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医学部受験で合否を分ける重要な科目の一つが「英語」です。多くの受験生が対策に励むなか「英検は医学部受験で本当に使えるの?」「何級を取得すれば有利になるのだろう?」といった疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、医学部受験で英検を「最強の武器」に変えるための具体的な方法を徹底的に解説します。ライバルに差をつけ、医学部合格を確実なものにするための一歩を、ここから踏み出しましょう。
医学部受験において英検は「戦略」があれば最強の武器になる
英語力を客観的に証明する「英検」は、単なる資格取得にとどまらず、計画的に活用することで医学部合格をぐっと引き寄せる「最強の武器」になり得ます。
近年、大学入試改革の流れを受けて、英検などの英語4技能試験を活用する医学部が増加しています。つまり、早期から戦略的に英検対策を進めることが、ライバルに差をつけるための賢明な選択と言えるでしょう。
まずは基本から!医学部入試で英検が使える3つのパターン

医学部入試で英検を活用する方法は、大学によってさまざまですが、大きく分けて3つのパターンが存在します。
- 出願資格
- 加点方式
- みなし満点
これらのパターンを正しく理解し、自身の志望校がどの方式を採用しているかを知ることが、戦略を立てるうえでの第一歩です。それぞれの特徴を把握し、自分にとって最も有利な活用法を見つけましょう
出願資格

一つ目のパターンは、英検における特定の級やCSEスコアが「出願資格」として定められているケースです。
このパターンは、定められた基準をクリアしていないと、その大学を受験できないというものです。特に推薦入試やAO入試、一部の私立大学の一般入試で見られます。
このパターンを採用する大学を志望する場合は、他の科目の対策を始める前に、まず英検の基準をクリアすることが絶対条件です。
加点方式

二つ目のパターンは、取得した英検の級やCSEスコアに応じて、共通テストや個別学力試験の英語の得点に「加点」される方式です。
例えば、福岡大学医学部の共通テスト利用選抜では、英検2級で20点、準1級以上で40点が加点される制度があります。加点方式を利用すれば、当日の英語の試験で思うような点数が取れなかったとしても、英検による加点で点数を底上げできるので安心です。
事前に高い級やスコアを取得しておけば、それだけで他の受験生に対して大きなアドバンテージを得られます。
みなし満点

三つ目のパターンは、受験生にとって最も有利な「みなし満点」です。これは、英検で一定以上の級やスコアを取得している場合、大学入学共通テストや個別学力試験の英語科目が満点として扱われる制度を指します。
例えば、広島大学医学部では、英検準1級以上などの資格を持つ受験生の共通テスト英語を満点換算する措置が取られています。
みなし満点の制度を活用できれば、入試直前期に英語の試験対策に費やす時間を数学や理科といった他の重要科目に振り分けられるため、受験戦略全体を非常に有利に進められるでしょう。

医学部受験で英検を利用するメリット・デメリット

英検の活用は医学部受験において大きなアドバンテージになり得ますが、その一方で注意すべき点も存在します。メリットとデメリットの両方を正しく理解し、自分にとって最適な学習計画を立てることが、合格への近道です。
メリット:受験機会の拡大と精神的なアドバンテージ
英検を取得する最大のメリットは、受験の選択肢が広がることです。出願資格として英検を課す大学を受験できるようになるだけでなく、加点やみなし満点の制度を利用することで、合格の可能性を高められるでしょう。
また、英検は年に複数回実施されるため、高校の早い段階で目標スコアをクリアできれば、入試本番前に英語に「保険」をかけられます。
この「保険」は、直前期に他の科目の対策に集中できるという学習計画上のメリットだけでなく「英語はすでに得点源になっている」という精神的な安定にもつながり、落ち着いて本番に臨めます。
デメリット:学習負担の増加と「計画倒れ」のリスク
デメリットとして挙げられるのが学習負担の増加です。医学部受験では、多くの科目を高いレベルで仕上げる必要があります。
そこに英検特有の4技能(読む・聞く・書く・話す)対策が加わることで、学習全体のバランスが崩れてしまう可能性もあります。
高い目標を掲げたものの、医学部受験の勉強との両立ができずに「計画倒れ」に終わってしまう可能性も考慮しなければなりません。
英検の受験を目指すなら、やみくもに挑戦するのではなく、全体のバランスを考えた学習計画が不可欠です。
目標はココ!医学部合格のための英検取得ロードマップ

医学部受験で英検を有効活用するためには、具体的な目標設定と、そこから逆算した計画的なスケジュール管理が欠かせません。どの級を目指し、いつまでに取得するのか、学年ごとに明確なロードマップを描きましょう。
目指すべき級とスコアは「準1級」が目安
医学部受験で有利に働く級として、一つの大きな目安となるのが「準1級」です。多くの国公立大学医学部では、英検準1級(CEFR B2レベル)の取得が、加点やみなし満点といった優遇措置を受けるための前提条件となっている場合が多いです。
実際に、広島大学や鹿児島大学などでは、準1級以上の取得が共通テストでの満点換算や加点の条件とされています。難関医学部を目指すのであれば、英検準1級レベルの英語力は一つの到達点として意識すべきでしょう。
【学年別】理想の英検取得スケジュール

医学部合格というゴールから逆算すると、理想的な英検取得スケジュールが見えてきます。ここでは、理想の学年別学習スケジュールを紹介します。
高校1年生:基礎固めと「2級」挑戦
まずは基礎固めとして、2級の取得を目指しましょう。高校レベルの単語や文法を確実に定着させ、4技能の基礎をバランス良く養う時期です。この段階で、英検の試験形式に慣れておくことも重要です。
2級合格の目安として、単語、解釈、文法のマスターに加え、300語くらいの長文読解と過去問演習を行えば対応できるでしょう。以下に英検対策に役立つ記事を載せておくので、ぜひ参考にしてください。
高校2年生:「準1級」取得の勝負の年
医学部受験の天王山となるのが高校2年生です。この1年間で準1級の取得を目指すのが理想的なプランと言えます。
夏休みなどの長期休暇を有効活用し、語彙力の強化やライティング・スピーキング対策に本格的に取り組みましょう。遅くとも高校2年生の終わりまでには準1級を取得できると、3年生からの受験勉強を非常に有利に進められます。
英検2級での対策に加えて、リスニング、作文、500語くらいの長文読解と過去問演習を実施しましょう。
高校3年生:遅くとも夏休み前までには決着を
高校2年生までに準1級が取得できていなくても、諦める必要はありません。高校3年生の第1回(6月頃)がラストチャンスと考えて集中して対策しましょう。
ただし、夏以降は共通テストや個別試験の過去問演習が本格化するため、英検対策に多くの時間を割くのは困難です。あくまでも受験勉強全体とのバランスを最優先に考えてください。

【2025年】英検が使える医学部(国公立・私立)一覧
2025年度入試においても、多くの大学医学部で英検をはじめとする英語外部試験の活用が予定されています。ここでは、英検が使える医学部を紹介します。
なお、情報は変更される可能性があるため、必ず各大学の最新の募集要項を直接確認するようにしてください。
国公立大学医学部
まずは、国公立大学から紹介します。
大学名 | 利用方式 | 必要な級 | 備考 |
---|---|---|---|
岡山大学 | みなし満点 | CEFR C1 | |
鹿児島大学 | みなし満点 加算(25%) | 準1級 | リーディング得点率が80%未満の場合、25%加算が適用される。 |
高知大学 | 換算 | 指定なし | 優遇対象は個別試験の第一次選抜 |
筑波大学 | 参考 | CEFR C1 | |
広島大学 | みなし満点 | CEFR B2 | |
横浜市立大学 | 出願 加点5.0 出願 加点4.5 出願 加点4.0 出願 加点3.0 | IELTS 6.5(1級) IELTS 6.0 IELTS 5.5(準1級) IELTS 5.0 | 優遇対象は英語資格の得点。出願者数により第一次選考を行う。 |
私立大学医学部
続いて私立大学を紹介します。
大学名 | 利用方式 | 必要な級 |
---|---|---|
岩手医科大学 | 加点 20 加点 10 | 準1級 2級 |
埼玉医科大学 | 出願 | 1級 |
東京医科大学 | 出願 | CEFR B1 |
日本医科大学 | 出願 | 準1級 |
兵庫医科大学 | 出願 | 2級 |
福岡大学 | 加点 40 加点 20 | 準1級 2級 |

ライバルと差がつく!医学部受験と英検対策を両立させる学習管理術

医学部受験と英検対策を両立するのが難しいのは、どの科目にどれくらい勉強時間を割くのか、どんな順番で各科目を勉強していくのか、といった学習計画を立てること。そして、作った計画を管理していくことです。
こういった学習管理についても解説していきます。
「英語を勉強しない日」は1日も作らないこと
まずは勉強時間を確実に積み重ねるのが最初のハードルです。
特に英語は、数学や理科と違って、毎日コツコツと勉強することが最も重要な科目なので、どれだけ忙しい日でも毎日少しだけでも英語に触れるようにしましょう。
最も簡単なのは、単語帳をコツコツと続けることですが、時間があるのであれば、2日に1回程度は新しい読解問題に触れる時間を作りたい所です。これが続けられるだけでも準一級にはかなり近づきます。
4技能(読む・聞く・書く・話す)をバランス良く伸ばすコツ
「読む・聞く・書く・話す」の4技能が問われるのが、他の入試英語と異なるところです。特に「話す」が課される英語の試験は英検を含めた民間の英語試験しかありません。
とはいえ、これらの4技能の基本となるのは「読むこと」なので、まずは読めるようになるのが大事です。読むことのできない文章を聞くことができるようになることはありませんし、読むことのできない文章を書くことができるようになることはありません。
まずは読解パートで満点に近い得点を取れるようになるのが重要です。
また、英検のライティングは解答の型があるので、それを身につければ、あとは語彙力をつけることで対応できます。
さらに、英検で問われる「話す」技能も、解答の型はあるので、「質問文を正しく聞き取ることができるか」というのが最も重要な能力になります。その聞き取る能力はもちろん読解の力が必要です。
よって、まずは読解パートで満点近い得点を取れるようになることが最重要。次にリスニングで80%以上の正答率を取れるようになること。そこまで良ければ、解答の型を覚えれば、書くこと・話すことは比較的短時間で習得することが可能です。
塾や参考書を「計画的に」使いこなす方法
全てを独学で進めるよりも、塾を利用する方が、短期間で必要なスコアや級を取得できるのは間違いありません。
塾を活用する場合は集団授業で「英検講座」のような講座を受けるよりは、個別指導や、コーチング型を利用するのがおすすめです。
集団授業の英検講座的なものは、参考書を自力で進められるのであれば、それ以上の情報を得ることはありませんし、自力で参考書を進められない人は、英検利用の入試形式を使うのはおすすめできません。
一方で、個別指導型の塾を使って、苦手な内容を短期間で習得したり、過去問を解いて、この添削指導をお願いするのはかなり効果的です。
また、独学で勉強するにしてもコーチングタイプの塾を活用すれば、勉強時間の確保の仕方や、他の科目とのバランスを考慮した勉強量など、普段の学習の効率を最大化することができます。英検も狙いながら、受験勉強を進めるのは、かなり難しいコントロールが必要になるので、塾を活用して、アドバイスをもらうのもおすすめです。
コーチング塾については、こちらの記事でも詳しく書いています。
医学部受験の英検利用に関するQ&A

ここでは、医学部受験生からよく寄せられる英検利用に関する質問にお答えします。疑問点を解消し、自信を持って対策を進めましょう。
Q1:英検とTEAP、どちらが良いですか?
英検とTEAPは、どちらも大学入試で広く活用されている英語4技能試験ですが、それぞれに特徴があります。
英検は知名度が高く受験者数も多いため、対策のための教材が豊富です。一方、TEAPは大学での学習・研究シーンを想定した問題が多く、よりアカデミックな英語力が問われます。
どちらが有利かは一概には言えず、最も重要なのは「志望する大学がどちらの試験を採用しているか」です。まずは志望校の募集要項を確認し、指定されている試験、あるいはより有利な条件が設定されている試験を選択するのが賢明です。
迷った場合は、参考書の充実している英検を利用するのがおすすめです。英検であれば、歴史もあるので、塾なども対応している所が多いのも事実です。
Q2:地方の医学部でも英検は有利になりますか?
はい、有利になる大学は数多くあります。都市部の大学だけでなく、地方の国公立大学医学部でも、英検をはじめとする英語外部試験を積極的に導入する動きが広がっています。
例えば、鹿児島大学、広島大学、高知大学、佐賀大学など、多くの地方大学で加点やみなし満点、出願資格などの形で英検が活用されています。「地方だから関係ない」と考えるのではなく、まずは自分の志望校の募集要項を確認してみましょう。
Q3:部活動が忙しいのですが、両立は可能ですか?
計画的な学習管理を徹底すれば両立は十分に可能です。部活動に打ち込んでいる受験生は、限られた時間を有効活用する習慣が身についていることが多いです。
部活動を引退してから対策を始めるのではなく、高校1・2年生の早い段階から少しずつでも準備を進めておくようにしてください。
通学時間や就寝前の30分など、日々のスキマ時間を「英語に触れる時間」として活用しましょう。早期から計画的に取り組むことで、部活動と両立しながらでも、医学部受験で武器となる英語力を着実に身につけられます。
まとめ:英検を使いこなし、医学部合格を勝ち取るために
英検は、もはや単なる英語力の証明資格ではありません。早期から計画的に対策し、準1級などの高いレベルの級に合格することで、出願資格を得たり、加点やみなし満点といった大きなアドバンテージを確保したりできます。
医学部合格という目標を達成するためには、すべての科目を高い水準で仕上げる必要があります。そのなかで、英語という科目を英検の活用によって早期に得点源に変えられれば、精神的な余裕が生まれ、他の科目の学習にも集中して取り組めるでしょう。
この記事を参考に、あなた自身の学習計画に英検対策を戦略的に組み込み、医学部合格という夢を実現することを心から応援しています。
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忙しい方ほど、どの科目にどれだけの勉強時間を使うのか、どの参考書を優先的に勉強するのか、などの細かいコントロールが重要になります。医学部だと求められる科目も多いですし、それぞれの科目も高い完成度が必要になるので、毎日コツコツとバランスよく勉強しなければなりません。
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