＊紹介している教材にはプロモーションを含みます
「物理が苦手で勉強する気が起きない」
「勉強しているのになかなか点数があがらない」
と、物理が苦手で勉強が進まないと悩んでいる生徒も多いのではないでしょうか？
物理は得意な人と不得意な人がはっきり分かれやすい科目です。さらに点数がとれるようになるまでに時間がかかる科目でもあります。しかし、正しい勉強法で勉強すれば、誰でもテストや模試、入試で、満点近い高得点が狙えるようになる科目でもあります。
この記事では、物理の正しい勉強法を解説していきます。レベル別にどの参考書を使ってどのように勉強していくのか具体的に解説していきますので、物理で点数を取りたいと考えている方は参考にしてください。
物理の勉強をする前におさえておきたい物理の特徴3つ
まずは、勉強する前に物理の特徴をおさえておきましょう。
物理に限った話ではありませんが、科目の特徴をおさえておくと勉強の方向性を間違える可能性が低くなります。
物理の特徴は以下の3つです。
- 暗記は少なくて計算が多い
- 入試の大問数は少ないが「関連性のある小問」が連なって出題される
- 頻出する分野とそうでない分野で偏りがある
暗記は少なくて計算が多い
物理はやや数学と似ている科目です。例えば、物理の問題を解けるようになるまでには、基本的に以下のような流れで勉強に取り組みます。
公式を理解して覚える→覚えた内容を組み合わせて問題を解く
暗記だけで解けるような知識を問う問題は少なく、公式を使って問題を解く方法を理解したうえで計算する必要があります。このように、数学と解き方が似ている部分が多く、数学が苦手な方は物理も苦手だと感じる傾向があります。
とはいえ、数学よりも覚えなければいけない内容は多くないため、正しい勉強法を実践すれば得点が取りやすい科目です。
入試の大問数は少ないが「関連性のある小問」が連なって出題される
物理の入試問題では、大問が3～4つくらい出題されます。各大問の中では「易しい小問から難しい小問が連続して出題される」かたちで出題される傾向にあります。
各小問同士の関連性が強く、小問1で間違えると小問2以降の問題が全て間違ってしまうというケースも起こりえます。つまり、応用問題だけでなく、基本問題を正確に解くことも重要だといえるでしょう。
頻出分野とそうでない分野の偏りがある
物理には、大きく5つの分野があります。その中でも圧倒的に問題によく出るのは「力学」と「電磁気学」です。
多くの大学入試では
- 大問が3つ出題される大学→「力学」「電磁気学」＋「他の分野」
- 大問が4つ出題される大学→「力学」「電磁気学」＋「他の分野2つ」
のように出題される傾向があり、力学と電磁気学をおさえるだけで5〜6割の得点が取れます。
理系の大学入試では、6～7割程度の点数が取れれば受かる大学が多いため、力学と電磁気学でいかに得点を稼げるかが重要であることがわかるでしょう。
高校物理の5分野の特徴は？
そもそも高校の物理には以下の5分野があります。
- 力学
- 熱力学
- 波動
- 電磁気学
- 原子物理
それぞれの特徴を解説していきます。
力学の特徴
力学は、大学入試で最もよく出る分野です。加えて、他の分野との融合問題も出題されやすい傾向にあります。力学では、「物体がどのような力を受けて、どのように運動するのか？」を扱っています。
力学は高校物理の中で最初に勉強する分野です。そのため、苦手だと感じているのに何の手も打たないでいる間に力学の範囲が終わってしまい、その後に勉強する分野をほとんど理解できなくなってしまうケースも見られます。
物理の勉強全体に影響を与えるため、力学は重要だと認識し、おろそかにしないようにしましょう。
熱力学の特徴
高校物理の熱力学では、「気体がどのように変化するか？」を学習します。「圧力や温度、体積を変化させるとどのような力を出力するか？」「どのような変化を起こすのか？」などを、公式から考えていく分野です。
覚えるべき公式数は物理の中で最も少ないため、集中して勉強すれば時間をかけずに修得できる分野です。
波動の特徴
波動は、波の性質を考える分野です。
身の周りには「（海や川などの）波」「音」「光」など、さまざまな波が存在しています。そのようなさまざまな種類の波による現象を「どのように数式的に表現できるか？」を考える分野です。身近な現象を公式を使って説明できる面白さがある分野ともいえるでしょう。
覚えるべき公式や公式の使い方は、力学・熱力学に比べると多く、実験の内容まで覚える必要があります。
電磁気学の特徴
電磁気学は、物理の最重要分野といえるほど入試でもよく出る分野です。
中学でも学習した「回路と電流の関係」もあれば、電磁波のようなイメージしにくいものを扱う分野もあります。いずれにしても、力学などと異なり電流も電磁波も直接は見れないため、公式やその使い方をなかなかイメージできずに習得に苦労する場合も多く見られます。
物理の中でも実力をつけるのに一番時間がかかってしまうでしょう。
原子物理の特徴
原子物理は「原子や電子サイズでどんな現象が起こっているのか？」を、数式を使って説明する分野です。
高校物理では最後の方で勉強するため、どうしても準備不足になりがちです。個別試験で出題されるケースは少ないですが、共通テストでは必ず出題されるためしっかり対策しておきましょう。
範囲自体は広くなく、難しい問題もそこまで出題されないため、正しく勉強すれば得点が取れる分野です。
物理の正しい勉強法とは？
物理は正しく勉強すれば、十分満点を狙える科目です。ここでは、物理の正しい勉強法を具体的に解説していきます。
まずは、物理の勉強法の全体的な流れは以下の通りです。
教科書レベルの理解→定石理解・暗記→入試レベル問題演習→過去問演習
物理の勉強では、「教科書の基礎や定石を身につけた後に問題演習に取り組む」という流れが基本です。物理では大問の中に関連した小問が連続して出題されることが多いため、まずは基礎からしっかり身につけることが重要です。
それぞれ詳しく解説していきます。
教科書レベルの理解とは？
教科書レベルの理解は、物理の勉強すべての基礎になる部分です。基本的な内容をしっかり理解していない状態で問題演習に取り組んでも問題は解けません。また、解説を読んでも内容を理解できずになかなか成績があがりません。
教科書レベルの内容を勉強する際は、映像授業や講義系参考書などを使うのがわかりやすいです。この記事の後半でおすすめの教材も紹介します。
定石理解・暗記とは？
定石理解・暗記とは、習得した教科書レベルの内容を「実際の問題でどう使うのか？」という点を理解し暗記することです。
物理は数学と同じようにたくさんの公式を覚えなければなりません。しかし、実際のテストで「公式に数字を当てはめるだけで解ける」問題はほとんど出題されません。
テストや模試では、公式を使って解く典型的な問題（＝定石）があります。その定石を理解したうえで暗記することで、テストや模試で得点できるようになります。定石を理解して暗記するためには、実際に問題を解いて理解し暗記することが不可欠です。
入試レベル問題演習とは？
学校のテストや模試で基本的な問題が正確に解けるようになったら、入試レベルの問題演習に取り組みましょう。入試レベルの問題に取り組むことで、本番でも高い点数を狙えるようになります。
物理は、大問の出題数が3～4問と少ない場合が多いです。各大問の中でも後半になると難しい内容の小問が出題されるようになります。高得点を狙うには、この難しい問題に正解しなければなりません。
ただし、物理では基本的な問題を確実に解くだけでも、多くの大学で合格点が取れます。そのため、後半の難問を解けるようになることも大切ですが、基礎的な典型問題にも対応できるようにしっかり基礎をおさえましょう。
過去問演習とは？
過去問演習は、入試レベルの問題演習が終わった後、総仕上げとして取り組む勉強です。時間を計りながら実際の入試と同様の環境で問題を解くことで、実際の出題傾向がわかり当日も不安なく対応できるようになります。
物理のおすすめ参考書【レベル別】
以下の3つのステップにおけるおすすめの参考書を紹介していきます。
- 教科書レベルの理解
- 定石理解・暗記
- 入試レベル問題演習
教科書レベルの理解
教科書レベルの内容を勉強するのにおすすめなのは『スタディサプリ』です。
スタディサプリを見る
自分の好きなタイミングでレベルの高い授業が受けられます。映像授業を使う場合には、以下の手順で勉強するのがおすすめです。
- Step.1 テキストを印刷する
- Step.2 集中して映像授業を視聴する
- Step.3 授業で解説された問題を自力で解く
- Step.4 確認問題を解く
『スタディサプリ』などの映像授業が合わない場合は、講義系参考書である『宇宙一わかりやすい高校物理』で勉強しても大丈夫です。
講義系参考書とは、講義口調で内容が書かれた参考書です。教科書よりもわかりやすく新単元を学習できます。講義系参考書を使用する場合には、以下の手順で勉強しましょう。
- Step.1 内容を飛ばさず全て読む
- Step.2 例題を自力で解く
- Step.3 確認問題を解く
定石理解・暗記
定石理解・暗記の勉強では、学校で配布される『セミナー』『リードα』『ニューグローバル』などがおすすめです。ボリュームがあるため終わるまで時間はかかりますが、たくさんの問題を解くことで定石を身につけられます。
「分厚い問題集が苦手」という場合は、比較的薄い『物理のエッセンス』『良問の風』を使って演習してもOKです。
以下の手順で参考書を使用しながら勉強を進めていきましょう。
- Step.1 時間を計りながら問題を解く
- Step.2 解説を丁寧に読む
- Step.3 間違えた問題を解き直す
- Step.4 間違えた問題に印をつける
- Step.5 Step.1に戻り2周目に入る
問題集の具体的な使い方については、それぞれ以下の記事で解説しています！
入試レベル問題演習
入試レベル問題演習の勉強では、『重要問題集』『名問の森』『難問題の系統とその解き方』がおすすめです。
『重要問題集』は毎年新版が発売されており、最新の入試問題がしっかり反映されています。掲載されている問題は基本的に問題文が長いため、難関大で出題される傾向に慣れることができます。
『名問の森』は、長年旧帝大や早慶などの難関大受験生から評価されている参考書です。『重要問題集』より問題文がやや短いため取り組みやすいでしょう。
『難問題の系統とその解き方』は、受験最難関レベルの問題集です。取り扱っている問題のすべてが東大・京大レベルで問題数も非常に多く1周取り組むのも大変でしょう。最難関大学が志望であり「物理を得点源にしたい！」という方には、この参考書でしっかり勉強するのがおすすめです。
参考書を使用した勉強の手順は次の通りです。
- Step.1 時間を計りながら問題を解く
- Step.2 解説を丁寧に読む
- Step.3 間違えた問題を解き直す
- Step.4 間違えた問題に印をつける
- Step.5 Step.1に戻り2周目に入る
各問題集の具体的な使い方については、それぞれ以下の記事で解説しています！
物理を勉強するときの注意点
物理を勉強するときの注意点を解説します。ここで解説する注意点を守らないと成績があがりにくいため、しっかりおさえておきましょう。
物理の勉強で気をつけるべきことは以下の3つです。
- 必ず自力で図を描いて解
- 必ず自力で計算する
- 成績が伸びる瞬間まで耐える
それぞれ解説していきます。
必ず自力で図を描いて解く
物理は自分で図を描きながら問題を解くことが大切です。
物理を勉強し始めた方がつまずく原因の多くは「力の矢印を図示できない」ことです。力学では「何の力が・どの方向に・どれくらいの大きさで働くか？」という点を正しく図に落とし込めないと式を立てる段階で間違えてしまいます。
さらに難しい問題では、図を描かないと「問題文の実験設定が整理できない」という状況に陥ります。正しく実験設定を理解できなければ、正しい答えは導けません。
どのような問題でもすらすら解けるようになるには、「授業で教わった図」や「問題集の解説に載っている図」を自力で描けるようになることが大事なポイントです。
必ず自力で計算する
物理の問題は、図と公式を使って式を作りそれを解くだけです。実際に式を解く際に必要なものの1つが「計算力」です。
物理では数学ほど計算が難しい問題は出題されないでしょう。しかし正しく計算できないと「小問1で計算ミスをして小問2以降で全滅する」ケースも珍しくありません。
また、計算のスピードも大切です。特に、大学入試の個別試験で物理と化学の2科目が必要な場合は「どれだけ早く物理を解けるか？」という点が高得点を取るポイントになります。
いずれにしても計算力は必要ですので、演習をするときには少し面倒でも自分の手で計算して答えを出しましょう。
成績が伸びる瞬間まで耐える
物理の問題では、知識だけで解ける問題はほとんど出題されません。そのため、少し勉強しただけでは高い点数は期待できないでしょう。
物理の成績が伸びるときは一気に伸びます。しかし、伸びるタイミングまで到達していなければ、いくら勉強しても成績に反映されません。少なくとも問題集を1周したくらいでは成績は大きく伸びないため、最低でも2〜3周は繰り返し勉強し、成績に反映されるまであきらめずに手を動かしましょう。
まとめ
物理は計算が多く暗記が少ない科目です。応用問題が解けるようになることも必要ですが、基本問題をしっかりおさえるだけでも得点源になります。また、入試によく出る分野である力学と電磁気学の勉強はしっかり身につけておくことも大切なポイントです。
以下の流れで勉強すると知識が身についたうえで問題が解けるようになるでしょう。
教科書レベルの理解→定石理解・暗記→入試レベル問題演習→過去問演習
物理の問題を解く際は、実際に図を描き自力で計算することが大切です。成績が伸びるまで少し時間がかかりますが諦めずに取り組みましょう。
＊記事に掲載中の学習塾STRUXプランは執筆時点でのものであり、一部変更となっている可能性がございます。詳しくは料金ページをご覧ください。
