入試で十分なパフォーマンスを発揮するためには、こうした手続きスケジュールも完璧に把握しておきたいところ。
この記事では「受験に必要な手続き」「Web出願と紙での出願の違い」「出願の具体的な注意点」などを解説していきます。
大学受験に必要な手続きと時期を知っておこう
まず知っておくべきなのが、大学受験に必要な手続きの流れと手続きの時期です。
試験を受けるには、志望校の願書を提出しなければいけません。
出願方法には「Web出願」「紙での出願」の2種類があり、出願時期は私立と国公立それぞれで違うので要チェックです。
まずは、出願後の手続きも含めて、一連の流れや時期について確認しましょう。
①私立
一般入試出願受付:12月中旬〜1月下旬
試験日・合格発表:2~3月
※詳細は必ず各志望校の募集要項などをチェックしましょう。
②国公立
共通 テスト | 出願受付 試験日 追試験 | 2021年 9/27~10/7 2022年 1/15・16 2022年 1/26・30 |
個別試験 | 出願受付 【前期】試験日合格発表入学手続締切 【後期】試験日合格発表入学手続第1次締切 | 2022年 1/24~2/4 2022年 2/25~2022年 3/6~3/102022年 3/15 2022年 3/12以降2022年 3/20~232022年 3/26 |
【前期後期追試験】試験日合格発表入学手続締切 【追加合格者】合格者の決定入学手続第2次締切 | 2022年 3/22~ 2022年 3/26~2022年 3/30 2022年 3/28~ 2022年 3/31 |
※2022年度の場合のスケジュールです。各大学の個別試験の日程は、必ず大学の募集要項などでチェックしてください。
国公立の個別試験の出願受付期間は1/24~2/4の1回のみ。この期間で【前期試験・後期試験】両方の出願をします。
共通テストから1週間ほど経過してからの出願となるので、共通テストの自己採点結果次第で出願する大学を決めましょう。
大学受験のWeb出願手続きで準備する項目
大学受験の手続きをする上では、Web出願方法をしっかり把握しましょう。
近年はWeb出願を選ぶ学生が多いです。私立大学ではほぼWeb出願ができますし、国公立大学もWeb出願がメインになりつつあります。
Web出願は願書を取り寄せる手間が無く、24時間いつでも出願できます。
また、大学によってはWeb出願にすることで割引されることもあり、メリットも多いです。
ここではWeb出願で準備しておくべきものを解説します。
メールアドレス
Web出願の登録項目の中にメールアドレスがあります。
登録したメールアドレス宛に確認メールや登録完了メールなどが届くため用意しておきましょう。
アドレスは、Yahoo!やGoogleなどのフリーメールアドレスでも大丈夫です。
ただし、迷惑メールに入らないよう気をつけてください。確認メールに書かれた重要な連絡を見落とす危険があります。
プリンター
Web上で入力した願書など、必要な書類を印刷する際に必要です。
普段あまり使わない場合、いざ使おうとしたときにインク切れになって困ることもあるので、余裕を持って確認しておきましょう。
調査書
調査書とは、内申点や成績、学校生活態度などを記入した書類のことであり、学校で発行してもらいます。
無料で発行してもらえる場合が多いですが、有料のこともあります。
調査書は封筒に入っており開封厳禁。そのため、コピーして利用することはできません。
一般選抜や共通テストでは、調査書に関する記載がない限り合否に関係しませんが、学校推薦型選抜や総合型選抜などでは大きな評価対象になります。
調査書は「志望校1校につき1枚必要」です。
とくに生徒数の多い学校は発行までに時間がかかるので、併願校が多い場合は早めに準備しておくと安心です。
合否によって受験校が変わることも考えて、多めにもらっておいても良いでしょう。
受験料
受験料は入試を受けるためのお金であり、各試験で以下くらいの金額が必要です。
共通テスト:
3教科以上 1万8,000円
2教科以下 1万2,000円
個別学力試験:
国公立平均 1万7,000円
私立平均 3万5,000円
医大歯大系 4~6万円
出願時には、受験料振込を証明する収納証明書を同封したり、入学志願票に貼ったりして郵送するケースが多いです。
銀行振込・コンビニ・郵便局など、各大学で振込方法の指定が異なるため、締切までの日にちがない場合には、銀行や郵便局の営業時間に十分注意しましょう。
顔写真データ
申込時に顔写真のデータをアップする必要があったり、後日郵送したりすることもあります。
郵送の場合、写真店やスピード写真機で3カ月以内に撮ったものを使用します。
写真サイズや撮影方法(前髪が目にかからないようになど)のルールが各大学で定められているのでチェックしておきましょう。
大学によっては、出願時の写真がそのまま入学後の学生証写真になります。
封筒
指定の必要書類を郵送するために封筒が必要です。
大学によって、サイズなどの指定があるのでチェックしておきましょう。
その他必要な書類
各大学の指定に従って必要な書類を揃えます。
必要書類には次のようなものがあります。
- 大学入試共通テスト成績請求票
- 推薦書
- 志望理由書
- 自己推薦書
- 卒業(見込み)証明書
- 資格証明書
- 奨学生願書
大学によって異なるので、必ずそれぞれの入試要項でチェックしてください。
Web出願の手続き方法
Web出願で注意したい点が「Web上だけでは完結しない点」です。
Web上で済ませられるのは「願書記入」まで。
願書を記入して完了ではなく、印刷して書類を郵送する必要があることを忘れてはいけません。
ここではWeb出願の一連の流れを解説します。
志望校の専用ページにアクセスする
専用ページにアクセスしたら、必要事項を記入する前に、まずは説明や注意事項を読み込みましょう。
大学によってWeb出願の流れが違う場合がありますから、大学ごとによく確認することが大切です。
必要事項を記入する
次に画面の案内に従って以下のような必要事項を記入します。
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- 出身校
- 志望学部学科
- 受験料支払い方法(手数料もチェック)
- 利用受験方式
- 試験日
- 願書
すべての必要事項を記入して送信すれば、「出願登録」は完了します。
ただしこの時点では、すべての出願手続きが完了したわけではありませんので注意してください。
書類を印刷する
多くの場合、出願完了後に登録したメールアドレスに確認メールが届きます。
確認メールに次の手続きが書かれているので、内容に従って書類を印刷します。
受験料を支払う
次に指定日までに受験料を支払います。
支払方法は、コンビニ・各金融機関のATM・ネットバンキングなどが選択可能です。手数料の負担なども確認しておきましょう。
出願書類を郵送する
出願書類を大学に郵送します。
支払い確認票、学校からの調査書、推薦書など、指定された書類を封筒に入れます。封筒は大学の指定に従ってください。
郵送時は、郵便記録を残すため「簡易書留」「速達・簡易書留」のいずれかを指定されることが多いです。
郵送まで行い、すべての出願手続きは完了です。
到着した受験票を確認する
出願手続きが終わり大学に受理されると、受験票が自宅に届きます。
受験票が届いたらすぐに、受験番号や受験会場、受験教科名などに誤りがないかチェックしましょう。
紙での出願方法も知っておこう
Web出願の流れを解説しましたが、ここからは紙での出願について解説します。
多くの大学がWeb出願メインになりつつありますが、まだ紙で受け付けている大学もありますので、紙での出願方法を知っておいて損はありません。
1.願書を入手する
次に示すように、入学願書の入手方法はいくつかあります。
- 大学公式サイトから申し込み
- 書店購入
- 大学で直接もらう
- オープンキャンパスや説明会でもらう
- 高校や予備校で入手
- 資料請求サイト経由でもらう
国公立大学の場合は基本的に無料ですが、私立では300~1,500円ほどかかる場合もあります。
また、オープンキャンパスや説明会でもらう場合は無料でも、Webで請求する場合は送料がかかります。
2.受験料を振り込む
Web出願と同様、銀行や郵便局、コンビニで振り込みます。
郵便局支払いの場合、ATMは使えませんので、窓口の営業時間に注意しましょう。
振り込んだことを証明する収納証明書も忘れずにもらいます。
3.願書を記入する
願書の記入内容は大学によって違いますので、記入前に必ず大学の募集要項を確認してください。
よくある注意事項は以下の点です。
- 黒ボールペンで書く:フリクションペンのように消えるペンはNG
- 写真は3ヶ月以内に撮影したものを使う
- 万が一はがれた時のため、写真の裏面に高校名とフルネームを書くサイズが合わなければ枠を切って調節する
- 住所や高校名はすべて正式名称で書く
- 文字訂正ルールは大学ごとに従う
書き間違えてしまった場合の修正ルールは、「修正不可」「二重線に押印」「修正テープ」など大学ごとに異なります。記入前に必ず確認しておきましょう。
間違いや修正が心配ならば、下書きをしてから記入すると良いです。
4.出願書類を郵送する
用意した出願書類を、大学が指定した方法で郵送します。
Web出願同様、配達記録が残る「簡易書留」か「速達・簡易書留」で送ります。
このとき、「Web出願」「紙での出願」で締切日を分けていることもありますので注意してください。
5.到着した受験票を確認する
願書が受理されると自宅に受験票が届くので、受験票の内容に誤りがないか確認します。
合格後の手続きも忘れずに
無事に合格をしたら、次のステップが「入学手続き」です。
大学指定の口座に、入学金と初年度授業料の半分を支払うことがほとんどです。この入金金支払いを忘れて「合格したのに入学できなかった」ケースもあります。
入金をするのは保護者の場合がほとんどですが、親御さんが完璧に覚えているとも限りません。親子で書類を確認し、締切を共有しましょう。
大学受験の手続き上の注意点
ここまで、出願時期やWeb出願・紙での出願の流れを確認しました。
ここからは大学受験における手続きで注意すべきことについて解説します。
「必着」「当日消印有効」を間違えない
書類を郵送する場合に注意すべきなのが「締切日」です。
「必着」「当日消印有効」は、それぞれ意味が異なります。
必着:
指定期日までに大学に書類が届く必要があるため、締切日より前に余裕を持って発送しなければいけません。
当日消印有効:
「消印」とは、郵便局が「この日に郵便物を受け取りましたよ」という証明のこと。締切日の営業時間中に、郵便局の窓口から発送すればOKです。
いずれにしても、締切日ギリギリになってしまわないよう、余裕を持って郵送しましょう。
調査書は開封しない
調査書は自分の学校での評価が書かれているので、中身が気になるかもしれません。
しかし開封は厳禁です。もし開封したら調査書は無効となるので、再発行してもらいましょう。
インターネット出願でも郵送対応は必要
Web出願では必要事項をデータとして送りますが、その後必要書類を印刷したり、自分で用意した書類を郵送したりする必要がありました。
「インターネットで手続き」というとその場で完結するイメージがありますが、その場で出願が完了するわけではありません。
「Web出願だからギリギリでも大丈夫」と思っていると、書類をそろえたり郵送に手間取ったりして間に合わない可能性もあるので注意しましょう。
封筒の宛名を修正しておく
願書提出時には、大学が用意した封筒や宛名シールを使用する場合もあります。
その場合「○○大学行」と書かれていますが、このまま提出してはNG。
失礼にあたりますので「行」の文字を二重線で消して「御中」に変えます。
また、自分の名前が「○○様」と書かれていたら、「様」を二重線で消してから送ります。
(手書きの場合)願書等は必ず自分で記入する
追い込みで忙しいですが、自分の大学受験ですから保護者ではなく必ず自分で記入しましょう。
とくに学校推薦型選抜や総合型選抜の場合、大学担当者の心証を左右することもあり合否に影響する可能性もあります。
書類はコピーをとっておくと安心
大学に提出する書類はコピーをとっておくと安心です。
願書はもちろん、受験料等を払った証明も取っておくと、トラブルのときに対応しやすくなります。
とくに学校推薦型選抜や総合型選抜の場合、提出書類に基づいて面接が行われますので、コピーした控えを使って対策ができます。
また、大学側から書類の内容について問い合わせがあった場合などにも便利ですよ。
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