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通信制高校では、全日制や定時制などの学校に通うのが難しい方向けのカリキュラムが揃っています。
無理に学校へ通わなくても卒業を目指せるため、現在不登校などさまざまな事情を抱えた方でも安心して通えるでしょう。
今回は、通信制高校のカリキュラムや卒業要件、利用するうえでの注意点などを解説します!
通信制高校とは?
「通信制高校」とは、原則として学校に通わず通信教育で勉強できる高校を指します。レポートを提出し単位認定してもらうことで卒業要件をクリアすることが多いです。
スクーリング(*後述)による通学の機会はありますが、日数自体は全日制や定時制より圧倒的に少なく、定められた要件をクリアして卒業すれば、正式に「高校卒業」という学歴を取得できます。
通信制高校は自宅学習がメインであり通学の必要性もほぼないため、自分のライフスタイルに合わせて勉強できます。
自由度が高く、通信制高校に通う人には「現在不登校」「芸能活動をしている」「社会人」など、さまざまなバックグラウンドを持つ方が多いです。
全日制高校および大半の定時制高校は「学年制」を採用しているため、3年間学校に通い規定の授業を修了することで卒業資格を付与されます。
一方、通信制高校は「単位制」であるため、定められた単位数を取得できれば卒業できます。
「1年間にこの単位を取らないと留年」ということがないため、仮に単位を取得できなくても翌年度に取得すれば問題ありません。
通信制高校の卒業要件
【3年以上在籍している】
高校卒業資格を得るには、必ず3年以上学校に在籍する必要があります。例えば「初年度で規定の単位数をすべて取得した」という場合も卒業できません。
転入や編入で年度の途中から通信制高校に入学した場合は、以前在籍していた学校の年数もカウントされます。
最終的に規定の単位数を取得できていればOKであるため、仮に3年以上在籍しても留年扱いにはなりません。
【3年間で必修科目を含めて74単位以上取得している】
転入や編入で通信制に入学した場合は、以前在籍していた学校で取得した単位もカウントされます。
【3年間で30時間以上の特別活動に参加している】
特別活動としては、ボランティア活動・体験学習・ホームルーム・学校行事への参加などが当てはまります。
通信制高校のカリキュラム
通信制高校のカリキュラムは、主に「レポート提出・単位認定試験合格・スクーリング参加」によって組まれています。
自宅で学習して成果を規定のレポートにまとめて提出し、認定試験を受けて単位を取得する流れです。
単位認定試験の内容は、授業やレポートから出題されます。自宅学習の形態は、テキスト形式やタブレットによる映像授業などさまざまです。
通信制高校によっては地域に「学習センター」を用意している場合もあります。学習センターには先生が常駐しているため、自宅学習中にわからない箇所を質問可能です。
「スクーリング」とは、規定の回数だけ学校に通い、学習相談・面談・学習指導を受けることです。体験学習を実施している高校もあります。
回数や頻度は「週に数回・年に数回・合宿に参加してまとめて指導を受ける」など、高校ごとでさまざまですが、卒業に必要な合計スクーリング時間は学習指導要領で定められています。
科目 | 添削指導回数 | 面接指導回数(1回50分) |
国語・地理歴史・公民・数学 | 3 | 1 |
理科 | 3 | 4 |
保健体育のうち「体育」 | 1 | 5 |
保健体育のうち「保健」 | 3 | 1 |
芸術・外国語科目 | 3 | 4 |
家庭科・情報などの専門科目 | 2〜3 | 2〜8 |
通信制高校なら自分の希望に合わせて勉強できる!
通信制高校には、不登校なども含めて多くのバックグラウンドを持つ人が在籍しています。
例えば、「平日の日中に行動するのが難しい」「学校の人間関係で苦労した経験がある」などです。
通信制高校は通学の必要性が低く学習も自分のペースで進められるため、複雑な事情を抱えた方でも無理せず勉強できる環境が整っています。
学年制ではなく単位制を採用しているので、3年以上かかっても留年扱いにならず、無理のないペースで高校卒業資格を取得できるのが魅力です。
通信制高校の具体的なメリット・デメリットについては「通信制高校のメリット・デメリットは?入学検討時に気をつけるべき点を解説!」で解説しています!
通信制高校の入試概要
通信制高校の入試概要は種類によって若干異なります。
- 新入学:全日制高校と同じように4月から入学する。受験資格は「中学校卒業済み」あるいは「中学校卒業見込み」
- 転入学:現在別の高校に在籍している方が通信制に入学する
- 編入学:高校中退者・海外からの帰国者などが入学する
試験時期
新入学の試験時期は、基本的に「11月〜募集し、1〜3月に試験を受け、4月に入学する」という流れが多いです。
ただし高校によっては、7月・10月・1月などに試験を実施している場合もあります
転入学と編入学は、毎月受け入れている場合もあれば、決まった月だけ試験を実施するということもあるので確認しておきましょう。
試験内容
通信制高校の合否は「書類・面接・作文」をメインに判断します。学力試験も実施しますが、受験生のやる気や志望度で合否判断することがほとんどです。
通信制高校の試験は、落とすためというよりも「勉強の門戸を広げる」という意味合いが強いため、受験生のやりたいことや人柄を重視する傾向にあります。
大学受験も目指せる?通信制高校卒業後の進路
通信制高校は自分のペースで勉強できるのが魅力です。事情を抱えた方でも無理なく卒業資格を取得できるので、学習の門戸がぐっと広がります。
卒業資格を取得できるので、大学受験を諦めてしまった方にも幅広いチャンスがあるといえるでしょう。
ただし、通信制高校卒業後に大学受験を考えている場合は、自分で志望校を決めて必要な勉強を自学自習で進める必要があります。
大学受験は学部学科によって入試の問題傾向やレベルが異なるため、志望校に応じた個別対策が必須です。
志望校に向けた個別対策が必須なのは一般的な高校生も同じですが、通信制高校の授業内容だけでは入試範囲をカバーできないうえに、学校から大学受験に関する情報を取得することが期待できないため、勉強進度および情報収集面の状況が異なることは意識しておきましょう。
令和3年度のデータを見ると、通信制高校から大学に進学した方の割合は「19.5%」。全日制からの進学率である「58.1%」と比較すると低い数字です。
この数字だけを見てしまうと「通信制高校に通うこと自体が大学受験に不利」と感じてしまいそうですが、実はそうではありません。
公立・私立別で、通信制高校から大学への進学率を見ると、「公立26%・私立47%」と増加傾向にあります。
「通信制高校だから進学に不利」ということはない!
確かに通信制高校は一般の高校と比べて授業内容は簡単なため、大学受験を目指すのであれば自学自習の重要性は増します。
しかし、あくまでも「勉強の進め方」の問題であり、通信制高校だから大学受験進学時に不利に判断されるということではありません。
今の大学受験は、ほぼ学力試験のみで合否判断を実施します。学力レベルが基準を超えていれば合格できるため、(推薦を活用するのでなければ)自分の経歴を気にする必要はありません。
もちろん、通信制高校の授業やレポート内容は一般の高校と比較して簡単なため、大学受験を目指す以上は自分で計画を立てて勉強することが必須です。
とはいえ、一般の高校に通う場合も「志望校に向けて勉強する」という条件は同じですし、むしろ通信制高校だと自由な時間を作りやすいので、受験勉強に適した環境であるとも言えます。
きちんと計画を立てて勉強し毎日コツコツ積み重ねれば、進学率の結果を必要以上に恐れる必要はありません。
通信制高校からの大学受験に関する難易度等については「通信制高校からの大学進学は難しい?大学受験時に心がけるべき点も解説!」でも詳しく解説しています!
大学受験を目指す場合は自学自習の重要性が大きくなるので注意!
繰り返しになりますが、制度上通信制高校からの大学進学が不利になることはなくても、自学自習の重要性は一般的な高校生よりも増すので注意しましょう。
一般的な高校生も自学自習は必要ですが、学校の授業で習った内容がベースになっているため、志望校に向けた勉強をする際の下地はある程度完成しています。
一方で通信制高校の場合、学校の課題内容レベルはあまり高くありません。そのため、受験に向けた下地も自分でしっかり完成させる必要があります。
自由に使える時間が多いからといって油断すると、大学受験に必要な学力が身につかないということにもなりかねないため気をつけましょう。
通信制高校からの大学受験対策については「通信制高校からの大学受験対策で必要な内容を詳しく解説!」で詳しく解説しています!
まとめ
通信制高校では、無理して学校に通わなくても自分のペースで高校卒業資格取得が可能です。
さまざまなバックグラウンドを持つ人も多いため、「自分には雰囲気が合わないかも…」と心配する必要もありません。
基本的にはレポート提出で授業を進めるのですが、難易度はそこまで高くないため安心です。
大学受験時に制度上の不利があるわけでもないですが、「勉強の取り組み方」には注意しなければなりません。
通信制高校は自由度が高いため、日頃から自学自習を進めないと「大学受験に必要な学力が身に付いていない!」という事態になる可能性もあります。
日頃から自学自習を進めるには、勉強習慣を身につけコツコツ学習に取り組むクセを身につけることが重要です。
学習塾STRUXのように、完全個別指導で大学受験までの勉強計画を作成してくれる塾もあるため、勉強習慣について不安がある方は、そうした塾の検討もしてみましょう。
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