高校生が塾を変えるタイミングは？塾選びの基準と成績が上がらない原因を解説

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成績の向上、志望校への合格に向けて、学習塾選びは非常に重要です。「今の塾に通い続けて本当に成績が上がるのか」と不安に感じている高校生も多いでしょう。

しかし、いざ塾を変えるとなると、「いつ変えるのが正解なのか」「受験直前に環境を変えても大丈夫か」と躊躇してしまいます。転塾は決して悪いことではなく、むしろ合格への最短ルートになるかもしれません。

この記事では、塾を変えるべき最適なタイミングや、失敗しない新しい塾の選び方を具体的に解説します。現状を変えたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

橋本拓磨

受験生の「何をやればいいかわからない」を解決する学習塾STRUX塾長。熊本県立熊本高校出身、東京大学法学部卒。のべ1000人以上の勉強計画を作成し、東京大学、早稲田大学、慶應義塾大学など多数の合格者を輩出。著書に『現役東大生が伝えたいやってはいけない勉強法【改訂版】』（延べ3万部以上発行）など。

学年別の塾を変えるおすすめのタイミング

ここからは、学年別の塾を変えるタイミングを紹介します。転塾を検討しているのであれば、参考にしてください。

高校1年生：基礎固めに不安を感じたら

高校1年生は、中学内容からの接続や高校内容の基礎固めに取り組む時期です。もし、学校の授業進度についていけなかったり、中学レベルの基礎に抜け漏れがあったりするなら、早めの対処が必要です。

集団授業で理解が追いつかない場合は、個別に基礎から復習できる環境へ移ることを検討してください。高1の段階で学習習慣を確立できなければ、高2以降の成績向上は難しくなります。

「少し合わないかも」と感じた時点で、環境を変える決断を下すことが、将来の受験勉強をスムーズに進めるポイントです。

高校2年生：志望校が見え始める「夏休み」か「冬休み」

高校2年生になると、文理選択や志望校の方向性が定まってきます。この時期に成績が伸び悩んでいる場合、「夏休み」または「冬休み」が転塾の大きなチャンスです。

高2の終わりまでには、入試に必要な基礎力を完成させておくことが望ましいため、現在の塾でそれが達成できないと感じるなら、環境を変えるべきでしょう。

特に難関大を目指す場合は、高2の冬から本格的な受験カリキュラムが始まる塾も多いため、早めの情報収集をおすすめします。

高校3年生：できるだけ早く（春〜夏休み前まで）

高校3年生の場合、一刻も早く決断する必要があります。受験本番までの残り時間は限られており、新しい環境に慣れる時間を確保する必要があります。「春休み」または遅くとも「夏休み前」までに転塾を完了させるのが理想です。

夏休みは受験の天王山と呼ばれ、総復習や演習に集中すべき時期です。この時期に塾選びで迷っていると、貴重な学習時間を失ってしまいます。

現状の塾で合格のビジョンが見えないのであれば、すぐにでも体験授業へ申し込み、自分に合った指導を見つけてください。

【時期別】高校生が塾を変えるおすすめのタイミング

高校生が転塾するのにおすすめのタイミングは以下のとおりです。

長期休暇（春休み・夏休み・冬休み）の前
定期テストや模試が終わった直後
新学期が始まる前

それぞれの時期について、詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

長期休暇（春休み・夏休み・冬休み）の前

春・夏・冬の長期休暇前は、多くの塾が季節講習を実施するため、体験入塾や転塾に最適な時期です。講習期間中は集中的に授業が行われるため、塾の雰囲気や講師との相性をじっくりと確認できます。

また、学校の授業が進まないため、これまでの遅れを取り戻したり、新しい塾のカリキュラムに追いついたりするための時間を確保しやすいという利点もあります。キャンペーンなどで入会金が免除になるケースも多いため、費用面でもメリットがあるでしょう。

定期テストや模試が終わった直後

定期テストや模試の結果が出た直後も、塾を見直す良いタイミングです。結果が悪かった場合、それは現在の勉強法や塾の指導方針が自分に合っていない証拠かもしれません。

具体的な弱点や課題が明確になっている状態で塾を探せば「英語の長文読解を強化したい」「数学の基礎をやり直したい」といった具体的な要望を伝えやすくなります。

次のテストや模試に向けて、新しい環境で対策をスタートさせることで、モチベーションを高く保てるでしょう。

新学期が始まる前

4月の新学期はもちろん、2学期や3学期の開始前も切り替えに適しています。学校のスケジュールが変わるタイミングに合わせて塾を変えることで、生活リズム全体を見直せます。

特に部活動を引退した後や、文理選択が決まった後など、生活環境が変化する際に塾を変更すると、学習への意識も自然と切り替えられるでしょう。

今の塾を変更すべき？判断チェックリストで確認しよう

以下にチェックリストを用意しました。当てはまる項目が複数ある場合は、塾の変更を検討するのがおすすめです。

授業についていけない、または簡単すぎて退屈している
授業はわかりやすいが、自宅で「何をすべきか」が明確でない
講師に質問や相談がしにくい雰囲気がある
志望校対策や学部別の対策をしてくれない
カリキュラムが画一的で、自分の苦手分野を集中して対策できない
「計画を立ててくれる」と言うが、実際は宿題を出すだけで管理されていない
担当講師が頻繁に変わる、または相性が良くない
自習室が使いにくい、または集中できる環境ではない
通塾に時間がかかりすぎている、または部活との両立が難しい
半年以上通っているのに、模試の成績や偏差値に変化がない

「塾を変えたいけれど、自分のわがままではないか」「もう少し頑張るべきか」と悩む高校生も多いでしょう。

しかし、環境が合っていない状態で無理に通い続けることは、時間と費用の浪費になるだけでなく、成績が上がらないまま受験を迎えるリスクがあるので注意が必要です。

塾の変更を検討すべき？成績が上がらない4つの原因

塾を変えるきっかけとなる主な原因は以下の4つです。

授業のレベル・スピードが合っていない
授業を「受けるだけ」で自学自習が最適化されていない
志望校とカリキュラムが合っていない
質問や相談がしにくい

塾に通っているのに成績が上がらない場合、そこには必ず原因が存在します。本人の努力不足と考えがちですが、実は「塾のシステム」や「指導方針」が自分に合っていないケースが大半です。ここでは、それぞれの原因について詳しく解説します。

授業のレベル・スピードが合っていない

集団授業の塾でよくあるのが、授業のレベルや進度が自分の理解度と乖離しているケースです。授業が難しすぎると、知識が定着しません。

逆に簡単すぎる場合は、知っている内容を繰り返し聞くことになり、時間の無駄が生じます。自分の学力にぴったりのレベルで学習しなければ、効率よく成績を伸ばすことは不可能と考えましょう。

もし授業内容の2割以上が理解できない、あるいは退屈だと感じるなら、レベル設定を見直すか、個別指導への転塾を検討するのがおすすめです。

授業は「受けるだけ」で、自学自習が最適化されていない

成績が伸びる瞬間は、授業を受けている時間ではなく、自分で問題を解き、復習をしている「自学自習」の時間です。

しかし、多くの塾では「わかりやすい授業」を提供することに注力し、生徒が家に帰ってから何をするかまでは管理していません。その結果、授業で「わかったつもり」になり、テストでは解けないという現象が発生します。

自習の内容や方法まで具体的に指示してくれない塾では、学習習慣が身につかず、成績維持することはできても、成績向上につなげることは難しいでしょう。

志望校とカリキュラムが合っていない

大学受験は、志望校によって出題傾向や配点が大きく異なるため、志望校に特化した対策が行われていない塾に通い続けるのは危険です。

例えば、私立文系志望なのに国立向けのカリキュラムで数学を勉強させられたり、英作文が出ない大学なのに英作文の授業を受けたりしていませんか？

志望校合格に必要なことだけを効率よく学べるカリキュラムでなければ、限られた時間で合格ラインに到達することは困難になるでしょう。

質問や相談がしにくい環境である

学習で生じた疑問点や悩みをすぐに質問して解消できる環境かどうかが、学習効率を大きく左右します。

「講師がいつも忙しそうで話しかけられない」「質問対応の時間が限られている」「進路相談をしても具体的なアドバイスがない」といった状況では、不安を抱えたまま勉強することになります。

疑問を放置すればするほど苦手意識が強くなるため、気軽に質問や相談ができるサポート体制の整った塾を選びましょう。

【高3生向け】夏以降・受験直前期でも塾は変えるべき？

高校3年生の夏以降に塾を変えることは、一般的にリスクが高いとされています。しかし、現状のままでは合格の可能性が低いと判断できる場合、リスクを承知で動くことも検討しなければなりません。

ここでは、直前期の転塾に伴うリスクと、それでも塾を変えるべきケースについて解説します。

高3の夏・秋以降に塾を変えるリスク

受験直前期に環境を変える最大のリスクは、新しいやり方に慣れるまでのタイムロスです。塾によって指導方針や教材が異なるため、適応するのに時間がかかれば、その分だけ受験勉強の時間が削られます。

また、新しい講師との信頼関係を築くのにもエネルギーが必要です。精神的に不安定になりやすい時期に環境が大きく変わることは、ストレス要因となり得ます。

さらに、多くの塾では高校3年生秋以降の新規入会を制限している場合があり、選択肢が限られるという点も考慮する必要があるでしょう。

リスクがあっても変えるべき3つのケース

リスクがあるとしても、以下の状況であれば転塾を検討する価値は十分にあります。

現状維持では合格の可能性が明らかに低い場合
今の塾が志望校の過去問対策や個別の添削指導に対応してくれない場合
学習管理がされておらず、非効率な勉強をしている場合

今のペースで勉強していては志望校に届かないことが明白であり、現在の塾に打開策がない場合は、環境を変えましょう。

残された時間で逆転するには、1分1秒も無駄にできません。毎日の学習内容を徹底的に管理してくれる塾へ移り、受験勉強を進めましょう。

高校生が塾を変えることによって得られるメリット

高校生が塾を変えることによって得られるメリットは以下のとおりです。

学習環境や人間関係をリセットできる
自分に合った指導法と出会える可能性が増える
新しい情報や戦略を入手できる可能性が増える

転塾にはエネルギーが必要ですが、適切なタイミングと選び方で塾を変えれば、学習状況を好転させられるでしょう。ここでは、塾を変えることで具体的にどのようなメリットが得られるのかを解説します。

学習環境や人間関係をリセットできる

塾を変えることで、マンネリ化していた学習環境や人間関係をリセットできます。「なんとなく通っているだけ」という惰性の状態から抜け出し、緊張感を持って勉強に取り組めるようになるでしょう。

特に「友だちが通っているから」という理由だけで通っている人は要注意です。

また、自習室の環境が改善されたり、騒がしい生徒がいない静かな環境で勉強できたりすることは、集中力を高める上で非常に大きなメリットです。

自分に合った指導法と出会える可能性が増える

「集団授業から個別指導へ」「映像授業から管理型指導へ」など、指導形式を変えることで、劇的に理解度が深まることもあります。

これまでは自分のペースで質問できなかった生徒も、1対1の指導になれば疑問をその場で解決できるようになります。

自分に合った指導法であれば、同じ学習時間でも吸収できる知識量が大幅に増えるため、成績の伸び率も変わってきます。「勉強ができない」のではなく「やり方が合っていなかっただけ」と気づく高校生も多いでしょう。

新しい情報や戦略を入手できる可能性が増える

塾によって持っている受験情報や戦略は異なります。特に志望校に特化した塾や、最新の受験トレンドに強い塾に移れば、これまで知らなかった有利な受験方式や、効率的な対策法を知ることができるかもしれません。

例えば、総合型選抜（旧AO入試）や学校推薦型選抜のサポートが手厚い塾なら、一般入試以外の合格ルートも見えてきます。より精度の高い戦略を手に入れて、合格への足がかりにしてください。

高校生が塾を変える際の注意点

塾を変えることはメリットばかりではありません。注意点は以下のとおりです。

追加費用が発生する
新しい塾に慣れるまで時間がかかる
「前の塾の方が良かった」と後悔する可能性がある

転塾を成功させるためには、上記の点についても考慮し、準備を進める必要があります。保護者の方とも相談し、納得の上で進めるようにしましょう。

追加費用が発生する

新しい塾に入会するにあたり、入会金、教材費、施設維持費などの初期費用が発生します。また、前の塾を辞める際に、解約金や違約金がかかるケースもあります。

月謝自体は変わらなくても、こうした一時的な出費は家計の負担となるため、事前にどれくらいの費用がかかるのか確認が必要です。

塾によっては「乗り換えキャンペーン」などで入会金を免除してくれる場合もあるので、問い合わせの際に確認してみると良いでしょう。

新しい塾に慣れるまで時間がかかる

どれほど良い塾であっても、システムや雰囲気に慣れるまでには多少の時間がかかります。通塾ルート、自習室の利用ルール、講師との距離感など、細かい部分で気を遣うことが増えるかもしれません。

特に受験直前期などの精神的に余裕がない時期は、些細な変化もストレスに感じることがあります。転塾直後は学習ペースが一時的に乱れる可能性があることを想定し、余裕を持ったスケジュールを組むように心がけてください。

「前の塾の方が良かった」と後悔する可能性がある

情報収集が不十分なまま勢いで塾を変えてしまうと、後悔するリスクがあります。「思ったより質問しにくかった」「講師のレベルが期待より低かった」といったミスマッチは避けなければなりません。

今の塾への不満だけで動くのではなく、次の塾でその不満が確実に解消されるかを慎重に見極めましょう。必ず体験授業を受け、実際の雰囲気を肌で感じてから最終決定をすることが、失敗を防ぐためのポイントです。

転塾で失敗しない！次の塾選びで絶対に確認すべき5つのポイント

塾選びで失敗したくないなら、以下の5つのポイントを必ず確認してください。

指導形式は自分に合っているか
志望校や自分のレベルに合わせた「専用カリキュラム」か
「毎日の学習計画」まで具体的に管理してくれるか
「自学自習のサポート」や質問対応は手厚いか
講師との相性や変更制度はどうか

「合格実績」や「知名度」だけで選ぶと、転塾で失敗する可能性があります。大切なのは、現在の課題を解決し、志望校合格まで導いてくれる具体的な仕組みがあるかどうかです。

指導形式は自分に合っているか

集団、個別、映像など、指導形式が自分の性格や学力に合っているかを見極めます。特に勉強に苦手意識がある場合や、逆転合格を狙う場合は、きめ細かなフォローが可能な「完全1対1」の個別指導がおすすめです。

講師1人に対して生徒2〜3人の個別指導では、待ち時間が発生し、解説時間が不足することもあるため注意しましょう。

志望校や自分のレベルに合わせた「専用カリキュラム」か

既存のカリキュラムに生徒を当てはめるのではなく、生徒一人ひとりの現状と志望校に合わせてカリキュラムを作成してくれる塾を選びましょう。

「いつまでに」「どの参考書を」「どのように」進めるかが明確に示されていれば、迷うことなく勉強に集中できます。

志望校の入試日から逆算し、日割りレベルまで落とし込まれた計画があるかどうかが、合否を分けるポイントと言えるでしょう。

「毎日の学習計画」まで具体的に管理してくれるか

「自習時間」をどのように管理してくれるかを確認してください。「1日ごとにやるべき課題」を指定し、進捗を管理してくれる塾であれば、サボることなく勉強を継続できます。

授業をするだけで「あとは自分でやっておいて」というスタンスの塾では、自己管理が苦手な生徒は成績を伸ばせません。徹底した管理体制があるかをチェックしましょう。

「自学自習のサポート」や質問対応は手厚いか

自習中にわからない問題があったとき、すぐに解決できる仕組みがあるかも重要です。自習室に質問対応のスタッフが常駐しているか、オンラインでいつでも質問できるチャットサポートがあるかなどを確認します。

また、正しい自習のやり方（単語の覚え方、復習のタイミングなど）を具体的に指導してくれるかどうかも質問すると良いでしょう。

講師との相性や変更制度はどうか

どんなに良いシステムでも、担当講師との相性が悪ければ学習効果は半減します。体験授業で担当してくれた講師が、入塾後も担当してくれるのかを確認しましょう。

また、万が一相性が合わなかった場合に、スムーズに講師を変更できる制度があるかも聞いておくと安心です。生徒の性格を理解し、モチベーションを引き出してくれる講師と出会えるかどうかが、受験生活の質を決定づけます。

トラブル回避！スムーズな塾の辞め方と伝え方

転塾を決めたら、現在の塾を辞める手続きを進める必要があります。まず、退会の意思は保護者から塾長や教室責任者に伝えてもらうのが基本です。

退会理由は「家庭の事情」や「他の指導形式を試したい」など、角が立たない内容にするのが無難です。塾側から引き止められることもありますが、「もう新しい塾への入会手続きを済ませました」ときっぱり伝えれば、それ以上強引に勧誘されることはありません。

契約内容を確認し、無駄な月謝を払わないよう早めに行動しましょう。お世話になった感謝の気持ちを伝えれば、円満に次のステップへ進めます。

迷う時間を「勉強する時間」に変えて合格を勝ち取ろう

本記事では、高校生が塾を変えるべき最適なタイミングを学年別・時期別に解説し、成績が上がらない原因を分析しました。授業レベルの不一致、自学自習の管理不足、志望校とのカリキュラムのずれなど、現状の塾に不安を感じるなら、転塾は合格への最短ルートかもしれません。失敗しない塾選びのポイントとして、「志望校に合わせた専用カリキュラム」と「毎日の具体的な学習管理」が重要であることを強調しました。

記事を読んで「今の塾は自分に合っていないかも」と感じたあなたは、合格に必要な「戦略」と「実行力」が不足しているのかもしれません。

まさにその課題を解決するのが、学習塾STRUXです。