*紹介している教材にはプロモーションを含みます
英文法は、英語学習、とくに大学受験に向けた勉強における基本中の基本知識です。にもかかわらず、あいまいにしか英文法を理解できていない人が多いのも事実。あいまいな理解のままでは、英文法の問題が解けないばかりか、正確に文章が読めないことにもつながります。
この記事ではそんな英文法の大学受験における勉強法と、志望校のレベルや出題形式に合わせたおすすめの参考書をすべてお伝えします。この記事を読めば、適切な英文法の勉強法がわかり、志望校合格に大きく近づきます。
英語の勉強法・参考書は動画でも解説しています!
なぜ英語学習で「英文法」が大事なのか?
英語学習、とくに大学受験において「英文法」は英単語の次に重要な基礎です。
たしかに、ここ数年の大学入試では文法問題の出題が減り、長文問題の比率が高まっています。一例として、共通テストの前進の「センター試験」では文法問題が出題されていましたが、共通テストでは廃止されて長文問題のみの出題になっています。また、昨今の「英語4技能」や「実用的な英語」を重視する風潮でも、やはり英文法は軽視されがちです。
しかし、だからといって英文法を勉強しなくてもよいというわけではありません。大学受験の英語では「正確に」文章を理解し、読み書き・聞き取りができることが求められるため、その大前提として英文法の理解が必須です。
英文法はいわば英語の文を作るルールなので、ここが理解できていなければ正確に文章は読めません。その結果、
- 単語の意味をなんとなく繋いで読む
- 知っている単語と文法だけで雰囲気で読む
- 丁寧に読もうとすると時間がかかりすぎる
ということが起こりがちです。
英語長文や英文解釈、英作文などの勉強にも大きく影響しますし、解説を読むときにも文法用語が理解できず苦戦するので、英単語と同じく真っ先に勉強しましょう。
大学受験の英文法はこの順番で勉強しろ!
大学受験における英文法の重要性がわかったところで、具体的な勉強の手順を確認しましょう。
英文法勉強は「インプット」が重要
英文法の勉強は次のステップで取り組みます。
- 文法事項を理解する=インプット
- 理解した知識を定着させる
- 入試にあわせた演習をする
大事なのは1つ目の「インプット」の作業です。英文法は問題集の問題が解けるだけでは不十分で、根拠を持って答えられることが必須になります。なぜなら英文法は「長文や和訳、英作文の点数を上げるため」に勉強するものだからです。
ここ数年の大学受験では、いわゆる「文法単体の問題」は非常に少なくなっています。それ以上に長文問題などの比重が高くなっているのですが、すでに触れた通り、英文法はすべての英語の文章の基本になるルールです。
こうした長文問題や和訳、英作文問題で点を取るためには、文法を正確に理解して、説明できる状態になっていなければいけません。
だから、一番はじめに文法事項の理解をしてから、その理解を確認するために問題演習をする、という順番になります。
学校の「論理・表現」の授業だけでは足りない
多くの場合、学校の「論理・表現」の授業で英文法を学習するはずです。ただ、受験勉強においては、学校の授業だけで英文法を身につけるのはおすすめしていません。
理由は2つ。
- 1年以上かけて習うため身につきづらい
- 問題演習や文章暗記をベースに授業が進むことがある
最も大きい理由は、学校の授業だけではペースが遅くなってしまいがちで、理解した文法を忘れてしまいやすいからです。
英文法は各分野が相互に関係しているので、分野ごとに少しずつ学習しても、前に習った範囲を忘れてしまってうまく理解が進まなくなりがちです。
さらに、英文法が身につかないことには他の英語の勉強もできません。
もう1つ、学校によっては「例文暗記を通して文法を覚えてもらう」「問題解説の中で文法の解説をする」といったスタイルで授業が進むことがあります。このやり方で解説を受けても、体系的に英文法を理解することができません。
これら2つの理由から、英文法は独学でどんどん身につけることをおすすめしています。
このあと紹介する教材を活用して、短期間でどんどん英文法の「インプット→アウトプット」のサイクルを回してください。
英文法の勉強法3ステップとおすすめ参考書
ここからはより具体的な英文法の勉強法をお伝えします。すでに説明したとおり、英文法の勉強は3つのステップで取り組みます。
- 文法事項を理解する=インプット
- 理解した知識を定着させる
- 入試にあわせた演習をする
英文法勉強法1:文法事項を理解する
まずは英文法を正確に理解する「インプット」から始めます。学校ですでに習ってインプットが済んでいる、という場合を除き、どんなに時間がなくとも、必ずこの「インプット」からスタートしてください。
インプットで使ってもらいたい教材は「スタディサプリ」です。
月額2000円程度で全科目の授業が受け放題のサービスで、授業の質も高いので非常におすすめです。
新規単元の理解をするには、わからないところで詰まってなかなか先に進まない、という自体を避けたいので、自分でペース管理が必要な参考書よりも映像授業のほうが進めやすくなっています。
英文法の講義にはいくつか種類がありますが、基本的には「高3スタンダードレベル」がおすすめです。高3とありますが、基礎から必要な内容は一通り解説してくれています。『ポラリス』シリーズなどの参考書や、CMでも有名な関正生先生の授業で、英語の理論・イメージの部分から丁寧に解説してくれます。
関先生の授業が合わない、もう少しオーソドックスな解説で丁寧に確認したい、という場合は、こちらも『読解のための英文法』シリーズなどを出している肘井学先生の「高1・高2スタンダードレベル」も選択肢になります。こちらを先に受けたあとで「高3スタンダードレベル」で復習するのも効果的です。
中学レベルの英文法から怪しい、という場合は「中学総復習」「ベーシックレベル」の受講から始めるのもおすすめです。その場合、別途参考書として『中学校3年間の英語が1冊でしっかりわかる問題集』などを解いてテストをしていくとスムーズに学習できます。
- 基礎「中学総復習」「ベーシックレベル」
- 肘井先生→「高1・高2スタンダードレベル」
- 関先生→「高3スタンダードレベル」
どうしても映像授業は分かりづらい、という場合は、基本レベルからインプットできる『大岩のいちばんはじめの英文法 超基礎文法編』や『世界一わかりやすい英文法の授業』などがおすすめです。
これらを1講義1〜2ヶ月で2周ほどして、付属の問題がすべて解ける、そして文法事項を説明できる状態になれば、次の参考書に進みましょう。
英文法勉強法2:理解した知識を定着させる
「スタディサプリ」などで英文法を理解できたら、実際に問題を解いてその理解を定着させます。
学校で配布される問題集では解説が薄いか、『Vintage』などのようにいきなり取り組むには難しいかのどちらかなので、自分のレベルに合った問題集を活用できるかが重要になります。
ある程度英文法の理解が順調に進み、得意になっていればはじめから『Vintage』『NextStage』『スクランブル』などの問題集でも構いませんが、基礎から固めたければ『入門英文法問題精講』『英文法基礎10題ドリル』など、選択肢問題以外に記述・並び替えなども含まれる基本的な問題集を使うのがおすすめです。
選択肢問題では「たまたま正解する」ということが起こりやすいため、理解が怪しい段階で取り組むと「あっているからOK」と先に進んでしまいがちです。
正確な理解を確かめるために、記述が多めの参考書を使うか、あっていても根拠が答えられなければ×というふうにしましょう。
- 『入門英文法問題精講』
- 『英文法基礎10題ドリル』
- 『Vintage』『NextStage』など
英文法勉強法3:入試にあわせた演習をする
『Vintage』レベルの参考書まで取り組んで、文法範囲をすべて答えられる状態になれば、入試の基本文法はクリアです。
ここまでを身につけられていれば、正直ほとんどの大学で文法に困ることはありません。
ただ、志望校によっては入試で出題される文法問題の難易度が高いこともあります。とくに私立大学ではその傾向が顕著なので、志望校の過去問で必ずチェックしてください。
基本的には『Vintage』と同じような問題集で、よりレベルが高く語法・イディオムまでより細かく網羅している『全解説英文法・語法問題1000』や、分野がランダムで出題される『英文法ファイナル英文法』などがおすすめです。
このほか、並び替え問題や正誤問題に特化した問題集も出版されているので、余裕があれば取り組むのもおすすめです。
- 『全解説英文法・語法問題1000』
- 『英文法ファイナル問題集』シリーズ

目標別・大学別の英文法勉強のコツ
ここまでの内容を踏まえ、大学ごとの英文法の勉強法を改めて整理しておきましょう。
私立大学向けの英文法学習
私大の場合、長文問題を解くうえで文法の知識が必要になるだけでなく、整序問題や正誤問題といった文法問題が単体で出題される場合があります。
たとえば早稲田大学の社会科学部では「誤った英語表現がある箇所を選びなさい」という正誤問題が例年出題されています。これは、「誤りがない」という場合もあるため非常に難易度が高くなっています。
早稲田大学に限らず、多くの私立大学ではこうした文法単体の問題が出題される傾向にあるため、国公立志望以上に英文法の問題演習が重要になります。
これを踏まえて、私大向けの英文法学習は次のステップで取り組むべきです。
- 『スタディサプリ』高3スタンダード文法
- 『英文法基礎10題ドリル』
- 『ポラリス英文法1・2』
- 『全解説英文法・語法問題1000』
- 『英文法ファイナル問題集』シリーズ
- 傾向によって『スーパー講義英文法・語法 正誤問題』『全解説頻出英語整序問題850』など
『ポラリス英文法』のレベルまでを高2の間に仕上げ、残り時間の余裕に合わせて実践的な参考書をできる限りやり込みましょう。『英文法ファイナル問題集』『スーパー講義英文法・語法 正誤問題』などは、必ずしも取り組まないといけないものではありません。時間がなければ過去問で代替することも可能なので、長文読解や他の科目の学習の進捗と照らし合わせて、余裕があれば取り組みましょう。
国公立大学向けの英文法学習
国公立の場合、私立大学と比べて文法問題単体での出題は少なくなります。長文の文章中での整序問題などが中心で、文法問題単体で出題があるのは東大など一部に限られます。
ただし、私立大学と異なり和訳問題・英作文問題が必ずと言っていいほど出題されるので、文法のみならず構文などの知識まで、正確な理解が必要なのは言うまでもありません。
そのため、なるべく早い段階で文法の基礎を固めて、英文解釈や英作文の練習に時間を回せるようにしたいところです。
- 『スタディサプリ』高3スタンダード文法
- 『英文法基礎10題ドリル』
- 『Vintage』
基本的にはすべての文法問題集を高2の間に終わらせるつもりで進めましょう。
高2の夏〜秋から英文解釈をスタートし、高3では長文・英作文の演習だけに専念できるようにします。
英検などの4技能試験向けの英文法学習
英検などの4技能試験を受験する場合、合格するだけであれば英文法の学習はそこまで重要ではない事が多いです。実際、まだ英文法がすべて身についていない状態の高校1〜2年生でも、頻出単語を覚え、過去問を何度も演習すれば、2級レベルまでなら合格することは可能です。
ただし、大学受験も見据えていたり、高いスコアを狙っていたりする場合は、英作文での減点を減らしたり、英語の読解スピードを高めたりするためにきちんと英文法の学習をしておくほうが当然よいです。
「とにかく合格さえできればOK」という場合は過去問や英単語を優先し、「しっかり英文法から身につけて大学受験にも活かしたい」という場合は丁寧に英文法の理解からスタートしましょう。
まとめ:英文法の勉強法は「インプット→アウトプット」!正確に理解して受験を迎えよう
今回は英文法の勉強法について詳細に解説しました。
重要事項を改めてまとめておきましょう。
- 英文法の勉強法は「インプット→アウトプット」
- いきなり問題集から始めない
- 問題集を解くときも「正確に理解できているか」に注意
- なるべく早く、できれば高2で仕上げて英文解釈・長文に入る
英文法そのものを問う問題は減っていますが、英文法の重要性自体は変わりません。むしろ、英文法を正確に理解することが重要になり、正しい勉強をする必要性が高くなっています。
今回お伝えした方法で取り組めば、最速で英文法を身につけて、他の勉強に応用させることができるので、早速現状を分析して勉強をスタートしてください。
今回紹介した参考書以外にも、活用できる参考書はたくさんあります。
こちらの記事で紹介しているので、参考にしてみてください。
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