*紹介している教材にはプロモーションを含みます
「英単語と文法は勉強しているのに、長文の問題が解けない。」
こんな悩みを抱えている高校生は、構文を取るという、英文解釈の勉強をしてみてください。
英語の長文問題を解くとき、英文構造の理解は大切です。構文を取れるようになれば、英文が理解しやすくなり、長文が読めるようになります。
本記事では、英文解釈の勉強法を詳しく説明します。
英文解釈の意味を理解しよう

ここでは、英文解釈とは何か説明します。
「英文解釈」・「構文をとる」とは?
英文を読むときに構文を理解する作業を「構文をとる」と言い、構文をとるための勉強を「英文解釈」の勉強といいます。
英文の構造は、日本語とはちがいます。
「彼が親切だということは本当です。」を英語にすると
It is true that he is kind.
と形式主語構文となり、日本語とは異なった語順で書かれます。
このように英語には英語の文構造があって、その並びのことを「構文」と言います。
英文解釈は和訳とはちがう
英文解釈は、正しい和訳をするための過程であって、和訳ではありません。
構文をとる勉強をすると、和訳の問題を解くときには、英語を構文から意味を取り、日本語に訳す、という順で解くことができます。
英語の単語の意味をつなぎ合わせて和訳するよりも、正しいニュアンスで和訳することが可能です。
複雑な英文であるほど、和訳する前に構文をとった方が、文章の意味を正しく理解できます。

英文解釈の勉強をするメリット

英文解釈の勉強をするメリットは以下の5点です。
- 英文を正確に読めるようになる
- 参考書・模試の解説を正確に理解できる
- 和訳問題の減点を減らせる
- 長文読解が得点源になる
- 読めない英文や分からない単語に出会った時でも対処できる
ここから詳しく説明します。
英文を正確に読めるようになる
英文を正確に読むことができるようになるのが、英文解釈を勉強する一番のメリットです。
大学受験の英文には700語を超える複雑なものもあります。1か所読み違えただけでも、その後の文章の意味を読み違えてしまうことがあります。
また、英文を正確に読めるようになることは、速く読めるようになることにもつながります。
大学受験で、正確に速く読むためにも、英文解釈を勉強しておきましょう。
参考書の解説を正確に理解できる
英語の教材についている、解説に書かれてあることを、理解するスピードが上がれば、勉強の効率も上がります。
解説では、( )や、< >、[ ]などの記号で一部が示されていたり、SVOCMが示されていたりする英文の解説を見たことはありますよね。
英文解釈の勉強をしておくと、これらの解説の意味が理解でき、学力アップにつながります。
参考書や、模試の解説などの英語の教材には、ほとんど英文の解説がついています。
解説に書かれている英文の意味を理解し、参考書を最大限に活かしてください。
和訳問題の減点を減らせる
和訳問題では、「構文をちゃんと理解できていること」をハッキリ記述した答案になっていないと、減点されやすくなります。
和訳問題の採点は、減点方式のことが多いです。入試では、1点で合否が変わることがあり、たった1つの△(マイナス1点)でも防いでいく必要があります。
構文を理解した上で和訳するには、『英語→構文から意味を取る→日本語に訳す』という順で解答することになります。英語の構文から、そのまま文章の意味を理解するため、正確な文章の内容を理解することが可能です。
英文解釈の勉強をして、正確な和訳ができるようにしましょう。
長文読解が得点源になる
英文解釈を学ぶと、長文読解に必要な、英文を読む速さと正確さが身につきます。英文解釈の勉強は、長文読解で内容を理解するのに最適です。
英語の長文読解は、苦手な受験生も多く、合否を分ける問題の1つです。
大学受験において、長文読解で得点できるようになれば、他の受験生に差をつけられます。
読めない英文や分からない単語に出会った時でも対処できる
英語を構文から理解すれば、読めない英文や分からない単語に出会ったときの対処法を知ることができます。
英語は、文型や動詞の動詞の後の形などから、大まかな意味が分かります。
これを理解しておけば、読めない英文や覚えていない単語があっても、大まかな意味を把握することが可能です。
大まかでも意味が分かっておけば、長文全体の理解度が深まり、点数を取りやすくなります。

英文解釈の勉強法/やり方のコツ6選

英文解釈の勉強のコツとして、以下の6つを紹介します。
- SVOCMを正確に見極められること
- できるだけ早い時期に英単語・英熟語・文法をマスターすること
- 英文解釈で使う用語を覚えて「品詞の見極め」を練習すること
- カタマリを作る語彙を覚えておくこと
- カタマリの役割でカッコを使い分けること
- 等位接続詞に着目すること
ここから、上記6つについて解説を行います。
SVOCMを正確に見極められること
英文解釈を勉強する上で、SVOCMを判断することは重要です。
英語のSVOCMとは、以下の通りです。
- S:主語
- V:動詞
- O:目的語
- C:補語
- M:修飾語
英文中でSVOCMがどれかを判断できるようにしましょう。
最も重要なのが、Sがどこかを把握することです。
倒置が起きている文章などの例外をのぞき、VやOやCは必ずSより後ろにくるため、Sの位置がわかれば、ほかの要素も見つけやすくなります。
2番目に重要なのが、Vの位置です。
英文では、動詞の種類によって、その後に続くものがOかCか決まっていることが多いです。
つまり、Vの位置に入っている動詞が5文型の中のどの文型を取るのか分かっていれば、その後に続くのが「OなのかCなのか」など予想ができます。
例えば、「Vがbe動詞だから次はC」とか「VがmakeだからOかOCが来る」といった風に次に来るものを予想しながら読むと、内容を理解しやすくなります。
できるだけ早い時期に英単語・英熟語・文法をマスターすること
英文解釈を学習するには、英単語や英文法を覚えることが大事です。なぜなら、構文は、複数の英単語や英文法が集まったものだからです。
英単語や英文法の勉強が不十分であれば、まずは、単語帳や文法の参考書および問題集を使って知識をつけましょう。勉強法は、以下の記事でまとめています。
しかし「単語も文法も完璧にならないと、英文解釈の勉強に進めない」ということではありません。完全に覚えるまで覚えていたら、英文解釈の勉強が間に合わなくなります。
単語帳や文法問題集を1周~2周してある程度覚えたら、英文解釈の勉強に移るのをおすすめします。
英文解釈で使う用語を覚えて「品詞の見極め」を練習すること
英単語と英文法を覚えたら、「名詞」「形容詞」「動詞」などの品詞や、「句」「節」などの用語を覚えましょう。
これらの用語について説明します。
品詞「名詞」「形容詞」「動詞」など
以下の表に、品詞の意味をそれぞれまとめています。
品詞 | 意味 |
---|---|
名詞 | 人、事物の名前を指す。S、O、C、前置詞の目的語の位置に入る。 |
代名詞 | 名詞の代わりをする語。名詞と同じ役割。 |
形容詞 | 名詞、代名詞を修飾して性質・状態を表す。もしくは、Cになる。 |
動詞 | 主語の動作、状況を述べる。Vになる。 |
副詞 | 場所、時、様態、程度、頻度を表す。Mになる。動詞、形容詞、他の副詞を修飾する。もしくは、句、節、文を修飾。 |
前置詞 | 名詞、代名詞の前に置かれ、<前置詞+名詞>というかたまり、つまり前置詞句を作る。前置詞句は、形容詞と同じ役割をする「形容詞句」と副詞と同じ役割をする「副詞句」に分けられる。 |
接続詞 | 語、句、節、文をつなぐ。 |
間投詞 | 喜怒哀楽や驚きなどの感情を表したり、注意を引くときに使われる語。 |
上の表の中で、分かりにくい「形容詞」と「副詞」のちがいを説明します。
「形容詞」は「名詞」を修飾し、「副詞」は「名詞」以外を修飾することを覚えておきましょう。
例えば「She gave me clear directions(彼女は私に明確な指示を与えた)」の「clear」は名詞「directions」を修飾しているので、形容詞です。また、「She explained everything clearly」の「clearly」は動詞「explained」を修飾してるから副詞となります。
品詞以外に覚えるべき用語「句」「節」など
品詞以外の重要な用語を、以下の表にまとめています。
品詞以外の用語 | 意味 |
---|---|
名詞 | 人、事物の名前を指す。S、O、C、前置詞の目的語の位置に入る。 |
自動詞 | 目的語を持たない動詞。第1、2文型を作る。 |
他動詞 | 目的語を持つ動詞。第3~5文型を作る。 |
句 | 主語+述語動詞を含まない語群。名詞の役割をする名詞句、形容詞の役割をする形容詞句、副詞の役割をする副詞句の三つに分けられる。 |
節 | 主語S+述語動詞Vを含む語群。名詞の役割をする名詞節、形容詞の役割をする形容詞節、副詞の役割をする副詞節の三つに分けられる。 |
等位節 | 等位接続詞(and,but,orなど)でつながれる節。例:He came and she went away. |
従属節 | 従属接続詞(when,because,thatなど)+主語S+述語動詞Vで名詞、副詞の働きをする。例:She wnet away when he came. |
上の表の内容を、丸暗記する必要はありません。授業で、表の用語が出てきたときに理解できるようにしておきましょう。
先生の説明が分かるようになり、自然と頭に入ります。
カタマリを作る語彙を覚えておく
「カタマリ」とは、「句」や「節」といったいくつかの用語が集まった、意味のまとまりです。
ここから、カタマリを発見する目印となるものを解説します。
句を導くもの「前置詞」「不定詞」「分詞」
「前置詞」「不定詞」「分詞」の3種類は、句を作るものです。
前置詞句の例として、以下の英文を見てください。
I go to the park on Sunday.
この “to the park” と “on Sunday” はいずれも前置詞で始まる句(副詞句)です。
不定詞では、以下の英文で
My hobby is to play the violin.
の “to play the violin” の部分が句(名詞句)になっています。
There is a girl playing the guitar.
の “playing the guitar” は分詞に作られた句(形容詞句)になっています。
このように前置詞、不定詞、分詞は句を作ることを覚えておいてください。
それぞれが名詞句、形容詞句、副詞句のどれになっていて、文の役割(SOC)は何か、あるいは何を修飾しているか、などを判断する練習を英文解釈の勉強でしていく必要があります。
節を導くもの「接続詞」「関係詞」
節を作るものには「接続詞」と「関係詞」があります。
下の英文の例を見てください。
I like an apple because it is delicious.
上の文中で、because以下は、SVを含む節(従属節かつ副詞節)となっています。
関係詞の例として、下の文を見てみましょう。
I have a brother who is a pilot.
この英文では “who is a pilot”の部分がSVを含む節(従属節かつ形容詞節)となっています。
このように「カタマリ」には大きく分けて、SVが含まれない「句」とSVが含まれる「節」があります。
カタマリの役割でカッコを使い分けること
カタマリを見つけたら、そのカタマリが分かりやすいようにそれをカッコでくくります。
続いて、それらのカタマリが文章中でどういう役割なのかを把握しましょう。
それぞれのカタマリには、必ず名詞・形容詞・副詞のどれかの役割が当てはまります。
英文解釈を勉強するときには、下のように、名詞節・句は[ ]、形容詞節・句は( )、副詞節・句は<>といったように種類を変えてカッコでくくるとわかりやすいです。
(元記事にある英文の図)
等位接続詞に注目
「and」「or」「but」などの等位接続詞は、その前後に同じ形のものがきます。A and B あるいは A or Bなどとなっているとき、AとBには同じ形のものがくる、ということです。
以下の英文を例にあげると、
apple and pen
なら、andの前後がどちらも名詞、
I go to school and study English
なら、どちらも動詞+名詞、
To play tennis or to swim
なら、どちらも名詞句です。
等位接続詞の前後には同じ形のものがくるという性質を知っていれば、カタマリを把握しやすくなります。
等位接続詞に着目すること
まず、等位接続詞があったら△をつけます。次に、その等位接続詞の後ろがどうなっているか見て、アンダーラインを引いて②とします。
次に、等位接続詞の前を見て、②と同じ形になっている部分に、アンダーラインをひきます。

長い文章や構造が複雑な文章になるほど、この手法は役に立ちます。

英文解釈のレベル別参考書&参考書の進め方を紹介!
ここからは、構文を読み取る力をつけるための、レベル別の勉強法を紹介します。
参考書の進め方を5ステップで解説!

どのレベルでも、以下の方法で、英文解釈の勉強を進めていきましょう。
- Step.1 英文を文法的に解釈する
- Step.2 解説を余すところなく読む
- Step.3 英文を和訳する
- Step.4 解答と比べて間違っているところがあれば、解説に戻って理解する
- Step.5 文法用語や単語を覚える
まず、最初に問題となっている英文を解釈をします。下の2つを意識して英文解釈をしてください。
- カタマリをカッコでくくる
- SVOCMをふる
この作業は、最初のうちは手間に感じたり、難しく感じることも多いと思いますが、根気強く勉強することで正確に英文を読む力がつきます。
次に、問題の解説を隅から隅まで丁寧に読みます。
長文が苦手な人は、無意識に「読み飛ばし」をしていることが多いので注意が必要です。
解説を読んだら英文の構造が分かるので、解説を思い出しながら日本語に訳してみてください。
ちゃんと理解していれば、すぐに訳すことができます。
和訳を解説と見比べて、分かったつもりになっていないかチェックしておきましょう。
最後に文中に出てきた単語や、解説中に出てきた文法用語で覚えていなかったものがあれば、辞書や文法書で調べて覚えて終わりです。
このやり方は、下の動画でも解説しているので、参考にしてください。
基本的な勉強ステップが分かったら、以下で紹介する参考書の中で、自分に当てはまるレベルの参考書を使って勉強してください。
レベル別参考書を紹介
ここでは、レベル別におすすめの参考書を紹介します。
自分のレベルに合っているかや、志望校を目指すうえで必要になるかどうかから参考書を選んで、英文解釈の勉強を進めるようにしましょう。
下の動画でも参考書を紹介しています。
文法用語の知識が不十分なレベルの場合|英文読解入門基本はここだ!
一応文法は勉強したけど、英語の自信はないという人は、『英文読解入門基本はここだ!』を使って、文基本的な英文解釈の勉強を進めていきましょう。
『英文読解入門 基本はここだ』は、文法の知識があいまいな人でも、十分に読み進められる易しい参考書になっています。
ただし、受験における最低レベルの参考書なので、スピーディに終わらせて次の参考書に移るようにしましょう。
高1・高2~共通テストレベル|入門英文解釈の技術70
基本的な文法項目が、理解できているのであれば『入門英文解釈の技術70』に取り組むことをおすすめします。
『入門英文解釈の技術70』は難しい単語はあまりなく、英語が苦手な人でも取り組みやすくなっています。問題、解説、解答が見開き1ページでまとまっていて、見やすいのも特徴です。
この参考書が理解できるようになれば、共通テストに出題されるような簡単な英文であれば「英文の構造が分からなくて困る」ということはなくなるでしょう。
共通テストよりも難しいレベルの英文が出題されるMARCHや関関同立レベル以上の大学を受験する場合は、『基礎英文解釈の技術100』を使ってください。
基本的な内容から、応用的な内容までをバランス良く含んだ参考書です。また、英文解釈に関する解説が充実しています。
この参考書に取り組んでおけば、受験勉強における英文解釈の勉強は終わったことにして長文メインの学習に移っても問題ありません。
難関大レベル
旧帝大や早慶などの難しい英文が出題される入試を受ける場合は、『英文解釈の技術100』にも取り組んでください。
英文解釈用の参考書の中では、最高レベルのものです。解説も充実しており、最難関大志望の人は、これをやっておけば間違いありません。
ただし難易度はかなり高いので、全受験生が取り組まなければいけないものではありません。
必要以上に難しいものに取り組むと長文の勉強をする時間がなくなってしまいます。
まとめ
英文解釈の勉強法の6つのポイントをおさらいしましょう。
- SVOCMを正確に見極められること
- できるだけ早い時期に英単語・英熟語・文法をマスターすること
- 英文解釈で使う用語を覚えて「品詞の見極め」を練習すること
- カタマリを作る語彙を覚えておくこと
- カタマリの役割でカッコを使い分けること
- 等位接続詞に着目すること
それぞれ重要な内容なので、頭に入れた後、参考書を進めながら自分のものにしてください。
参考書は、次の5つのステップで進めるようにしましょう。
- Step.1 英文を文法的に解釈する
- Step.2 解説を余すところなく読む
- Step.3 英文を和訳する
- Step.4 解答と比べて間違っているところがあれば、解説に戻って理解する
- Step.5 文法用語や単語を覚える
これらを実践して構文を使いこなせるようになれば、次は長文の勉強をしてください。
*記事に掲載中の学習塾STRUXプランは執筆時点でのものであり、一部変更となっている可能性がございます。詳しくは料金ページをご覧ください。