皆さんは大学受験に向けて勉強していますか?この記事にたどり着いてくれたという事は、皆さんが大学受験を少しでも意識しているからだと思います。
高校1年生は「まだまだこれからだ!」と思うかもしれませんし、高校2年生は「そろそろ考えなきゃかな…」と思うかもしれません。
受験生である高校3年生は「真剣に考えなきゃ!」と焦っているのではないでしょうか。
いずれにしても皆さんのほとんどが大学受験を経験します。その時に避けては通れないのが「志望校決め」です。
「とにかく早く勉強を始めよう!」と、ただ受験勉強を開始してはいけません。始める前にしっかりと「志望校」というゴールを設定してあなたが行きたい大学に合った受験勉強をしましょう。
この記事では、大学受験での志望校の決め方について徹底的に解説していきます。
みなさんの中には、「志望校がバッチリ決まっているよ!」という人もいれば、「大学のことなんて考えたことがない…入れそうなところに入ればいい」という人もいるでしょう。今回は迷いなく志望校をバッチリ決められるように徹底解説していきます!
志望校はなぜ決めなければいけないの?
「志望校って言われてもよくわからない…」「とりあえず合格できそうなところにいければよいかな…」なんて考えている、そこのあなた。
この考えは大学受験では通用しません。志望校が決まっていない人は、大学受験の勉強をしていないと言っても過言ではありません。
では、なぜ志望校を決めなければいけないのでしょうか?この答えは「大学・学部ごとに出題される入試問題が全く違うから」です。
ただ行きたい大学を決めるだけでなく、行きたい学部まで絞るようにしましょう。
高校受験までは、志望校が違っても入試問題の難易度が違うだけでいちいち出題傾向を気にしながら過去問を解いていなかったと思います。
しかし、大学受験では「英語」という科目1つでも、大学ごとに以下のような違いがあります。
- 英作文が出題される学校とされない学校
- リスニングが出題される学校とされない学校
- 記述試験のみの学校とマークシートのみの学校
- 長文の長さの違い
- 制限時間の違い
さらに注意してほしいのは、同じ大学でも学部によって出題傾向が全く異なるという事です。例えば、早稲田大学の2021年度の一般選抜入試の出題傾向を見てみましょう。
国際教養学部
独自科目は「英語」のみです。その他、独自科目と大学共通テストと英語外部試験の得点で評価されます。
文学部
独自科目は「英語」「国語」「社会」のみで、この合計得点で評価されます。
このように学部によって全く別物の試験になるため、自分が目指す大学の学部によって入試対策の方法も180°変わります。
だからこそ早い時期に志望校を決めておき、志望した大学に特化した計画を立てて勉強することが大切なのです。
志望校対策は「とりあえず学校の勉強をやる!」では対応できない!
それでは、志望校を決めた後はどのように入試対策をしていくのでしょうか?
志望校を決めた後は、入試で使わない科目を見定めて、入試で必要な科目の勉強に集中する事が大切です。
つまり、ただ「学校の勉強をすればよい」というわけではないのです。たしかに大学入試において全ての科目で基礎力が必要です。
学校の授業では基礎の部分を教師によってわかりやすく解説してもらえるため、全くの無駄ということはないでしょう。
もちろん、学校で赤点のような悪い成績を取ることは絶対にいけません。なので「入試で使わない科目」でも最低限の勉強は必要です。
しかしだからといって、本番の入試で必要のない科目に時間をかけすぎてしまってもあまり意味はありません。
例えば、私立文系で必要とされるのは、主に国語、英語、社会1科目だけです。
つまり、私立文系希望なのに苦手な数学に時間を費やすことや、得意な社会の日本史も世界史も地理も全部勉強することは、大学受験だけを考えると全く意味のない勉強になってしまいます。
このように、志望校を決めて自分に必要な科目を把握することで「勉強の時間配分」ができるようになります。
「入試で使わない科目」の勉強は最低限行い、「入試に必要な科目」の勉強を重点的に行うことができる時間を確保しましょう。
志望校はどこまで詳しく決めればいいの?
先ほどお伝えしたように、希望する大学の学部によって勉強すべき科目は異なります。そのため「行きたい大学の学部」まで決めるようにしてください。
例えば「慶応義塾大学に行きたい!」「早稲田大学に行きたい!」と漠然と考えている人も多いのではないでしょうか?
しかし「大学名」だけでは不十分です。この理由は、先ほどお伝えした通り「学部ごとによって入試問題や合格最低点が全く異なる」からです。
例えば、早稲田大学を志望する文系の高校生にとっては、受験できる学部だけで10学部存在します。
そして、それぞれ出題傾向や配点は全く異なります。その中の3学部を例として実際に見てみましょう。
政治経済学部(一般入試)
共通テスト(必須3教科3科目+選択1教科1科目/合計100点)
【外国語】①英語②ドイツ語③フランス語から1科目(25)
【国語】(25)
【数学】数学Ⅰ・数学A(25)
【選択科目】 ※以下の3科目から1つ選択(25)
<地理・公民>①世界史B②日本史B③地理B④現代社会⑤倫理⑥政治・経済⑦倫理、政治・経済
<数学>数学Ⅱ・数学B
<理科>①物理基礎②化学基礎③生物基礎④地学基礎から2科目・または⑤物理⑥化学⑦生物⑧地学から1科目
【学部独自試験(100)】日英両言語による長文を読み解いたうえで解答する形式とし、記述式解答を含む。
文学部(一般入試)
3教科(200点満点)
【国語】国語総合・現代文B・古典B(75)
【地歴】世B・日Bから1(50)
【外国語】コミュ英I・コミュ英II・コミュ英III・英語表現I・英語表現II(備考参照)(75)
教育学部(一般入試)※文系学部
【外国語】次のうちから1つを選択 (50)
①英語(コミュニケーション英語Ⅰ、コミュニケーション英語Ⅱ、コミュニケーション英語Ⅲ、英語表現Ⅰ、英語表現Ⅱ) ②ドイツ語 ③フランス語※ただし、英語英文学科志願者は必ず①を選択。
【国語】国語総合、現代文B、古典B(50)
【地歴or公民】次のうちから1つを選択 ①世界史B ②日本史B ③地理B ④政治・経済(50)
このように、同じ大学でも出題される科目や配点も全く異なります。ですので、志望校を決める時は「学部名」まで絞らないと意味がありません。
志望校の具体的な決め方を徹底解説!
ここまで読んだあなたは「志望校を早く決めよう!」と思っているでしょう。では、どのように決めれば良いのでしょうか?
大学について知ろう!
志望校を決める時に、最初にやるのは「大学を知る」ことです。この理由は、志望校をなかなか決めることができない一番大きな原因が「大学を知らないこと」だからです。
まずは知っている大学の数を増やし、それぞれの大学で何を学べるのか・どんな校風なのかを知る事が大切です。
例えば「大学生になったら海外留学がしたい!」と考えているなら、調べるべきものは「交換留学で行ける国や学校名」「交換留学をすることができるための基準」「留学までにどの学部で学ぶのが有効的なのか」「休学して留学する時の費用やリスク」などです。この項目で何校か比較検討してみましょう。
このように「大学を知る」ことから始めてください。では、どのように調べていけば良いのでしょうか?3ステップあるのでご紹介します。
大学の資料を請求する
1つ目のステップは「資料請求」です。
ほとんどの大学でパンフレットの無償提供を行っています。また、資料請求をすると図書券がゲットできる特典もあるので一度調べてみましょう。
大学の公式ホームページを検索する
2つ目のステップは「大学のホームページの検索」です。
大学にどんな特徴があるのか、何を学ぶことが出来るか、学生はどのような大学生活を送っているのかを見ることができます。
多くの大学で「大学紹介ムービー」の掲載をしています。これらの動画によってさらに具体的に大学のイメージを持つことができます。
また、YouTubeでも多くの在学生が大学生活をアップロードしているので、参考にしてみるのもよいですね。
実際に大学に足を運んでみる
3つ目のステップは「実際に大学に足を運んでみる」です。
大学のパンフレットや公式ホームページを見て「行きたい!」と感じた大学には積極的に足を運んでみましょう。
一番良いのが「オープンキャンパスに参加することです。大学の公式ホームページに日程が載っています。
オープンキャンパスには多くの在校生や教授が参加するので、大学の雰囲気が最もよくわかるイベントです。
なんとなくの雰囲気は資料やインターネットでも掴めますが、実際にどんな設備があるのかということや学生の雰囲気などは、生で感じ取らないと分かりません。
都合が合わなくて行けない場合は、普段授業している大学に直接行ってみましょう。オープンキャンパスよりもリアルな大学生活を見ることができます。
大学のカフェテリアで実際に食事をしたり、授業を教室の外から見学したりするのもおすすめです。
多くの大学が自由に出入りできます。しかし一部の大学では入構許可が必要な場合もあるのでしっかり調べてから行くようにしましょう。
志望校は期限を決めて考えよう!
「期日設定」をして志望校を決めることはとても大切です。まだ決まっていないあなたは1週間以内に行いましょう。
1週間以内と聞いて「短すぎる!人生を左右する大切なことなのにすぐには決められない!」とびっくりしてしまうかもしれません。
しかし、志望校を決めない限り受験勉強はスタートできません。つまり、志望校がまだ決まっていないあなたは受験勉強のスタートラインにすら立てていないのです。
一度志望校を決めたら二度と変えられないわけではありません。今決めた志望校も、後にやりたいことがあればいつでも変更可能です。
今日から1週間、志望校を徹底的に調べて行きたいと思う大学の学部を見つけましょう。
まずは1週間勉強そっちのけで思いっきりやってください。そして受験勉強のスタートラインに立ちましょう!
志望校を決める上で今の成績は意識しない方が良い!
行きたい大学・学部を見つけることができても「自分の成績よりはるかにレベルが高くて合格できる気がしない…」と悩む高校生が多いです。
しかし、志望校を決める段階においては「現在の学力レベル」というものは一旦忘れましょう!純粋に「今一番行きたい!」と思える大学を志望校にすることが大切です。
試験本番までまだまだ時間はあります。たとえ、現在志望校のレベルの学力がなくても、試験本番までに合格できるだけの実力をつけさえすれば大丈夫なのです。
そのためには「正しい受験勉強」をする事が」大切です。正しい受験勉強とは「自分の志望校に向かって必要な勉強を取捨選択し、合格に向かって勉強すること」です。
志望校という自分のゴールが明確でないと、入試本番までの勉強の計画をたてることができず非常に効率が悪い勉強法になってしまいます。あれもやってこれもやって…とダラダラした勉強になってしまいます。
逆に、やることを絞って正しい計画を立てて正しい受験勉強ができれば効率は圧倒的に改善します。
志望校はどこまでも高望みしても構いません。決して「現状の偏差値で確実に合格できそうな大学」を志望校にはしないでください。
志望校が決まらなかったり、志望校が行きたい大学でないと孤独な受験勉強のモチベーションも上がりませんよね。
志望校を決める基準は自分の現在のレベルではなく「本気で行きたいと思えるかどうか」です。
志望校を決めた後すべきことを徹底解説!
志望校が決まった後は何をするべきなのでしょうか?詳しくお伝えします。
志望校に向けた計画を立てよう!
志望校が決まったら、まずは志望校合格に向けた計画を立てましょう。ゴールが明確になっても「そこまでに何をすれば良いのか?」がきちんと見える形でわからなければ意味がありません。
つまり、勉強計画を紙面等に立てプロセスを「見える化」することで、必要な勉強がすぐにわかる状態にしておくのです。
勉強計画を立てる時に大切なのは、受験に必要な科目を重点的に勉強し、受験に必要ない科目はできるだけ勉強しないというものです。
時間は有限です。例えば高校3年生の4月から本格的に受験勉強を始めたとして、毎日8時間の勉強を入試本番の1月まで続けたとすると2200時間(275日×8時間)です。
この入試本番までの限られた時間をどのように使うかが合否の分かれ目です。
極端な話、入試では数学を使わないのに数学の勉強を続けていても全くの無意味。受験に必要のない科目の勉強に時間を使っている暇はありません。
いかに重点的に受験に必要な科目に力を注げるかが大切です。しっかりと勉強すれば合格率はグンとあがります。
志望校について定期的に考えよう
「今まではこっちの学部に行きたかったけど、やりたいことができたからこっちの大学のこの学部に行きたい…」なんて考えることがあると思います。
そこで不安を感じなくても大丈夫です。時間が経って志望校が変わってしまうことはよくあります。
特に先ほどのように1週間でとりあえず決めた志望校であればなおさら。勉強をしていく中で自分のやりたいことが明確になり志望校が変わる、というのは全く不思議ではありません。
だからこそ、志望校について定期的に考えることはとても大切です。大学を選ぶということは人生を大きく左右する決断です。自分はこの大学になぜ行きたいのか、行った後になにをしたいのかを繰り返し考えましょう。
そして志望校が変わったら、勉強の計画もその都度立て直しましょう。せっかく作った計画を直すことに焦りを感じるかもしれません。
しかし、今手元にある勉強計画はあくまでも現時点でのもの。そのまま使い続けたとしても、新しい目標にたどり着くことはできません。
そのため新しい目標が定まったら速やかに計画を立て直しましょう。焦らずにしっかりと計画を立てることが大切なポイントです。
しかし、だからといってのんびりしていてはいけません。受験勉強の計画を完成させるのは早ければ早いほど良いです。
最低でも高校2年生が終わる頃には第5志望くらいまでは確定させておきましょう。
まとめ
今回は志望校の決め方についてお伝えしてきました。この記事を読んで「志望校を決める」ことが「受験勉強のスタートラインに立つ」ことであるとわかったと思います。
志望校の選択はあなたの今後の人生を大きく左右するものなので慎重に繰り返し行ってください。しかし、受験勉強の計画は早ければ早いほどよいのでのんびりは禁物です。
心から行きたいと思える大学を見つけて試験本番まで受験勉強に励みましょう!
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