浪人をするにあたって「実際に成功率ってどのくらいなのだろう?」を不安に感じる人も多いはず。浪人の成功率は「約20%」と言われることも多いのですが、果たして本当なのでしょうか?
浪人の成功率に関する実情を調査するため、浪人生の指導経験も豊富な私たち学習塾STRUXがweb上でアンケートを実施しました。
今回の記事ではアンケート結果も参考にしつつ、浪人成功率のリアルな数値や成功のポイント、浪人すべきかどうかの判断基準などについて解説します!
大学受験での「浪人成功率は約20%」は正確ではない?第一志望合格率は30%!
大学受験における浪人の成功率は「約20%」と言われることが多いのですが、果たして本当なのでしょうか?
実際のアンケート結果を確認しながら、浪人の成功率について実情を見ていきましょう。
浪人すれば80%の人は成績は上がるが、第一志望校に受かるのは30%
まず「浪人したことで成績は上がったか?」という質問に対しては、以下のような結果となりました。
- 現役時代よりも成績が5%以上向上した:約80%
- 成績が変わらなかった:約20%
- 5%以上成績が下がった:0%
「現役時代よりも成績が5%以上向上した」と回答した割合は約80%であるため、大半は浪人して成績が上がったとわかります。ちなみに「成績が変わらなかった:約20%」「5%以上成績が下がった:0%」という結果でした。
*なお、今回のアンケートについては「浪人経験者のみ」からアンケートを取ったので、多少意見に偏りがあるかもしれない点はご了承ください。
次に「浪人して第一志望校に合格できたか?」という質問への回答結果を見てみましょう。
- 浪人して第一志望校に合格できた:約30%
浪人して第一志望校に合格できた人は約30%でした。浪人して成績が上がった人が約80%であることを考えると、「成績が上がっても必ずしも第一志望校に合格できるとは限らない」ということがわかります。
浪人することで成績を上げること自体は十分に可能ですが、「第一志望に合格できる学力レベルまで引き上げるのは難しい」と覚えておくといいでしょう。
浪人生の中には「もう1年勉強するのであれば現役時よりも偏差値の高い大学に行けるだろう」と考える人も多いです。多くの時間を勉強に費やせるので、成績を伸ばしやすいイメージがあるかもしれません。
しかし今回のアンケート結果からもわかるように、適切な志望校設定が重要だとわかります。また、志望校に受かるためには、十分な勉強時間を確保して勉強の方向性を間違えないよう計画的に勉強したいところです。
浪人成功率と合格率は必ずしも一致しない!志望校に落ちても成功と感じる人は多い
ここで「第一志望校に合格できる可能性が低いなら浪人はしないほうが良いのかな?」と感じる人も多いでしょう。確かに「第一志望校に合格できない=浪人失敗」というイメージもあるため、不安に感じるのも無理はありません。
しかし、実際に浪人した方にアンケートを取ると「浪人には成功したと感じる」という回答が、約70%も集まりました。第一志望校合格者(30%)よりもかなり高い数値になっていることが分かります。
つまり、志望校に落ちた人でも「結果的に浪人自体は成功したと感じる」という人が多いということですね。具体的な意見として、以下のようなものが集まりました。
第一志望には受からず、希望学部も大幅に変更しなければならなくなったので、受験には失敗かもしれないが、一年間必死に努力したことが、いい思い出になったし、貴重な経験になったと思う。(東京都・22歳女性・東京農工大学に合格)
浪人して勉強の仕方を改めて学ぶことができ、また結果として実力は伴わなかったものの第一志望の大学を諦めない気持ちを強く持ち続ける忍耐力がよりついた(長野県・29歳女性・中央大学に合格)
自分の長い人生におけるひとつの経由地点として、浪人を経験するという選択は成功したと感じています。努力だけでは越えられない壁があるということ、一人で悶々と過ごしていると精神衛生上とても良くないということは大きな学びでした。(東京都・31歳女性・早稲田大学に合格)
受験時はどうしても「第一志望校に合格することがすべて」と考えがちです。もちろん、自分が一番行きたい大学に合格できるに越したことはありません。
とはいえ、実際は「第一志望校以外でも十分に楽しく生活できた」「必死に頑張って勉強した経験自体が財産になった」と感じることがほとんどです。
第一志望校に合格できないからといってその後の人生が悪くなることはほぼありませんし、ひとつのゴールに向けて努力した経験は間違いなくプラスに働きます。
自分がどうしても行きたい大学があるならば、合格を目指してまずはチャレンジしてみるのもアリです。
浪人して成功する人の3つの特徴
第一志望校に合格できる人は少ないとはいえ、できれば第一志望校に合格できるに越したことはありませんよね。
少しでも浪人の成功率を高めるには、以下の「浪人して結果を出せる人の特徴」をチェックし、自分が該当できるように努力することが重要です。
- 現状把握・原因分析をしている
- 計画的に勉強している
- 浪人してすぐに勉強を始めている
現状把握・原因分析をしている
浪人の成功率を上げるためには、何よりも「浪人の原因をきちんと分析できているか?」ということが重要です。
浪人した原因は、人それぞれ異なります。例えば「基礎が固まっていなかった」「過去問演習が不足していた」などの原因が挙げられるでしょう。
受験で失敗した原因に応じて、必要な対策も異なります。原因をしっかり分析して適切な対策を行い、少しでも成功率を高めましょう。
計画的に勉強している
浪人中はとにかく自由な時間が多いです。そのため、勉強しようと思えば一日中取り組めますし、逆に何も勉強しなくても誰にも叱られません。
学校とは異なり強制的に勉強する環境が用意されないため、浪人生の場合は自分でスケジュールを管理して学習することが必須です。
自分で計画を作成して合格に必要な勉強を把握し、毎日コツコツ勉強できる人は成功しやすいですし、計画も立てず毎日ダラダラ過ごしてしまう人はほぼ失敗します。
浪人してすぐに勉強を始めている
浪人で成功する人は「浪人する」と決めた瞬間から勉強しています。
志望校の合否結果が出揃うのは2月~3月中。年度が変わる直前であるため「4月から切り替えて勉強できれば良いだろう」と思ってしまうかもしれません。
しかし「4月になったら始めよう」と思っていると、ズルズル引きずってしまい、結局勉強の開始が遅くなってしまいます。特に現役で合格した友人が周囲にいると、つい影響を受けて遊んでしまうかもしれません。
年度が変わるまでに2週間〜1ヶ月くらい休んでしまうと、その分だけ勉強が遅れます。「たった2週間」と思うかもしれませんが、この期間で基礎を一気に固められれば、その後の勉強で周囲に差をつけられる可能性は高いです。
また、現役時代にせっかく身に付いていた勉強習慣も、2週間~1ヶ月で失う人も大勢います。
浪人が決定したらダラダラ遊ばず、その瞬間から(どんなに遅くても高3の3月中には)受験勉強を始めましょう。
浪人に失敗する人の8つの特徴
一方で、浪人で失敗する人にも特徴があります。失敗する人の特徴は8つもあるため、自分が当てはまっていないかを必ずチェックしておきましょう。
- 浪人した原因を分析していない
- 勉強時間が足りていない
- 予備校に通って勉強した気になっている
- 仮面浪人・宅浪している
- 模試を活用しない
- 夜型の生活を送ってしまう
- 予備校の友達や、大学生の同級生と遊ぶ
- 本番に弱い
今回この8つの中から3つに絞って詳しく解説します。「8つすべての特徴を知っておきたい!」という人は、以下の記事をご覧ください。
仮面浪人・宅浪している
仮面浪人や宅浪は基本的に成功率が低いため要注意です。
仮面浪人の場合、大学に通いながら勉強するため、授業との兼ね合いもありなかなか時間を確保できません。しかも、サークル活動や友人からの遊びの誘いなどもあるため、つい勉強を疎かにしてしまうこともあるでしょう。
仮面浪人をするのであれば「休学して受験勉強に力を入れる」などの覚悟がないと合格は厳しいです。
また、宅浪の場合は自分の勉強を管理してくれる人がいないため、勉強習慣が崩れやすいです。勉強に関する悩みを相談できないため挫折することが多く、周囲に受験勉強に取り組む仲間もいないためモチベーションを保てません。
浪人するなら、なるべく塾や予備校に通うほうがよいでしょう。
仮面浪人や宅浪の成功率などについては、以下の各記事でも解説しています!
模試を活用しない
浪人生は、模試を受けて「自分の今の実力はどれくらいか?」を把握することが必須です。自分の実力を把握しておくことで、第一志望校合格までに必要な内容を把握して、正しい方向性で勉強できます。
しかし、浪人生の中には「今の実力を知るのが怖い」と思い、模試を活用しないケースも多いです。確かに自分の実力と向き合うのは怖いかもしれませんが、だからといって現実から目を背けても成績は上がりません。
また、模試を活用して良い結果が出たとしても、判定を過信しないようにしましょう。
浪人生が模試を受けると、最初の段階(春〜夏くらいに受けたもの)では、A判定などの良い成績が出やすい傾向にあります。春〜夏の段階では現役生の基礎が固まっていないため、周囲の成績も低く1年分勉強している浪人生が有利になるのです。
しかし、夏以降になると現役生が追い上げてくるため、最初の模試の結果に油断して勉強を怠ると、どんどん成績は下がります。
そのまま模試の結果を見て見ぬふりをしてしまうと、受験本番までに成績が上がらず志望校に合格できないという事態になるでしょう。
自分の現状を把握するために模試の結果はよい参考資料となりますが、結果を過信してはいけません。
本番に弱い
本番に弱い場合、どれだけ正しい方向性で勉強をしたとしても、そもそも日頃の勉強の成果を発揮できないため、浪人しても成功しにくい傾向があります。
「勉強量が足りなかった」「基礎が固まっていなかった」などの理由で浪人したのであれば、原因に応じた対策を立てて勉強すれば合格できます。
しかし「本番で力を発揮できない」という理由で不合格になると、精神的な問題も大きいため、浪人したからといって合格できるとは限りません。
「もう浪人できない」というプレッシャーも重なるため、浪人すべきかは慎重に考えたほうがよいでしょう。
自分は浪人すべき?ケース別に解説
ここまでで、浪人の成功率や成功・失敗する人の特徴について解説してきました。これらを踏まえると、どのようなケースであれば浪人すべきなのでしょうか?
ここからは、浪人すべきケースとそうでないケースを解説していきます。
浪人すべきケースなどについて詳しく知りたい人はこちらもご覧ください。
浪人すべきケース①:現役時に一つも大学に受かっていない
現役時に受けた大学に全落ちしているなら、基本的には浪人してでも大学へ行きましょう。
「大卒」「高卒」という最終学歴は、生涯賃金や就職時の選択肢にも影響してきます。生涯賃金については、以下のように男女ともに大卒のほうが5,000万円ほど高いです。
就職に関しても、募集要項に「大卒」と定めているケースが多いため、高卒であるというだけで社会に出てからの選択肢は狭くなります。
浪人は追加の費用が発生するため、全員ができるわけではありません。しかし将来の選択肢を増やす意味でも、親が了承していたり環境が整っていたりするのであれば、浪人して大学を目指しましょう。
浪人すべきケース②:絶対に行きたい大学がある
「どうしても行きたい大学がある!」というケースであれば、浪人を検討しましょう。
浪人するかを決める際は、「なぜ行きたいのか」「他の大学ではダメなのか」を冷静に検討することが大切です。大学への熱意と浪人によるリスクを天秤にかけて、自分はどうすべきなのかをバランスよく決めましょう。
冷静に考えると「浪人するほどの熱意はなかった」「他の大学でも自分の目標は達成できる」というケースもあるため、一度立ち止まって考えることは重要です。
今回行ったアンケート結果でも、「行きたい大学があるなら浪人するのはアリ」という意見が集まりました。
どうしても行きたい大学があったので浪人をしましたが、現在後悔はありません。自分の中で、しっかりと覚悟が固まっていて行きたい大学が決まっているのであれば、浪人して頑張るのも手だと思います。(東京都・30歳女性・青山学院大学に合格)
入りたい大学があったり、どうしても国公立に行かなくてはならないなど、自分に確固たる意思があるのであれば浪人は価値のあるものになるはずだと思う。(兵庫県・22歳男性・神戸大学に合格)
浪人すべきでないケース①:仮面浪人・宅浪を検討している
先ほど解説したように、仮面浪人や宅浪は基本的に成功しにくいです。仮面浪人は授業との兼ね合いで受験勉強時間の確保が難しいですし、宅浪ではモチベーションを維持できないかもしれません。
もし浪人するにしても「仮面浪人なら休学する」「宅浪ではなく塾や予備校に通って勉強する」ということを検討しましょう。
浪人すべきでないケース②:本番に弱い
本番に弱い人は、「勉強量が足りない」「基礎が固まっていない」などが原因ではなく、試験本番の雰囲気に対応できないことが失敗要因となります。そのため、本番での弱さを解消しなければ、どれだけしっかり勉強しても現役時と同じ結果になるかもしれません。
本番での弱さは精神的な部分の影響も大きいため、浪人するかは慎重に決めましょう。もし「精神面での改善が期待できる」「本番の弱さが必要な勉強をやりきれていない不安からくるもの」であれば対応の余地はあります。
浪人の成功率を上げる5つのポイント
自分の成績や事情を考えたうえで浪人することを決めた後は、なるべく成功率を上げるために以下のポイントを意識して勉強しましょう。
- 勉強習慣を身につける
- 勉強計画を立てる
- 目標を周りに宣言しておく
- 勉強法を確立させる
- 模試を受ける
勉強習慣を身につける
浪人生は現役生よりも多くの時間があります。時間があるからといって「あとで勉強すればいいや」と油断せず、どれだけ学習時間を確保できるかが浪人成功のポイントです。
浪人に限らず、受験においては勉強習慣を身につけて毎日コツコツ勉強できた人だけが成功します。
とくに、浪人生の場合は学校などの強制的に勉強する環境がないので、自分で勉強習慣を身につけるための工夫を行うことが大事です。
どうしても自分1人で勉強習慣を身につけることが難しいなら、塾や予備校に通うなどして強制的に勉強できる環境を整えましょう。
勉強計画を立てる
浪人期間は約1年間しかありません。1年間というのは長いようで短いため、勉強計画を立てずになんとなく過ごしてしまうと、すぐに受験本番を迎えてしまいます。
約1年間の勉強期間を有効活用するには、やるべき勉強内容を定め毎日スムーズに学習を進めることが大切です。毎日勉強する前に「今日は何に取り組もうかな?」と考えると、時間のロスとなりますよね。
事前に勉強計画を立てて「あとは必要な勉強をやるだけ」という状態に落とし込み、コツコツ勉強していきましょう。
勉強計画を立てる際は、具体的な参考書レベルで「毎日何ページくらい・どのように進めるのか?」を決めることが重要です。
目標を周りに宣言しておく
可能であれば、浪人するうえでの目標を親や友人に宣言しておきましょう。
浪人時の目標を周囲に宣言しなければ、「最悪達成できなくてもいい」という気持ちが生まれがちです。しかし、周囲に宣言しておけば「宣言したからにはやらなくちゃ」という気持ちになり、ほどよい緊張感を生み出せます。
勉強法を確立させる
受験においては、勉強計画を作成して毎日やるべき内容を明確にしておくことが重要です。この勉強計画と同じように、勉強法も固まっていないと成績は安定しません。
毎回の勉強法が違うと学習効率が下がるため、事前に効率的な学習法を調べて決めておきましょう。
ただし、周囲のアドバイスや模試の結果などを確認した結果「今の勉強法が合っていない」と判断できる場合は、適切に勉強法を見直すことも大切です。「なんとなく不安だから勉強法を変える」と考えるのではなく、根拠を持って変えましょう。
模試を受ける
自分の今の実力を把握するうえで、模試を受けることは必須です。自分の実力が分からなければ、志望校までの差を把握できず適切な勉強計画も作成できません。
また模試を受けることで、具体的にどれくらい志望校合格が近づいているかを把握できるため、勉強へのモチベーション維持の意味でも浪人生は必ず模試を受けてください。
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浪人の成功率を高めるためには、現役時の失敗原因を分析して、適切に勉強計画を組み直すことが必要です。がむしゃらに勉強しても成績は上がらないため、浪人を考えているのであれば、塾や予備校によるサポートも検討するとよいでしょう。
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