浪人生はひとりで自習をする時間が長いため、
「どのように勉強すればいいかわからない…」
と感じる人も多いと思います。浪人を成功させるためには、具体的に勉強すべき内容を把握した状態で受験勉強を始めることが大切です。
この記事では、浪人生が意識するべき勉強法や具体的なスケジュール、注意すべきポイントを解説します。浪人生活を成功させるためにも、是非参考にしてみてください。
浪人生にとって一番大切なのは勉強を始める前の準備!
浪人を成功させるためには、勉強を始める前の準備が大切です。具体的に浪人生は以下の準備をしましょう。
- 浪人した原因を分析する
- 志望校を定める
- どのくらい学力が足りないのか分析する
浪人した原因を分析する
まずは浪人した原因を分析しましょう。浪人の原因は、以下のように人によってさまざまです。
- 勉強習慣がなくて勉強量が足りなかった
- 特定の科目だけに力を入れすぎた
- 志望校の傾向を把握できていなかった
上記のような浪人の原因を分析して、具体的な解決方法を考えることが大切です。
例えば「習慣がついておらず不合格だった」という場合は、勉強習慣を身につける方法を考えるべきです。あるいは「志望校の傾向を把握できていなかった」ということなら、志望校の出題傾向の分析から始める必要があります。
このように、根本的な失敗原因を潰さないと現役時代と同じ失敗を繰り返すため、浪人の原因を正しく分析しましょう。
志望校を定める
浪人に限らず、受験勉強においては「志望校を決めること」が欠かせません。
志望校を確実に見定めて勉強しないと余計なことを勉強したり、必要な勉強が不足したりといった失敗が起こり得ます。
ただし志望校を定める際は、安易に志望校のレベルを現役時よりも上げないように注意しましょう。
実は、浪人して第一志望校レベルまで成績を上げられるのは、受験生全体の3割くらいです。学習塾STRUXが浪人生に実施したアンケートでも、「成績が上がった浪人生は約8割だが、そもそも浪人生全体の中で第一志望校に合格できたのは約3割」という結果になりました。
浪人によって成績を上げること自体は可能です。しかし、第一志望合格レベルまで引き上げるのは難しいため、安易に志望校レベルを上げないよう注意しましょう。
具体的な浪人の成功率などについては以下の記事でも解説しています!
また、浪人するのであれば、まずは「確実に受かる大学」を確保しましょう。現役時に受かった大学に再び合格できるレベルを維持しながら、徐々に志望校レベルを上げることが大切です。
どのくらい学力が足りないのか分析する
志望校の目標点数と自分の現状の学力をチェックして、具体的に「合格までどれくらい学力が足りないのか?」を把握しましょう。
合格までの学力差を具体的に把握することで、やるべき勉強内容や志望校合格に必要な勉強量が明確になります。
現状の学力を把握するには、現役時代の試験結果をもとに自分の得意・不得意を分析しましょう。自分の得意・不得意を分析することで、試験本番までにどのくらい点数を上げなければいけないのかを把握できます。
浪人生が確保すべき勉強時間について
浪人生は学校の授業がないため、現役時より自由な時間が増えます。
自由時間が増える分、「時間の使い方」「勉強時間の確保量」によって、第一志望校の合格率は大きく変わります。
それでは浪人生はどれくらい勉強時間を確保するべきなのでしょうか?
原則としてすべての時間を勉強に充てよう
結論をいうと、浪人生は使える時間をすべて勉強に充てましょう。
先ほども解説したように、浪人して成績を上げたとしても第一志望校に合格できる人は意外と多くありません。さらに「受験まで1年もあるから余裕」と油断していると、そもそも成績自体が上がらずに終わる可能性もあります。
第一志望校に合格できるレベルまで成績を上げるためには、「1回勉強した知識があるから大丈夫」と油断せず、現役時代以上に努力しなければなりません。現役時代以上に努力するためには、試験までの時間を可能な限り勉強に充てることが必須です。
勉強習慣を身につけるのは大変ですが、使える時間はすべて受験勉強に費やす気持ちで取り組みましょう。
浪人生は1日10時間勉強を目標にする
現役生と異なり毎日勉強に充てられるので、最低でも1日10時間は勉強に取り組みましょう。「現役時にあと2点で不合格だった」など惜しい結果でない限り、しっかり勉強しないと浪人しても志望校には合格できません。
遅くともGW頃には、毎日10時間勉強できる体制を整えましょう。10時間勉強できる体制を整えられれば、受験で一番大切な「問題演習」の時間を確保できます。
具体的な浪人生の勉強時間や伸ばすコツなどについては、以下の記事で詳しく解説しています!
最低限、息抜きの時間も確保する
浪人生は「毎日勉強」が必要です。とはいえ、1年間ずっと勉強し続けるのはつらいため、適度に息抜きの時間も確保しましょう。
何時間も連続して勉強しても集中力を保てないため、適度に息抜きの時間を作った方が効率よく勉強できます。
ただし、息抜きに時間を取られすぎないよう注意してください。息抜きの時間については、
- 「毎日コンスタントに息抜きの時間を設ける」
- 「週1日は勉強時間を少なくする日を設ける」
など、自分に合ったやり方を決めて息抜きの時間を確保しましょう。
浪人生が合格するには勉強習慣の確立が必須!
浪人生が毎日の時間を最大限まで受験勉強に充てるためには、毎週の計画を作成してやるべき内容を明確にすることが大切です。
毎日やるべきことは「1日のスケジュール」という形で具体的に決めましょう。
浪人生の具体的な1日のスケジュール例
浪人生は、きちんと朝に起きて1日の時間をフル活用する勉強スケジュールを立てましょう。
例えば、以下のようなスケジュールです。なるべく「朝〜夕方に問題集」「夕方以降に暗記」という勉強を意識しましょう。
午前中は脳が活性化しやすいため、英語の長文問題や数学などじっくり考える問題を解きましょう。どうしても頭が働かなければ、簡単な問題から取り組むことで、徐々に頭が働き集中できるようになります。集中力が必要な問題は、あまり遅い時間に取り組むと脳が疲れて集中できない恐れがあるため注意してください。
また、長時間勉強して疲れている夕方以降は、暗記系の問題に取り組むのがオススメです。単語の暗記や一問一答で解ける問題にも取り組むと良いでしょう。
もちろん、適度に休憩を取ることも大切です。1時間あたり5分~10分程度の休憩を入れながら進めてください。休憩の回数自体は多くても構わないので、総休憩時間が長くなりすぎないようにするのがポイントです。
「どうしても自分でスケジュールを立てて勉強することが難しい」という場合は、学習管理型の塾を活用することも検討しましょう。学習管理型の塾では、自習時間の使い方や具体的に何を勉強すべきかを指導してくれます。
また毎日「何時からどれくらい勉強できたか?」をチェックしてくれるため、強制的に生活リズムを整えられるでしょう。
学習管理型の塾については以下の記事で詳しく解説しています!
朝きちんと起きる
浪人生は時間の縛りがないため生活リズムが崩れがちです。しかし、朝のほうが頭が働きやすく勉強効率も良いので、きちんと朝に起きましょう。高校に通っていた時のように、8時くらいから勉強をスタートさせましょう。
実際の入試は午前中から始まるので、朝から勉強することに慣れておかないと、入試で本来の力を発揮できないかもしれません。そのため、普段から規則正しい生活リズムで勉強することが重要です。
勉強場所を確保する
勉強に集中できる環境を作るためにも、自宅や予備校の自習室などで、勉強場所を確保しましょう。特に自習室であれば講師が常駐していることもあるため、監視の下で強制的に勉強できます。
自宅の場合は、スマホやテレビなど誘惑のあるものを遠ざけて勉強するのがコツです。「自宅で集中できないけど予備校に通うのも難しい」という場合は、家族の目につきやすいリビングやカフェ、ファミレス、会員制の自習室などで勉強しましょう。
浪人生が意識すべき時期ごとの勉強法について
次に、以下の時期ごとに、浪人生が意識すべき勉強法をチェックしましょう。
- 「受験後の3月〜GW」で意識すべき勉強法
- 「5〜7月」で意識すべき勉強法
- 「8月〜」で意識すべき勉強法
「受験後の3月〜GW」で意識すべき勉強法
「受験後の3月〜GW」では、志望校の再選定や浪人した原因の分析をしてから、以下を意識して勉強しましょう。
- 現役時代の苦手を克服する
- 基本の抜け漏れを埋める
レベルの高い大学に合格するには発展的な問題の演習が必須です。しかし、基礎が固まっていないと発展問題は解けないため、演習してもあまり意味がありません。GWが終わる頃までには抜けている基礎を固めて、5月以降の問題演習に備えましょう。
基礎固めで取り組む参考書は、現役時代に使っていた物を使ってください。参考書を変えても身につく知識は大きく変わらないので、使い慣れたものを繰り返し解くほうが早く基礎を固められます。
「5〜7月」で意識すべき勉強法
「5〜7月」では以下を意識して勉強しましょう。
- 遅くてもGWまでに基礎を固める
- GW以降は入試レベルの問題演習を徹底して行う
どれだけ基礎を固めても、入試レベルの問題が解けなければ入試で得点できません。
また、GWまでに基礎を固めたとしても、いざ問題集に取り組むと「インプットした知識が抜けている」というケースがあります。入試レベルの問題演習に取り組む中で基礎の抜け漏れに気づいたら、必ず戻って解き直しをしてください。
8月からは志望校レベルの過去問に取り組めるように、それまでは入試レベルの問題演習を繰り返しましょう。
「8月〜」で意識すべき勉強法
「8月〜」では、問題集にある程度取り組んだうえで、以下を意識して勉強しましょう。
- 志望校や共通テストの過去問に何周も取り組んで本番のシミュレーションを行う
できれば8月から、遅くても9月以降には過去問に集中します。
過去問や似た問題を解く目的は大きく2つです。
- 基礎の抜け漏れを洗い出す
- 試験の傾向に慣れておき、本番で落ち着いて解けるよう練習する
過去問を解いていると、志望校の試験の傾向や自分の弱点がわかります。過去問演習を通して把握した試験の傾向や自分の弱点に合わせて、参考書やスタディサプリなどで復習しましょう。
また、過去問を解く際は、実際に時間を計測して本番と同じ意識で取り組むのがコツです。本番は試験時間が限られているので、ゆっくり問題を解いている暇はありません。入試本番はスピーディかつ正確に問題を解くことが求められるので、早い段階で本番と同じ環境に慣れておきましょう。
このように浪人生は、入試本番から逆算し各時期で適切な勉強に取り組むことが大切です。より具体的に「どの参考書を・どんなペースで学習するのか?」ということを決めるために、勉強計画を立ててくれる塾の活用も検討しましょう。
勉強計画を立ててくれる塾の概要やメリット・デメリットについては、以下の記事で解説しています!
浪人生が勉強する際の注意点
浪人生は自由な時間が増えるため勉強に専念できますが、ただ勉強をすればいいものではありません。浪人生が勉強する際は、以下の点に注意しましょう。
- 浪人しても必ず第一志望校に合格できるわけではない
- 必ず「浪人を決めた日」から勉強を始めよう
- 模試では毎回A判定を目指して勉強する
- モチベーションの維持に気を配る
浪人しても必ず第一志望校に合格できるわけではない
浪人しても、必ず第一志望校に合格できるわけではないため注意しましょう。先ほども解説したように、浪人して成績が上がったとしても、第一志望校の合格レベルに達する人は約3割しかいません。
「浪人したけど現役時代の志望校より低い偏差値の大学にしか合格できなかった」ということもありえます。
特に自宅で浪人生活を送ると、誘惑に負けてダラダラ過ごしてしまう人も少なくありません。時間がたっぷりあるからと油断せずに、覚悟を決めて浪人生活を送りましょう。
必ず「浪人を決めた日」から勉強を始めよう
浪人生は必ず「浪人する」と決めた日から勉強を始めてください。「4月から勉強すればいいや」と休憩期間を挟むのは厳禁です。
一度勉強しなくなると、再び勉強習慣を身につけるのは大変です。いざ勉強を再開しても集中できないために、ついだらける人も多いでしょう。
しかも、現役時代の試験後にしばらく休憩していた浪人生は、試験直後から勉強していた人に2週間〜1ヶ月の差をつけられています。1年という期間の中で1ヶ月の差をつけられているのは大きなハンデです。
現役生や他の浪人生に差をつけられないためにも、必ず「浪人すると決めた日」から勉強を始めましょう。
模試では毎回A判定を目指す
浪人生は最初の模試からA判定を狙いましょう。特に浪人直後に受ける最初の模試は、現役生の成績がまだ伸びていないので、良い判定を出しやすい時期です。
現役生であれば、B・C判定でもあとからでも十分に巻き返せます。しかし浪人生は、A判定以外の結果が出た場合は、危機感を持たなければなりません。
もちろん「最初の模試でA判定が取れたからOK」と油断することもNGです。最初の模試は浪人生が圧倒的に有利でA判定が取りやすいですが、夏休みからは本格的に受験勉強を始めた現役生が追い上げてくるため、夏の模試で一気に成績が下がる人も少なくありません。
常に模試ではA判定を目指して努力しましょう。
モチベーションの維持に気を配る
「どうしても東大に行きたい」などの強いモチベーションがあるほうが、浪人へのやる気も出るため成功しやすいです。
逆に「親に言われた」などの受動的な理由では、浪人で成功するのは難しいかもしれません。
根本的に「どうしてこの大学に行きたいのか?」という理由を考え、自分が能動的に頑張れる目標を掲げてモチベの維持を心がけましょう。
浪人生は必ず模試を受けよう!
浪人生は、志望校選びや実力把握のために必ず模試を受けましょう。模試を受けることで、志望校合格にどれくらい近づけているかわかりますし、何が足りないかもわかります。
志望校合格までの学力差や自分の弱点を知ることで、「合格に向けて具体的に何を勉強するべきか?」など対策が取れるようになります。
現役時と異なり、学校から模試の案内はなくなりますが、しっかり調べて自分で申し込みましょう。
合格には分析と改善の繰り返しが必要
浪人生が合格するためには、自分の得意・不得意を把握して分析することが欠かせません。
模試で解けなかった部分は、自分の弱点を示しています。弱点がわかれば、「次回の模試までに何を勉強すればいいか」「どの分野をどれだけ伸ばせばいいのか」など具体的な改善策を考えられます。
逆に模試を受けないと、自分の得意・不得意を客観的に知る機会はなかなかありません。定期的に現在の学力を測っておかなければ、合格までに必要な勉強を把握できず、間違った方向性で勉強することもありえます。
志望校合格に必要な学力を確実に身につけるためにも、模試を受けて自分の実力を把握し改善していきましょう。
「結果を見るのが怖くて模試を受けていない」ということは避けよう
浪人生にとって大切なのは、模試を受けて自分の実力をきちんと把握し、足りない部分を補うことです。
現役時代に足りない部分があったから浪人したわけなので、その足りない部分と向き合って改善しないと合格できません。
浪人生の中には、一定数「自分の実力と向き合うのが怖い」「点数を見るのが怖い」という理由で模試を受けない人もいます。しかし模試を受けなければ、自分の足りない部分がわからないため、改善できずに浪人で失敗する原因となり得ます。
自分の実力を受け止めて合格に向けた具体的な勉強に取り組めるよう、模試は必ず受けましょう。
夏までは高めの偏差値が出るため注意
夏までは現役生の成績がそこまで高くないため、すでに基礎が固まっている浪人生であれば高めの偏差値が出やすい傾向にあります。
しかし、夏以降は現役生がどんどん追い上げてくるので、夏までの模試の結果に油断して勉強しないと、成績が下がるので要注意です。
夏までの模試で良い結果が出ても安心せず、2ヶ月に1回程度のマーク模試や志望校の冠模試などで高い偏差値をキープできるようにしましょう。
浪人生は予備校・塾を使うべき!
このように、浪人生は毎日の時間を使って勉強し、模試にも取り組んで結果をもとに毎回改善していく必要があります。
しかし、毎日の自由時間が多いために、油断してダラダラしてしまい勉強習慣が崩れることもあるでしょう。浪人生は朝早く起きて学校に行く必要がないため、生活習慣が乱れる人も多くいます。自己管理ができる人でないと、自分一人の力で浪人生活を乗り越えるのは難しいでしょう。
自分一人の力で乗り越える自信がない浪人生は、積極的に予備校・塾を活用しましょう。予備校であればカリキュラムが組まれているので、決まった時間に勉強する癖をつけられます。
また、浪人中は勉強に関する不安感を抱えがちなので、質問できる相手を作れる点も大きな魅力です。
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浪人生活を成功させるには、具体的なスケジュールを作成し勉強習慣を身につけて、毎日勉強する環境を整えることが重要です。
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