「行きたい大学がやっと見つかった!」と志望校が決まった方はいませんか?
たくさんの大学を比べたり、自分の将来やりたいことを考えたり、志望校を決めるまで大変だったと思います。
では、行きたい志望校が決まったら次に何をすれば良いのでしょうか?
「参考書を買ってみようかな…」とか「苦手分野から勉強し始めよう!」と考える方がいるかもしれません。
参考書を買ったり、自分の苦手分野を克服したりすることはもちろん重要です。ですが、それらのことは「志望校が決まった次にやるべきこと」ではありません。
志望校が決まってから次にやるべきことは「敵を知る」ということです。それでは、受験における「敵」とは何でしょうか?
この記事を読むことで、大学受験に向けて何から始めるのか、そしてそれをどのように進めていくのかという「受験計画」が全てわかります。
まずは志望校分析をして敵のことを知ろう!
第一志望校が決まった次は何をすればよいのでしょうか?先ほど「敵を知る」とお伝えしましたね。
大学受験においては「敵=志望校」のことです。つまり「敵を知る」とは「志望校分析」のことを言います。
<h3>志望校を決めたら、自分は「選ばれる側に変わる」という意識を持とう!</h3>
あなたは第1志望校を決めるまでは選ぶ側でした。
「この大学にはこんな魅力がある!」「この大学はこういったところは良くないな…」というように、各大学の良い所と悪い所を調べながら第1志望校を選んだはずです。
このようにあなたが“選ぶ側”にいる時は、大学の不平や不満をいくらでも言えましたし、自分の好きな大学を自由に選ぶことができました。
しかし、第1志望校を決めた瞬間に、あなたは選ばれる側になります。
そのため自分を選んでもらうためには、自分自身が「第1志望校が求めている人材」にならなければいけません。
そして、第1志望校が求めている人材とは、ズバリ「志望校が求める学力を持っている学生」です。
ここで気をつけるべきなのは、あくまでも「志望校が求める」学力が必要であるという点です。
大学受験のゴールは「志望校に合格する」ことであり、満点を目指す必要はありません。志望校が求める基準を満たして合格さえできれば良いので、全ての科目で完璧を目指さなくても良いのです。
それよりも、最低限の労力でどのように「志望校の合格最低点」を獲得できるかという戦略を考えましょう。
そのためにはまず、志望校の分析を行い「配点」と「合格最低点」を確認して下さい。
この作業が「敵を知る=第1志望校がどんな学力求めているのかを知る」ということなのです。
“志望校分析”をしないと、ムダの多い大学受験になってしまう
このように、受験においては「敵を知る=志望校を分析する」ことによって自分が求められている学力を身につけることが重要です。
ではそれを踏まえた上で質問です。
- 第一志望校の配点を言うことができますか?
- 第一志望校の合格最低点を言うことができますか?
あなたは答えられたでしょうか?もし上の2つの質問に答えることができないのであれば、まずは上記に答えられるように志望校の分析を行うべきです。
そうでなければ、どれだけ勉強しても「知識が増えるだけで志望校合格には結びつかない」ムダだらけの受験勉強になってしまうでしょう。
それでは、なぜ配点や合格最低点を知ることが合格に結びつくのでしょうか?
そして「ムダな受験勉強」とはどのような勉強なのでしょうか?詳しくお伝えします。
受験生がついついやってしまうムダな勉強
先ほどもお伝えしたように、大学受験のゴールは「第一志望校合格」です。誰もが「自分が納得するまで準備したい!」と考えているでしょう。
しかし、実際には時間は有限です。例えば高校3年生の4月から本格的に受験勉強を始めたとして、平日4時間と休日8時間で週に36時間の勉強を入試本番の1月まで39週間続けたとすると1404時間(39週間×36時間)です。
もちろんこの時間の全てを計画通りに使えるとは限りません。時にはサボってしまったり、体調不良で勉強できない時間もあるでしょう。
そうなるとトータルの勉強時間はさらに減ります。それを考慮すると、試験本番までに残された時間というのはあまり残されていません。
そのため、この残された時間を上手に割り振る「時間配分」を考える力が合否の分かれ目になります。
しかし、多くの受験生は十分にこの時間を実りのあるものにできていません。それは以下のような「ムダな勉強」をしているからです。
満点を目指して受験勉強をしてしまっている
「全ての科目を完璧にして受験会場に行きたい」これは全ての受験生の目標であり、理想形です。
しかしはっきり言いますと、これはありえません。全ての科目を完璧するということは不可能なのです。
先述の通り、試験本番までの時間は限られています。無限に時間があれば満点を目指して勉強するのも良いでしょう。
実際には、残された時間の中で全ての教科の教科書や問題集に隅々まで取り組み、どんな問題も完璧に解けるようにするというのは無理です。
しかし、多くの受験生は「完璧にしたい!」「とにかく高得点や満点を取りたい!」と漠然と考えて勉強しています。
この考えが、とにかくたくさんの問題を解いたり手当たり次第に参考書を解く、というような「ムダな勉強」に繋がっているのです。
では、どうすればムダな勉強を省けるのでしょうか?
そのためには、第一志望校の「合格最低点」を知り、自分にとって本当に必要な勉強だけを知るということが必要です。
もちろん満点を目指す気持ちは前向きで大切ですが、実際に取る必要は全くありません。
多くの大学では60%〜80%くらいの点数を取れば十分合格できるます。受験を最低限の労力で効果的に乗り越えるために、自分がやるべきことを明確にしましょう。
配点の低い科目に多くの勉強時間を使っている
「英語が苦手だからたくさん長文問題解いて速読力付けて、語彙数を増やそう…」や「世界史は暗記すればするだけ点数伸びるから注力しよう!」など考えている受験生は多いと思います。
このように「苦手分野だから勉強しよう」や「得意・好きな科目だから勉強しよう」と考えて勉強している受験生はたくさんいます。
確かに苦手分野を克服するのは大切ですし、得意分野を補強することさらなる得点に繋がるでしょう。
しかしそれは、自分が使う科目の配点を考慮しないと「ムダな受験勉強」となってしまいます。
では、どうしてムダなのでしょうか?具体的な例を見て考えてみましょう。
例えばあなたが、慶應大学の法学部を一般入試で受験するとします。
そして上記のように「勉強しやすく得意な世界史」ばかり勉強していたとします。
【慶応義塾大学 法学部(一般入試)※2021年度】3教科(400点満点)
- 【英語】配点200点
- 【地歴】配点100点(世界史B・日本史Bから1科目選択)
- 【論述】配点100点
こちらが「配点」です。英語の配点は、世界史の配点の2倍ですね。この英語の配点の高さを考えると、単純に考えて世界史よりも英語の勉強に時間を費やすべきでしょう。
世界史はどんなに頑張っても100点までしか取れませんが、英語は半分正解するだけでその点数が取れてしまいますよね。
受験勉強の目的は、入試本番で合格できる点数をとることです。そのためには、配点の高い科目を重点的に勉強するのが一番の近道です。
このように、他の科目の配点を考慮せず、自分の得意・不得意を基準にして「配点の低い科目に多くの勉強時間を使う」ということはムダになります。
だからこそ「配点」を知り、自分が時間を割くべき科目をきちんと把握するということがとても大切なのです。
言われてみると当たり前ですが、実際に勉強していると正しく時間配分をできていない受験生も多いでしょう。あなたも定期テストなどでこのような失敗をしたことはありませんか?
しかし、志望校の配点を考慮し科目ごとの勉強時間を決めるということを意識しておけば「今日は英語や国語の気分じゃないんだよな…」と思って世界史や日本史に逃げたりすることもなくなるでしょう。
配点と合格最低点を調べよう!
ここまで「志望校分析」として「配点と合格最低点を知ることの重要性」を理解できたと思います。
では、実際に自分の志望校の配点と合格最低点を調べてみましょう。
志望校の配点を知るための方法は?
これから実際にサイトを活用して志望校の配点を調べる方法をお伝えしていきます。
手順はこちらの5つです。
- 『大学受験パスナビ』のサイトを開く
- (第一志望校名)を入力し、『検索結果を表示』を押す。
- 志望学部をクリックする。
- 『一般入試(科目・日程)』をクリックする。
- 配点を把握する。
これからひとつひとつ詳しく見ていきましょう。
Step1.『大学受験パスナビ』のサイトを開く
旺文社が運営している大学受験生をサポートする「大学受験パスナビ」を活用します。
Step2.(第一志望校名)を入力し、『検索結果を表示』を押す。
Step3.志望学部をクリックする。
Step4.『一般入試(科目・日程)』をクリックする。
Step5.配点を把握する。
志望校の合格最低点を知るための方法 は?
次に志望校の合格最低点を調べる方法をお伝えしていきます。手順はこちらの5つです。
- 『大学受験パスナビ』のサイトを開く
- (第一志望校名)を入力し、『検索結果を表示』を押す。
- 志望学部をクリックする。
- 『合格最低点』をクリックする。
- 合格最低点を把握する。
このようにStep1からStep3までは「配点」と同じです。
ですので「合格最低点」に関してはStep4からお伝えします。
Step4.『合格最低点』をクリックする。
Step5.合格最低点を把握する。
志望校分析が完了したら目標設定をしよう!
これで「志望校分析」として配点と合格最低点は把握できたと思います。
配点と合格最低点を知ることにより、あなたは「第一志望校が求めている学力」を把握することができました。では次は何をすれば良いのでしょうか?
次のステップは「目標設定」です。
志望校分析で分かった情報を踏まえて入試本番の「目標点数」を決めましょう。
ここでのポイントは、「段階的に目標を設定する」ということです。
Step1.全体の目標点数を決める
志望校で使うのが3科目だったら、3科目の合計の目標点数を決めましょう。5科目だったら、5科目の合計の目標点数です。
まず全体の目標点数から考えることにより、そこから逆算してそれぞれの教科でどのくらいの点数を取る必要があるのか把握することができます。
詳しい内容は次回の記事で詳しく解説していきます。
Step2.科目ごとの目標点数を決める
全体の目標点数を決めたら、各科目で何点必要かを考えましょう。自分の得意科目や苦手分野を踏まえて決めてみてください。
このやり方についても次回の記事で詳しく解説していきます。
まとめ
今回の記事では、志望校が決まった次のステップである「志望校分析」についてお伝えしてきました。
そして志望校分析とは「配点と合格最低点を知ること」でしたね。
全ての受験生に等しく時間が与えられています。この有限な時間をどのように効率的良く使うかが合否の分かれ目になります。
受験勉強を始めるまでの事前準備である「受験計画」がいかに大切かわかったと思うので、他の受験生に差をつけるためにすぐに行動してみましょう!
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