
逆に1科目で受けられるところもあり、大学・学部によってさまざまです。
学費についても、受験料・4年間の学費ともに国公立の方が安い傾向があります。
特に医学部・歯学部を目指す場合は、国公立と私大でかかる費用に大きな差があるので注意しましょう。
受験や入学時にかかる費用は大学ごとに異なるので、事前に把握しましょう。
国公立入試制度の注意点
このように、国公立受験は科目数が非常に多く、受験の仕組みも大学によって異なるため複雑です。
そのため、きちんと国公立の入試制度を理解していないと、どの科目に力を入れるのか、何を重視して取り組むのか、どの入試を目指すのかが決められず、適切な対策ができません。
ここからは、国公立入試の注意点をご紹介します。
前期・中期・後期でそれぞれ1校のみ受験できる
前期・中期・後期と日程が分かれていますが、それぞれ1校ずつしか受験できないので注意してください。
この3つのうち、最も定員が多いのは前期試験です。基本的に「受験対策」というとこの前期試験を目指して勉強することを指します。中期・後期は定員数が少なく倍率が高くなります。
それに加え中期・後期は難易度が高かったり、面接や小論文が必要であったりと対策も大変であるため、何も考えずに滑り止め校として受けるのは危険です。
そのため、前期で第一志望校を受けるとして、併願校を中期・後期試験のみで受験してしまうと全落ちしてしまうこともありえます。
「現役合格できるなら私大でもいいから絶対決めたい」という場合は、国公立も受けつつ私大も併願したり、中期・後期で第一志望校より大きくレベルを下げたところを受験したりするなどしましょう。
他にも共通テスト利用や地方受験なども受けておくと安心です。
共通テスト利用の3科目型は定員が少なく高得点が求められることがあるため、基本的には4科目以上で出願するのもポイントです。
3科目型で受ける場合は例年の最低点と見比べたり、共通テストリサーチを参考に出願しましょう。
地方受験もここ数年充実してきているため、全国の国公立を受験するチャンスが広がっています。
第一志望校を受ける前に試験慣れも兼ねて1つほど受けてもいいでしょう。
前期・中期・後期の出願はまとめて同じ時期に行わなければいけない
先程も挙げたとおり、前期・中期・後期の出願期間は同じなので、まとめて出願することになります。
そのため、「前期試験の結果を見てから後期の出願を決める」ようなことはできません。
さらに前期試験で受験した大学に合格すると、中期・後期試験は受けられません。
前期・中期・後期をそれぞれ受ける場合は慎重に出願校を選びましょう。
点数の配分は大学ごとで異なる
共通テストと個別試験の合計点のうち、どちらの点数を重視するかは大学ごとで異なります。
さらに共通テストの傾向と個別試験の傾向は大きく異なりますし、難易度も変わってきます。
このことから、志望校の配点を知っておかないと受験勉強で適切に対策できないので要注意です。
事前に共通テストと個別試験の点数配分はチェックしておきましょう。
定員のほとんどは前期試験で募集される
前期試験の募集人員が一番多いため、基本的に第一志望校は前期試験で受験するべきです。
中期試験を実施するのは一部公立大学に限られており、後期試験は廃止や縮小の方向で進んでいる上に、募集定員に対する出願人数が多いので倍率が高くなります。
かつ後期試験は、面接や小論文など特殊な入試が課される大学も前期試験より多く、追加の対策も必要になります。
そのため、中期・後期試験を受ける場合、前期で受けた大学をそのまま受けるのではなく、よりレベルを下げて滑り止めとして受験する人が多いです。
前期・中期・後期と3回チャンスがあるように見えますが、実質前期の一発勝負と考えた方がいいでしょう。
勉強する科目数がかなり多い
国公立試験は、私立よりも使う科目数が多いのが特徴です。
特に共通テストの科目数が多いので、ほとんどの大学では「文系志望でも数学」「理系でも国語」が必須です。
数学は数学3まで含めると範囲が広いですし、理科・社会は受験直前まで学校の授業が終わらないこともあるので、早めに勉強しないと間に合いません。
共通テストも含めて3科目受験ができる国公立もありますが、定員が少なく高得点が求められることがほとんどです。
共通テスト利用で受験する場合は、例年の最低点と見比べたり、共通テストリサーチを参考に出願しましょう。
学習塾STRUXなら早めの国公立対策が可能!
このように、国公立は入試のチャンスが少なく、科目数も多いため合格には早めの勉強が必須です。
特に数学や理科・社会は、普段から自分で勉強する習慣がついていないと間に合いません。
学習塾STRUXなら、授業だけでなく学習計画の管理もしているので、国公立に向けた早めの受験対策に最適です。
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この学習計画は、毎日の勉強内容を指定できるレベルまで具体的に落とし込みます。
そのため、「どの参考書を・いつまで・どれくらい」やれば志望校に合格するかが明確になり、あとは勉強に集中するだけという状態になるのです。
受験科目が多いと勉強時間が偏ってしまいがちですが、STRUXなら科目ごとに学習計画を立てるのでバランス良く指導できます。
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