*紹介している教材にはプロモーションを含みます
理系学部を志望している高校生にとって、化学は避けては通れない科目です。入試時に重要となる化学ですが「なかなか理解できない」と苦戦している方も多いでしょう。
今回の記事では、書店で化学の問題集を探す際「どれを選べば自分の学習に最適なのか?」と迷っている方に向けて、化学学習に役立つ問題集や教材を5つ紹介します。ここでは、効果的な問題集の選び方や、具体的なおすすめ教材について解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
化学の特徴
大学受験の化学は、計算中心の「理論」、暗記が主体の「無機」、構造決定などが問われる「有機」の3分野で構成されます。
知識の暗記だけでなく、論理的な思考力や計算力も必要になるのが特徴です。化学を攻略するには、基礎からの積み重ねが必須で、各分野は相互に関連しています。
問題演習を繰り返し、解法パターンを習得すれば得点力は向上するでしょう。大学によって難易度や重点分野が異なるため、志望校に合わせた対策も欠かせません。
化学問題集の選定基準

化学に限った話ではありませんが、問題集を選ぶうえで最も大切なのは「自身の学習目標」を明確にすることです。現在の学力レベルや目指す大学の難度などを総合的に判断し、自分のゴール達成につながる問題集を選択しましょう。
以下で詳しく解説しますが、「スタディサプリ」「セミナー化学」「実戦化学重要問題集」をしっかりこなすだけでも、理系学部の個別試験で合格点を取るための実力は十分に養われます。
これらの問題集は、基礎知識の習得から高度な演習問題まで、段階的に学習を進められるためおすすめです。反復練習が化学攻略の鍵となりますが、自分のレベルに適した教材から着手することで、効率的に学力を向上させられるでしょう。

【レベル別】おすすめの化学問題集・参考書5選

ここからは、化学を攻略するためにおすすめの問題集や参考書を5つ紹介します。それぞれの特性やメリット、デメリットも解説するので、最適な一冊を見つけるための参考にしてください。
化学おすすめ教材1:「スタディサプリ」
- 料金:2,178円(月額)
- 所要時間:180時間
- レベル:教科書レベル〜入試基礎レベル
- メリット:プロ講師の授業をいつでも視聴できる。苦手範囲のインプットや予習が可能・映像授業なのでペース管理がしやすい
- デメリット:見る講座を適切に選ばないと時間を浪費してしまう。問題数が少ない
「スタディサプリ」は、月額定額制でプロ講師による質の高い授業を視聴できるオンライン学習サービスです。厳密には参考書とは異なりますが、独学で化学をマスターしようとする際には、最初に検討すべき学習ツールといえるでしょう。
スタディサプリはインプットするための教材です。授業を視聴し、付属の確認テストを2〜3回繰り返したら、必ず他の問題集を用いて演習量を確保してください。スタディサプリだけでは、実践的な力を鍛えるのは難しいでしょう。
化学に苦手意識がある場合は「高1・高2化学」講座から、学校の授業である程度基礎が固まっているなら「高3スタンダードレベル化学」から始めるのが良いでしょう。理論・有機・無機の分野別に構成されており、全体を終えるには相応の時間が必要です。不明な点に固執しすぎず、まずは全範囲をひととおり学習し終えることを目標に進めましょう。
化学おすすめ教材2:「セミナー化学」
- 料金:3,600円
- 所要時間:120時間
- レベル:教科書レベル〜共通テスト・中堅私大レベル
- メリット:基礎を徹底的にマスターできる。定期テスト対策から大学入試対策まで幅広く活用できる。問題数が多い
- デメリット:問題数が多すぎるあまりとっつきづらい。学校教材のため入手しづらい
「セミナー化学」や類似の教材である「リードα化学」などを学校で教材として受け取った方もいるでしょう。
「セミナー化学」は、基本的な概念の解説が丁寧で、扱われている問題は「教科書基礎レベルから中堅大学の入試レベル」までと広範囲に及びます。
加えて、化学学習で重要となる「問題演習量」が圧倒的に多いため、教科書内容の定着はもちろん、共通テスト対策や地方国公立大学、日東駒専レベルの入試に対応できる学力を身につけるのに最適です。
率直に言って、この一冊に収録されている発展問題まで完璧にマスターすれば、多くの大学入試で十分な得点力を発揮できるほど内容が充実しています。
もし学校で配布されておらず、どうしても使用したい場合は、Amazonなどのオンラインマーケットで中古品を探すという方法もあります。気になる方は探してみてください。
化学おすすめ教材3:「実戦化学重要問題集」
- 料金:1,056円
- 所要時間:120時間
- レベル:共通テストレベル〜難関国公立大学レベル
- メリット:問題掲載量が豊富であるため、濃密な問題演習に取り組める。問題のレベル分けがわかりやすい。重要問題に印があってわかりやすい。解説が充実している
- デメリット:基礎の説明が簡潔で初学者には理解が難しい。万人受けする問題集ではない
「実戦化学重要問題集」は、共通テストレベルから東京大学、京都大学などの最難関理系国公立大学レベルまで、多様な難易度の頻出問題を集めた問題集です。収録された問題を繰り返し解くことで、確かな実力が身につきます。
難易度の高い問題も含まれているため、すべての問題を解き終えるには相応の時間が必要です。しかし、実戦化学重要問題集は、問題がA問題(標準レベル)とB問題(発展レベル)に区分されているため、自分の実力に応じて取り組む問題を選択しやすいという利点があります。
東大、京大、早慶の理系学部など最難関を目指す受験生は全問制覇を目指すべきですが、それ以外の目標であれば、まずはA問題を確実に解けるように。しましょう。前述の「セミナー化学」とこの「重要問題集」の二冊を徹底的にやり込めば、大半の大学入試に対応できるはずです。
化学おすすめ教材4:「理系大学受験 化学の新演習」
- 料金:1,870円
- 所要時間:180時間
- レベル:難関国公立大学レベル
- メリット:難問が多く、よりコアな問題を演習できる。問題と解説が別冊子であるため活用しやすい。問題の難度が星の数で示してあるため、わかりやすい
- デメリット:・解説が単調なので、重要なポイントがわかりづらい・解説がやや雑(難関大学を目指すなら理解できるはず)
「化学の新演習」は、化学問題集のなかでも最高レベルの難度を誇る一冊です。問題数は331問とボリュームがあり、難問が多数収録されています。基礎が完全に固まっており、難関国公立大学の理系学部を志望する学生は挑戦する価値があるでしょう。
ただし、基本的には先に紹介した「化学重要問題集」で、ほとんどの大学入試には対応可能です。化学の新演習は難度が非常に高く、問題数も多いため、「化学重要問題集」などを終えて学習時間に余裕がある場合に取り組むようにしてください。
化学おすすめ教材5:「化学[化学基礎・化学] 標準問題精講」
- 料金:1,650円
- 所要時間:120時間
- レベル:難関国公立大学レベル
- メリット:問題量が適量である。問題と解説が別冊子であるため活用しやすい。問題の難度が星の数で示してあるため、わかりやすい。解説が丁寧でわかりやすい
- デメリット:問題量がやや少ない。無機化学は元素ごとの問題ばかりであるため複合問題に対応しにくい
「化学[化学基礎・化学] 標準問題精講」には、難関国公立大学の過去問を中心に、質の高い応用問題が102題厳選されています。
「14族元素」「芳香族化合物」のように、各問題のテーマが明記されているため、特定の分野を集中的に強化したい場合にも活用しやすいです。収録問題自体の難易度は高いものの、解説部分には関連する基礎事項の要約が含まれているため、基本に立ち返りながら高度な演習をできるのが特徴です。
同シリーズの「基礎問題精講」であれば、志望校のレベルに応じて使い分けができます。例えば、受験科目が少ない私立大学の看護学部や、共通テストで6〜7割を目指すレベルであれば、効率的な学習が可能です。
ただし、問題精講シリーズを全て制覇したとしても全体的に演習量が少ないため、他の問題集で演習量を補完してください。

化学の問題集の具体的な使い方とおすすめ勉強法

自分に合った参考書を見つけたら、次は効果的な使い方をマスターしましょう。化学の学習は、基本的に以下の順序で進めるのが王道です。
- TEP.1 教科書内容の理解
- STEP.2 基本問題による演習
- STEP.3 入試レベルの問題に挑戦
以下でそれぞれのステップについて、詳しく解説します。
ステップ1:教科書内容の理解
他の科目と同様に、化学の入試問題も教科書の内容が土台になります。したがって、教科書レベルの知識を確実にインプットしなければ、入試本番で問われる応用問題に対応できません。ただし、教科書を読み込むだけで完全に理解するのは難しい場合もあります。
そこで「スタディサプリ」のような映像授業を活用して、視覚的・聴覚的にインプットを進めるのが効率的です。この段階で「セミナー化学」のように教科書レベルの問題が収録されている参考書を併用すると、理解が一層深まります。
高校の化学の授業は、入試直前まで全範囲が終わらないケースが多いです。理想としては、高校3年生の夏休み前までに全範囲の教科書内容を理解している状態を目指し、計画的に学習を進めましょう。
ステップ2:基本問題による演習
教科書の内容が理解できたら、次は基本的な問題を解いて知識を定着させます。ここでは、ステップ1に引き続き「セミナー化学」を使用するのがおすすめです。
特に化学が苦手な場合は「基礎問題精講」を利用するとよいでしょう。豊富な図解を用いた丁寧な解説により、安心して学習を進められます。
ステップ3:入試レベル問題への挑戦
最後に、入試レベルの問題演習で総仕上げを行います。化学は、問題の出題パターンがある程度限られているため、入試レベルの問題を繰り返し解き、解法を習得しておけば、本番で類似問題が出題された際に対応しやすくなります。
自身の学力レベルを正確に把握したうえで「実戦化学重要問題集」「標準問題精講」「理系大学受験 化学の新演習」のなかから適切なものを選び、演習を重ねましょう。
最低でも同じ問題を3回は解き、知識を確実に定着させてください。
さいごに
化学の学習においては、自分のレベルに合った問題集を選び、繰り返し演習を行うことで、問題のパターンに慣れることが重要です。
学校の授業進度だけに合わせていては、入試本番までに十分な対策ができない可能性もあります。自ら計画を立て、基礎固めから応用演習まで、問題集を活用して着実に実力を養成していきましょう。
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