第一志望校合格を掲げている受験生が必ず通る道といって良いものは共通テスト。
- 共通テスト利用入試というものがあるって聞いたけど、それってどんな入試?
- 私立で実施している入試形式っぽいけど、国公立受験生でも関係ある?
こんな風に思ったことはありませんか?
共通テスト利用入試は、たしかに私立で実施している入試形式ですが、国公立受験生もちゃんと理解しておかなければならない入試形式なんです。
まだ私立大志望の受験生は「共通テスト利用入試の落とし穴」にハマらないように、デメリットまで理解して利用する必要があります。
そこで今回は、共通テスト利用入試の特徴と実施している大学、その対策を詳しくお伝えしていきます。
この記事を最後まで読んで、お得な共通テスト利用入試も活用して第一志望校合格を目指しましょう!
共通テスト利用入試とは?
共通テスト利用入試とは、大学入学共通テストの成績のみで合否が決まる受験方法です。主に私立大学がこの制度を導入しています。
一般入試で受験するよりも受験料が安く、出願のハードルが低いという特徴があります。大学受験では出願するだけで何万円もかかってしまうので、できるだけ費用は抑えたいですよね。
また、どうしても行きたいと思う大学があるならば、共通テスト利用入試と一般入試のどちらにも出願できます。
これを聞くと「値段もお得だし共通テストだけの成績で何個も出願できるなら出願しようかな」と思う方が多いと思います。ただし、必ずしも共通テスト利用入試を使う方がお得ではない場合もあるので、理解した上でこのシステムを使うようにしたいですね。
共通テスト利用入試には大きく以下の2パターンがあるため、まずはそれぞれの特徴をきちんと把握しましょう。
- 共通テストの成績のみで合否が決まる単独型
- 共通テストと個別試験(二次試験)の結果両方で判断する併用型
共通テスト利用入試:共通テストの点数のみで合否が決まる「単独型」
1つ目は、共通テストの点数のみで合否が決まる「単独型」についてです。
出願数の制限はなく、1回に何校も出願できます。同じ大学内でも、学部・学科問わず回数制限なく出願可能です。
もし共通テストで高得点を取る事ができたら、個別試験を受けずに合格が決定します。ただし、一般入試と比べると、高い学力が求められる入試形式でもあります。
共通テストだけで合格をもらえる分、国公立受験生が滑り止めとして活用しやすいからですね。
また、大学入学共通テストの実施前に志望大学へ出願するので、「共通テストの点が良かったから出願する」という風に出願するかどうかを決めることはできません。
そのため、自分が「共通テストでどれくらいの成績が取れそうか」十分に考慮したうえで出願数を決めることが重要です。
共通テスト利用入試:共通テストと個別試験の合計点で合否が決まる「併用型」
2つ目は、共通テストと個別試験の合計点で合否が決まる「併用型」についてです。また、共通テストの結果と個別試験の結果を比較して高得点の方を採用するパターンもあります。
どちらにせよ、共通テストの結果だけでは合否は決まりません。「共通テストは得意だけど、私立の過去問はなかなか難しくて…」という人は、共通テストである程度稼いで個別試験の弱点を埋めるようなスタイルで勝負することができます。
こちらも、大学入学共通テストの実施前に志望大学へ出願することになります。同じく出願数の制限はなく、一度に何校でも出願できます。同じ大学内でも、学部・学科問わず回数制限なく出願可能です。
ただし、学部・学科によって個別試験(二次試験)の実施科目や、評価対象となる共通テストの試験科目が異なるので注意しましょう。
例えば、上智大学総合人間科学部心理学科では「共通テストで3科目140点」「個別試験で総合問題80点+面接」です。一方、早稲田大学文学部では「共通テストで1~2科目50点」「個別試験で英語・国語150点」となっています。
このように、試験内容は様々なものがあるため「個別試験の種類は何なのか」や「自分の得意分野を活かせるのか」を十分に考えて出願しましょう。
共通テスト利用入試の注意点
ここまで読んで「共通テスト利用入試に出願すると受験に有利だ!出願してみよう!」と考える方も多いと思います。
確かに大学受験で共通テスト利用入試を活用すればチャンスは増えます。ただしいくつかの注意点はあるため、それらを把握した上でどこの大学にどのくらい出願するのかを検討してみてください。
共通テスト利用入試は合格しづらい
共通テスト利用入試は合格するためのハードルが高いです。この理由には共通テスト利用入試の特徴が大きく関わっています。
共通テスト利用入試の特徴1・募集人数が少ない
共通テスト利用入試には、募集人数が非常に少ないという特徴があります。
例えば、2023年度の早稲田大学政治経済学部政治学科の一般入試の募集人数が100名であるのに対し、共通テスト利用入試の募集人数は15名です。
ただでさえ、出願料が安く気軽に出願できることから出願者が多いのに、募集人数も少ないとなるとかなりの高倍率になることがわかるでしょう。
共通テスト利用入試の特徴2・最低点が高い
さらに、共通テスト利用入試の特徴として「合格最低点が非常に高い」ということが挙げられます。
例えば、MARCHレベルで3科目で9割が必要であり、早稲田レベルになると5教科すべてでこの得点が必要です。
倍率が高いうえに、上述したようにレベルの高い国公立大学を目指す受験生の滑り止めとして使われやすい傾向があるからですね。
最低点は年度によって上下しますが、高水準であることは例年変わりません。
共通テスト利用入試のためだけに勉強することは避ける
「共通テスト利用入試は合格が難しい」ということを聞いて「じゃあ共通テストの勉強を頑張らないと!」と思う方が多いと思います。
しかし、共通テスト利用入試のためだけに共通テストの勉強をしてはいけません。
共通テストと個別試験の両方の対策をするくらいなら、個別試験の対策に絞った方が楽ですし、合格の可能性が高いからですね。
不合格のリスクが高いところに時間をかけすぎてしまうのは、正しい勉強とはいえません。
あくまで共通テスト利用入試は「併願校を確保できればラッキー」くらいのつもりで受験しましょう。
例えば、国公立大学や早慶上智を志望している受験生は「MARCHの合格ができればラッキー」と考えておくと良いです。共通テスト利用入試に出願するのは良いことですが、「本命の早稲田とMARCHを共通テスト利用入試だけで合格しよう」などと考えることは危険です。
MARCHを志望している受験生は「日東駒専辺りに先に合格できればOK」というように活用すると良いでしょう。
共通テスト利用入試を実施する大学例
ここまで共通テスト利用入試の特徴や注意点を見てきました。では、皆さんが行きたい大学は共通テスト利用入試を導入しているのでしょうか?
大学入試センター公式サイト上の「大学入学共通テスト利用大学情報」で、2024年度に共通テスト利用入試を実施する大学一覧が掲載されているため、確認しておきましょう。
今回は、人気の難関私立大学における共通テスト利用入試の募集人数や科目などの一部を紹介します。詳細は必ず各大学の公式サイトで確認しましょう。
なお、合否ボーダーについては「パスナビ | 偏差値・共通テスト得点率」を参照しています。
早稲田大学
学部 | 共通テストで課される科目 | 合否ボーダー |
---|---|---|
政治経済学部 | 5教科6科目/合計800点 | 85〜89% |
法学部 | 5教科6科目: 必須科目5教科5科目+選択1科目/合計800点 | 88% |
社会科学部 | 5教科6科目: 必須科目5教科5科目+選択1科目/合計625点 | 89% |
人間科学部 | 5教科6科目/合計500点 | 79%~86% |
スポーツ科学部 | ①共通テストのみ 4教科4科目: 必須科目3教科3科目+選択1教科1科目/合計500点 ②共通テスト+競技歴方式 3教科3科目: 必須科目2教科2科目+選択1教科1科目/合計400点 | 76%~85% |
詳細は「早稲田大学入学センター」をご確認ください。また、上記は2024年度時点の情報であるため、2025年度以降の入試では変更する可能性があります。
上智大学
学部 | 共通テストで課される科目 | 合否ボーダー |
---|---|---|
神学部 | 外国語+国語+地理歴史あるいは公民/合計500点 | 69%~72% |
文学部 | 外国語+国語+地理歴史あるいは公民/合計500点 | 74%~85% |
文学部 | 外国語+国語+地理歴史あるいは公民あるいは数学/合計500点 | 74%~85% |
総合人間科学部 | 外国語+国語+地理歴史あるいは公民あるいは数学/合計500点 | 71%~86% |
法学部 | 外国語+国語+地理歴史あるいは公民あるいは数学/合計500点 | 79%~86% |
外国語学部 | 外国語+国語+地理歴史あるいは公民あるいは数学/合計500点 | 72%~85% |
総合グローバル学部 | 外国語+国語+地理歴史あるいは公民あるいは数学/合計500点 | 79%~85% |
なお、上記は「共通テスト利用方式(3教科型)」における概要です。詳細は「上智大学入試情報」をご確認ください。また、上記は2024年度時点の情報であるため、2025年度以降の入試では変更する可能性があります。
GMARCH
大学名 | 共通テスト利用入試についての詳細ページ | 合否ボーダー |
---|---|---|
学習院大学 | 学部入試 | 69〜81% |
明治大学 | 2024年度入試ガイドp.166〜 | 75〜86% |
青山学院大学 | 大学入学共通テスト利用入学者選抜(2024年度) | 72〜88% |
立教大学 | 2024年度大学入学共通テスト利用入試 | 71〜89% |
中央大学 | 入試情報 | 70〜85% |
法政大学 | 入学試験ガイドp.6 | 65〜83% |
共通テストで必要な科目数は大学ごとで異なります。例えば「学習院大学理学部生命科学科」では6科目が必要なケースがある一方、「明治大学法律学科」では3科目で受験できるパターンがあります。
こうした科目数に応じて、最低合格ラインのボーダーも変わるため、事前にチェックしましょう。一般的には、受験科目数が少ないほど共通テスト利用の合格最低点は高くなります。そのため、国公立の滑り止めとして使うのであれば、合格最低点が低くなりやすい「科目数の多い形式」を選ぶのがオススメです。
また、共通テスト利用入試の出願は短期間で締め切るため、「気付いたら出願期間を過ぎていた」とならないよう、しっかりスケジュールを管理しましょう。
なお、上記は2024年度時点の情報であるため、2025年度以降の入試では変更する可能性があります。
まとめ
今回の記事では、共通テスト利用入試の特徴や注意をお伝えしてきました。共通テスト利用入試を活用することで、チャレンジできる大学の幅を広げられるためオススメです。
実際に利用する際は、各大学の合格最低点や募集人数などをしっかり確認したうえで、「どの大学のどの学部で活用するか?」「何校に出願するのか?」などを考えましょう。
また、共通テスト利用入試では高得点を獲得することが求められるため、志望校の合格最低点を超えられるように早い段階から勉強を進めることも大切です。
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