*紹介している教材にはプロモーションを含みます
センター試験から共通テストに移行して5年が経ちました。加えて2025年には学習指導要領の改訂に伴い共通テストの出題教科が再編されました。そのため、新しい共通テストの教科に応じた勉強が必要になるでしょう。
この記事を読めば「問題傾向」や「センターとの違い」「対策方法」など共通テスト地理を勉強するうえで必要なすべてのことが分かります!
*この記事は、共通テスト・過去の試行調査・市販の予想問題集の内容を元に作成されています。
共通テスト地理とセンター地理の違い

共通テストは、2025年時点で5回しか実施されていないため、場合によってはセンター過去問を活用して勉強している方もいるでしょう。
センター過去問を活用する場合は、共通テストとの違いを把握しておきましょう。センター試験と共通テストの違いは主に以下の2つです。
- 資料読み取り問題の増加
- 問題数の減少
資料読み取り問題の増加
共通テスト地理はセンター地理と比べて、資料やリード文、会話文などが増えます。
2021年度共通テスト地理では以下の問題が出題されました。

引用:大学入試センター公式サイト
センター地理も資料を用いた問題量は多めでしたが、共通テスト地理ではさらに資料やリード文の量が増え、長い文章も増えます。
資料が増えたことで問題を解く時間が増えると考えられます。それを考慮してか、問題数はセンター試験よりも少なくなっています。
総合的に考えるとセンター試験と比べて時間が極端に足りなくなることはないので、1問1問じっくりと資料を読み込み落ち着いて解けば問題ないでしょう。
問題数の減少
共通テストでは、問題数がセンター試験よりも少なくなっています。
実際に、センター試験は「大問数6・マーク数35程度」でしたが、2022年度の共通テストは「大問数5・マーク数31」でした。
この影響で1問あたりの配点が高くなるため、配点が3点の問題が減り、4点の問題が増加します。1問あたりの重要性が増すため取りこぼさないように注意が必要です。

共通テスト地理の概要

センター地理と共通テスト地理の違いがわかったところで、共通テスト地理の試験時間や出題範囲について解説します。
共通テスト地理の試験時間と時間配分
共通テスト地理の試験時間は60分です。
国語や数学と異なり問題を普通に解いていけば基本的には時間が余るので、慌てずに問題に取り組みましょう。
時間が余ったらマークミスがないかどうかなど見直しの時間にあてましょう。
共通テスト地理総合・探求の設問構成と出題範囲
次に共通テスト地理総合・探求の設問構成と出題範囲を見ていきます。2025年度の情報を参照しています。
大問 | 出題分野 | 設問数 | マーク数 | 配点 |
---|---|---|---|---|
第1問 | 食料の生産や消費 | 4 | 4 | 13 |
第2問 | 地域調査(愛知県東三河地域) | 4 | 4 | 12 |
第3問 | 世界の自然環境と自然災害 | 6 | 6 | 20 |
第4問 | エネルギーと産業 | 6 | 6 | 21 |
第5問 | 産業構造の変化に伴う都市の変容 | 5 | 5 | 17 |
第6問 | インド洋とそれをとりまく地域 | 5 | 5 | 17 |
共通テスト地理総合・探求は「大問6問×12~21点」という構成です。配点は1問3~4点となっています。
特定の地域や分野がよく問題に出されるということはなく、教科書の内容をバランスよく学習しておく必要があるでしょう。
共通テスト地理の対策

地理は日本史や世界史と比べて、暗記要素が少ない科目です。
実際、正しい語句を答えさせるような知識問題は少なく、資料から情報を読み取り、さまざまな事象の状況や原因を考える地理的思考力が試される問題が多く出題されました。
とはいえ「地理は知識を覚えなくてもいい」というわけではありません。
例えば「お米の生産量の表から国名を当てる」という問題が出題された場合、データを見ただけでは答えはわかりません。「お米の生産はモンスーン気候にある南アジアや東南アジアで盛んである」といった最低限の地理的な知識があれば、推測して答えにたどり着けるでしょう。
このように、最低限の基本知識を覚えたうえで、データから答えを導く思考力を鍛える必要があります。

共通テスト地理の正しい勉強法

共通テスト地理の勉強の流れは以下のようになります。
- 共通テスト地理を解くための知識を暗記する
- 共通テスト地理を解く練習をする
それでは、詳しいやり方を見ていきましょう。
共通テスト地理を解くために必要な知識を覚える
地理は、「系統地理(気候・農業などテーマ別に学習する)」と「地誌(東アジア・アフリカなど地域別に学習する)」の2つに分かれます。
地理の基礎力を固めるには、まずは系統地理の内容をしっかり身につけることから始めましょう。
なぜなら、「系統地理」で出題される事象が【なぜそこで起こっているのか】を理解すると、因果関係に基づき、勉強しなくても地誌の問題が解けるようになるからです。
系統地理について詳しく知りたい方はこの記事をチェック!
地誌について詳しく知りたい方はこの記事をチェック!
共通テスト地理を解くために必要な系統地理と地誌の知識を身につけるためにおすすめの参考書をご紹介します。
おすすめは以下の2つの参考書です。
オススメ参考書その1:共通テスト地理B集中講義
この参考書は、過去(2015年~2023年)のセンター試験から共通テストの出題傾向を分析したうえで、テーマと学習項目をランクづけしています。
地理総合と地理探究の内容が厳選されてまとまっているため、しっかり取り組めば短期間で高得点が期待できる1冊です。
特に、地理の勉強にあまり時間をかけたくない受験生や、地理が苦手な受験生にはおすすめです。
オススメ参考書その2:短期攻略大学入学共通テスト地理B
共通テスト対応の短期完成型問題集で「基礎から共通テストレベル」までを身につけられるようになっています。
1冊で系統地理と地誌の内容をカバーしていますが、「共通テスト 地理 集中講義 地理総合、地理探究」よりも話のレベルが高いため、「地理がある程度できる」「共通テスト地理で高得点を取りたい」受験生向けです。
上記2冊の参考書は、「記述を読む」+「付属の問題を解く」という取り組み方で必要な力が身につきます。
参考書を読んで「もっと詳しいデータが知りたい」「実際の写真や地図が見たい」と思った時には、教科書や資料集、地図帳で確認しましょう。
共通テスト地理のおすすめ問題集はこちらをチェック!
共通テスト地理の問題を解く練習をする
共通テストでは、生産量ランキングを答えさせるような「単純な知識問題」はあまり出題されず、「データから答えを推測させるような問題」が多く出題されます。
最初は難しいかもしれませんが、系統地理と地誌で身につけた基本的な知識があれば、問題演習を重ねていくうちに解けるようになります。
系統地理と地誌の知識がひととおり身についたら、共通テスト形式の問題を解いて「データから答えを推測する」問題に慣れていきましょう。
使う参考書は共通テスト・センターの過去問、共通テスト予想問題集のどちらでも問題ありません。
予想問題集の場合は「共通テスト実践模試地理総合、地理探究」、共通テスト・センター過去問の場合は赤本がオススメです!
問題演習では「答えを出すまでの過程を学ぶこと」が重要です。
解説には答えを導きだす方法が詳しく書かれているので、間違えた問題や解答に自信がなかった問題は必ず解説を読むようにします。
問題を間違えた場合には、
- 単なる知識不足なのか
- 知識はあったが、答えにうまくたどり着けなかったのか
のどちらのパターンで間違えたのか分析しましょう。
「単なる知識不足」であれば、参考書を使って間違えた問題で出題されていた範囲をもう一度復習します。
「知識はあったが、答えにたどり着けなかった」なら、解説に書かれている考え方を読みこんで理解し、次に類似問題が出題された際に解けるようにしていきましょう。
まとめ
共通テスト地理では、知識を問う問題は少なく、データから答えを推測する問題が多く出題されます。そのため、暗記は少ない科目とはいえ、最低限の地理の知識は必要です。
地理の勉強は、系統地理を勉強してから地誌を勉強するのが正しい勉強法です。
問題演習では、間違えた原因を分析して次に類似問題が出た場合に対処できるようにしっかり勉強していきましょう。
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