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国公立大学入試は6教科8科目の広範囲の勉強が求められ、受験生にとって大きな壁となっています。特に国公立大は文系だとしても、理系科目に対応しなければなりません。
しかし、入試制度は近年、大きく変化しています。戦略的に大学を選んでいくと、苦手な数学や理科を回避できたり、私立文系と同じ3教科で受験できたりする「入りやすい国公立大学」が見つかります。
本記事では、2026年最新の入試データに基づき、文系受験生が狙うべき「入りやすい国公立大学」を地域別・学部別に解説します。
共通テストのボーダー得点率や倍率の一覧表はもちろん、少数科目(3教科)受験のメリット・デメリット、夜間主コースの活用法、合格を確実にするための年間スケジュールをまとめました。
文系で「入りやすい」国公立大学の選び方・3つの基準

受験生が文系の国公立大学を選ぶ際、どのような基準で選べばよいでしょうか。「入りやすい」を視点にすると、偏差値だけを見るのではなく、以下の3つを判断基準にすることが重要になってきます。
①共通テストのボーダー得点率が低い(求められる得点率60〜68%前後が目安)
国公立大学の合格を大きく左右するのが、大学入学共通テストのボーダー得点率です。ボーダー得点率とは、河合塾や代ゼミなどの大手予備校が算出している「その点数を取れば合格可能性が50%になるライン」を指します。
難関国公立大学の文系学部では、共通テストで80%以上の得点率が求められるのが一般的です。しかし、地方の国公立大学や新設された公立大学では、ボーダー得点率が60%前後に設定されている大学もあります。
文系の学部を志望する受験生の場合、英語や国語で確実に高得点を取り、苦手な数学や理科を最低限の失点に抑えることができれば、十分にボーダー得点率をクリアできます。
偏差値だけでなく共通テストのボーダー得点率にも注目して、入りやすい大学・学部を探してみましょう。
②倍率が低い
志願者数を募集定員で割った実質倍率が低い大学も、一般的には入りやすい大学の候補になります。特に、2次試験(個別学力検査)の前期日程で倍率が1.5倍〜2.5倍程度で推移している大学は狙い目です。
ただし、ここで注意しなければならないのは、倍率の低さだけで志望校を決定してはいけないという点です。たとえば、倍率が1.5倍と低くても、その大学を志望する受験生層のレベルが高く、ボーダー得点率や偏差値が高ければ、実際の合格難易度は高くなります。
倍率は、あくまで試験の競争具合を測る指標の一つです。前述したボーダー得点率や偏差値と必ずセットで確認し、「自分が合格圏内に入れるか」を総合的に判断する姿勢が必要です。
③少科目で受験ができる(3教科・2次1〜2科目以内)
共通テストや2次試験を少科目で受験できる大学も、合格のチャンスが広がります。
国公立でありながら共通テストを「英語・国語・社会」などの3教科で受験できたり、2次試験で課せられる科目が1〜2科目、あるいは「小論文のみ」「面接のみ」であったりする大学が存在します。数学がどうしても苦手な人や、社会を2科目勉強するのが難しい受験生にとっては大きなメリットと言えるでしょう。
しかし、この少科目受験には注意点もあります。科目数が少ないということは、1科目あたりの配点比率が高くなるということです。たとえば、2次試験が2科目だけの場合、どちらか1科目で大きなミスをしてしまうと、それだけで合格点に届かなくなります。
「苦手科目を避ける」という目的で少科目の受験を選ぶのではなく、「得意科目で確実に高得点を得る」という視点で大学・学部を選びましょう。
国公立大学の入試制度や仕組みについては、以下の記事でも解説しています。
地域別|文系で入りやすい国公立大学一覧(2026年版)
ここからは、比較的入りやすい国公立大学を地域別に紹介します。共通テストを少科目で受験できる大学や、2次試験の負担が少ない大学を優先的にピックアップしています。

北海道・東北
北海道・東北エリアでは、比較的新しい公立大学や、伝統的な国立大学の文系学部が狙い目です。共通テストの負担を軽減できる入試方式を導入している大学が多く、首都圏からの受験生も多く集まる傾向があります。
| 大学・学部 | 共通テスト得点率 | 倍率 | 2次科目数 | 特徴・備考 |
|---|---|---|---|---|
| 釧路公立大学 経済学部 | 43%~56% | 前期:18.8中期:6.2 | 前期:なし中期:2 | 共通テスト3教科選択可能、2次中期は英語必須 |
| 北海道教育大学 | 37%~66% | 前期:2.0後期:6.3 | 各学科で異なる | |
| 青森公立大学 経営経済部 | 49%~65% | 前期:2.5後期:7.3 | 前期:2後期:0 | 2次前期は英語必須 |
関東・甲信越
関東・甲信越エリアは受験生が集中しやすいため全体的に難易度が高めですが、独自の中期日程を設けている公立大学や、配点比率を工夫している大学を活用することで、合格の可能性を広げることができます。
| 大学・学部 | 共通テスト得点率 | 倍率 | 2次科目数 | 特徴・備考 |
|---|---|---|---|---|
| 茨城大学人文社会科学部 | 63%~74% | 前期:2.7後期:4.2 | 前期:1後期:1もしくは小論文 | 英語が必須 |
| 埼玉大学経済学部 | 68%~81% | 前期:5.1後期:11.6 | 前期:1~2後期:小論文 | |
| 高崎経済大学地域政策学部 | 60%~68% | 前期:2.9中期:5.9 | 前期:1+小論文中期:小論文 | 3教科型もある |
| 新潟県立大学国際経済学部 | 60%~66% | A:8.4B:13.0C:14.4 | 日程による | 3日程があり、B日程は3教科型、C日程は2教科型 |
中部・東海
中部・東海エリアでは、地域社会への貢献や国際感覚の育成に特化した公立大学、地方国立大学の経済系学部が比較的入りやすい傾向があります。
| 大学・学部 | 共通テスト得点率 | 前期倍率 | 2次科目数 | 特徴・備考 |
|---|---|---|---|---|
| 愛知教育大 | 52%~79% | 前期:2.7後期:15.0 | 専攻による | 小論文を課す専攻が多い |
| 福知山公立大学地域経営 | 58%~72% | 前期:1.1後期:1.1 | 小論文 | |
| 滋賀大学経済学部 | 69%~80% | 前期:2.7後期:3.0 | 2 | ・共通テストは3教科型と選択型・国語型・数学型を選択できる |
関西・近畿
関西圏は私立大学の層が厚い地域ですが、国公立大学を第一志望とする場合、大阪や京都の中心部から少し離れた立地の公立大学や、和歌山などの周辺国立大学に目を向けると、合格の可能性が高まります。
| 大学・学部 | 共通テスト得点率 | 倍率 | 2次科目数 | 特徴・備考 |
|---|---|---|---|---|
| 和歌山大教育学部(文科系) | 55%~67% | 前期:1.5後期:2.6 | 2(英・国) | 面接が必須 |
| 奈良県立大学地域創造 | 68%~71% | 前期:2.4中期:2.7 | 小論文 | 共通テストは3教科型 |
| 兵庫県立大学社会情報科学 | 66%~73% | 前期:1.9中期:6.3 | 2 |
中国・四国
中国・四国エリアは、首都圏や関西圏に比べて倍率が落ち着いているため、国公立志望者にとって実は穴場エリアです。
| 大学・学部 | 共通テスト得点率 | 倍率 | 2次科目数 | 特徴・備考 |
|---|---|---|---|---|
| 島根大学法文学部 | 61%~73% | 前期:2.6後期:2.8 | 前期:2後期:小論文 | 英語・国語が必須 |
| 鳥取大学地域学部 | 55%~73% | 前期:1.6後期:3.3 | 学科による | 倍率が低め |
| 広島市立大学国際学部 | 72%~78% | 前期:2.5後期:4.5 | 前期:総合問題後期:小論文 | 共通テストは3教科型 |
九州・沖縄
九州・沖縄エリアは南国ならではの独特のカリキュラムや、地域経済に特化した学びができる大学が多く、生活環境の良さからも根強い人気があります。
| 大学・学部 | 共通テスト得点率 | 倍率 | 2次科目数 | 特徴・備考 |
|---|---|---|---|---|
| 宮崎大学教育学部 | 46%~57% | 4.2 | 学科による | 面接が必須 |
| 琉球大学人文社会学部 | 54%~66% | 前期:3.1後期:10.8 | 学科による | |
| 長崎県立大地域創造学部 | 45%~54% | 前期:2.9後期:5.4 | 1 |
国公立大学を目指す上で、そもそも共通テストの仕組みについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
学部別|文系で入りやすいのはどの学部?

国公立大学の文系学部は、どの学部を選ぶかによっても入りやすさが変わります。ここからは、文系で特に狙い目となる4つの学部について、その理由と特徴を解説します。
教育学部(安定して競争率が低め)
教育学部、特に小中学校の教員を養成する教員養成課程は、全国の地方国立大学に必ず設置されており、募集定員が比較的多い割に倍率が低い傾向にあります。近年の教員需要の高さに対して受験生数が落ち着いているため、国公立大学のネームバリューを手に入れたい受験生にとっては穴場の学部です。
入試の特徴として、共通テストの配点比率が高く、2次試験は面接や小論文、実技のみという大学が多い点が挙げられます。学科によっては2次試験で高度な記述問題を避けることができます。
社会・地域系学部(新設・整備中で穴場あり)
「地域創生学部」「環境社会学部」「地域マネジメント学部」といった社会・地域系の学部は、近年の地方公立大学のトレンドとして数多く新設・改組されています。これらの学部は、従来の法学部や文学部のような古くからの看板学部と比べて歴史が浅いため、受験生の間でまだブランドが定着しておらず、倍率や偏差値が低めに抑えられる傾向があります。
試験内容も現代的な課題を扱っている大学が多いです。共通テストの科目数を減らして3〜4科目で受験したり、2次試験を小論文1本にしたりと、多様で柔軟な入試制度を導入している大学が目立ちます。
経済・商学部(地方国公立で倍率が低い傾向)
経済学部や商学部、経営学部は、地方の国公立大学に目を向けると意外と倍率が低く、入りやすい大学もあります。都市部の私立大学(MARCHや関関同立など)の経済学部が高倍率になるのとは対照的に、地方国公立の経済学部は1.5倍〜2.2倍程度で収まることが珍しくありません。
さらに、文系受験生への配慮として、共通テストや2次試験で数学を必須とせず、英語と国語、あるいは社会のみで受験できる文系特化型の枠を設けている大学が増えています。
伝統的な学問分野でありながら、受験生の負担を大幅に減らして国公立大学に入れるのが大きな魅力です。
夜間主コース・二部(競争率が大幅に下がる)
国公立大学の文系学部において裏ワザとも言えるのが、夜間主コース(二部)の活用です。これは、主に夕方から夜間にかけて授業を行うコースですが、卒業時に授与される学位は昼間コースと全く同じ大学卒業(学士)であり、履歴書の上でも一切区別されません。
多くの大学では、夜間主コースの学生も昼間の授業を一定数受講できる制度を設けています。学費が昼間コースより安めに設定されている大学もあり、経済的なメリットも含めて「どうしても国公立大学に行きたい」という人には良い選択肢になります。
文系で入りやすい国公立に合格するための受験戦略

入りやすい国公立大学を選び出すことができたら、次は確実に合格するための受験戦略を組み立てる必要があります。文系の国公立大学ならではの特性を活かした3つの戦略を紹介します。
共通テスト重視型(2次配点が低い大学)を狙う
国公立大学の多くは、総配点における共通テストの比率を高く設定しています。たとえば、全体の配点が1000点満点のうち、共通テストが800点、2次試験が200点といったような配点比率です。
このタイプの大学を狙うメリットは、1月の共通テスト本番で目標のボーダーラインを超えてしまえば、2次試験でよほどの失敗をしない限り、ほぼ確実に合格できるという点です。
文系の2次試験に多い難解な記述式問題や英語長文、高度な現代文論述の対策に多くの時間を割く必要がなくなるため、教科書レベルの基礎を完璧にするだけで合格圏内に滑り込めます。
中期・後期試験を活用する
国公立大学の入試は、2月下旬の前期日程だけでなく、3月上旬の中期日程(一部の公立大学のみ)、3月中旬の後期日程と、最大で3回の受験チャンスがあります。入りやすい大学を目指すなら、中期・後期日程も活用しましょう。
ただし、中期・後期日程は募集定員が少ないため、表面上の倍率が10倍〜20倍以上に跳ね上がるデメリットがあります。しかし、この倍率はあくまで出願者数を元に計算されたものであり、実際には前期日程で合格した志望者が大量に入試を欠席するため、当日の実質倍率は2倍〜4倍程度まで下がります。
共通テストの科目数が少なく、かつ自分の得意科目が活かせる中期・後期日程の大学を出願校に組み込む受験戦略も重要な視点です。
得意科目で受験できる大学を探す
文系受験生の多くは、「英語は得意だけれど数学は苦手」「世界史の暗記は得意だけれど理科がどうしても覚えられない」といった、科目の得意・不得意がはっきりと分かれている傾向があります。
国公立大学の穴場校を狙う際は、自分の得意科目を最大限に評価してくれる配点比率の大学を探してみましょう。また、2次試験の筆記試験を一切行わず、小論文のみや面接のみで合否を判定する国公立大学も存在しています。
自分の得意科目を生かせる大学、文章力やコミュニケーション力を生かせる大学をリサーチしてみましょう。
大学受験の仕組み全体を理解し、推薦入試などの選択肢も検討したい人は、こちらの記事が役立ちます。
合格するための年間勉強スケジュール(文系版)

文系で国公立大学を目指す場合、共通テスト対策と2次試験対策を完全に切り離して考えてはいけません。どちらの試験も基礎の積み上げがポイントです。ここでは、高校2年生の終わりから入試本番までの勉強スケジュールを紹介します。
高2〜高3春(〜5月):全科目の基礎を固める・未習範囲をなくす
この時期の優先事項は基礎固めです。文系受験に超重要な英語の場合、語彙と文法の基礎を作っていきます。英単語帳1冊を8割以上暗記し、英文法の基本ルールを自分の言葉で完璧に説明できるようにしてください。英語の基礎が遅れると、夏以降のすべてのスケジュールが厳しくなります。
同時に、現代文の読み方の基礎(文章の論理構造の把握、接続詞の意識など)にも着手します。また、日本史や世界史、地理などの社会科目は、学校の授業ペースに合わせて必ず通史(全体の歴史の流れ)を進め、定期テストごとにその範囲の基本用語を完全に暗記して未習範囲を作らないように進めていきましょう。
高3夏(6〜8月):演習中心に切り替える・問題集を夏でほぼ終わらせる
夏休みは、インプットからアウトプットへの移行期です。英語長文や現代文の標準的な問題集を「この夏でほぼ終わらせる」という強い姿勢で大量の問題演習に取り組んでください。英語の長文、現代文を毎日1題は必ず読み解くのが理想です。
古文の助動詞や漢文の句法といった古文・漢文の基礎知識も、この夏の間に100%完成させ、秋以降の負担を減らしたいところです。
社会科目の暗記は、この夏休みに一気にスパートをかけます。一通り通史を終えた上で、共通テスト形式のセンター過去問やマーク式問題集を解き始め、自分がどの時代や分野が苦手かを把握しましょう。
高3秋(9〜11月中旬):実戦形式へ移行(共通テスト形式+個別試験の過去問)
9月からは、いよいよ本番を意識した実戦形式の勉強に入ります。共通テスト形式のマーク模試や予想問題集の演習と、志望校の個別試験(2次試験)の過去問(赤本)の演習を、バランスよく並行して取り組んでいきます。
2次試験が小論文や面接のみの大学を狙う受験生は、この秋のタイミングから本格的に小論文対策に向き合い始めましょう。ニュースや時事問題に関する知識を蓄え、実際に文章を書いて学校の先生や塾・予備校の講師に添削してもらう習慣を作ります。
また、模試の結果に一喜一憂するのではなく、今の自分に足りない知識や苦手分野、時間配分のコツを知るための診断材料として模試を活用し、入試本番で最大の力を発揮できるようにしましょう。
11月中旬〜共通テスト本番(1月):共通テストに全集中
共通テストまで残り2ヵ月を切った11月中旬以降は、2次試験や私立対策の個別試験対策を一度ストップし、共通テスト対策に勉強時間を投入します。
共通テスト特有の時間感覚と独特の出題形式に脳を完全に適応させるためです。過去問や各予備校が出している予想問題集を解き、「各大問に何分の時間をかけるか」を体に染み込ませていきましょう。
社会科目は、教科書の隅にあるような細かい知識の補強、文化史や現代史の最終確認といった仕上げの勉強がポイントです。
共通テスト後〜2次本番:個別試験(小論文・面接)に全振り
1月中旬の共通テストが終了したら、即座に自己採点を行い、各予備校の共通テストリサーチ(判定システム)を活用して最終的な出願先を確定させます。出願が完了した瞬間から、2次試験(個別試験)対策に全エネルギーを注ぎ込みましょう。
2次試験が小論文中心の大学であれば、「テーマに対する論理的な考え方」「説得力のある構成案の作り方」「正しい原稿用紙の文章表現」の3点を、毎日1〜2本書いては添削を受けることを繰り返します。
面接がある大学の場合は、志望理由書を見直し、「なぜその大学でなければならないのか」「将来何をしたいのか」を明確に言語化し、さまざまな大人の前で模擬面接を何度も繰り返して緊張感に慣れておきましょう。
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「文系だから国公立大学は無理」「数学があるから私立大学専願にするしかない」という固定観念は、今の入試制度においては完全に過去のものです。
今回ご紹介したように、共通テストを3教科で受験できる大学、2次試験が小論文や面接のみの大学、倍率が1倍台で推移する地方の大学、そして偏差値が大幅に下がる夜間主コースなど、文系受験生が国公立大学の切符を手にするルートは意外と多いです。
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