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英語は大学受験で最も重要な科目ですが、「英語が一番苦手」という人が多いのも事実。
この記事ではそんな英語の大学受験における勉強法について、余す所なくすべてお伝えします。この記事を読めば、大学受験の英語学習が得意になり、志望校合格に大きく近づくはずです。
英語の勉強法・参考書は動画でも解説しています!
- なぜ大学受験で英語の勉強が大事なのか?
- 大学受験英語はこの順番で勉強しろ!
- 大学受験英語の分野別勉強法と参考書
- 大学受験で活用したい「4技能」英検などの勉強法
- 英語の定期テストは大学受験にも活用できる?
なぜ大学受験で英語の勉強が大事なのか?
大学受験を目指すにあたって、英語は最も重要な科目です。
文系であれ理系であれ、どんな大学を目指すのであれ、英語の勉強は最優先で取り組む必要があります。
その理由は3つ。
- 英語が受験科目にない大学はほとんどない
- 英語の配点が最も大きい大学が多い
- 英語の学習・習得には時間がかかる
それぞれ簡潔に確認していきましょう。
英語が受験科目にない大学はほとんどない
大前提として、ほとんどの大学で英語が受験科目に含まれます。
英語なしで受験できる大学はごく一部で、どれだけ受験科目が少ない大学、偏差値の低い大学でも「英語1科目だけ」「英語+現代文」のような科目の組み合わせになっていることがほとんどです。
英語の配点が最も大きい大学が多い
2つ目に、英語の配点が他の科目より高い場合が多いということがあります。
文系の場合は当然ですが、理系の場合でも数学などの理系科目と同じ配点になっていることが多いので、「理系だから英語は後回しで」というわけにもいきません。
例:早稲田大学商学部 |
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英語:80点 |
国語:60点 |
社会:60点 |
例:早稲田大学基幹理工学部 |
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英語:120点 |
数学:120点 |
理科:120点 |
とくに私立大学の文系学部では、英語以外の科目が得点調整の対象になることも多く、英語の点数で最も差がつきやすい傾向にあるため、なおさら英語の重要度は高くなります。
英語の学習・習得には時間がかかる
STRUXで算出している「大学合格のために必要な勉強時間」では、英語の高校基礎(教科書レベル)から共通テスト8割レベルまで英語力をつけるのに800時間程度が必要としています。難関私大や国公立まで目指すのであれば、さらに200〜400時間以上が必要となり、約1000時間以上の勉強に取り組むことになります。
英語は社会などの科目と比べても点数が伸びにくい科目ということも考慮しておく必要があるでしょう。
こういった理由から、英語の勉強は最優先で取り組んでおくべきです。
大学受験英語はこの順番で勉強しろ!
みなさんは、こんな勉強をしていないでしょうか。
- とにかく英検などの読解やリスニングの勉強ばかりしている
- 英語の品詞や構文を理解していない
- 英単語の勉強を毎日していない
英語の勉強にはやるべき順番があります。順番通りに勉強できていないと、点数が伸びにくかったり、安定しなかったりというデメリットがあります。
英語の学習順
英語の受験勉強は必ずこの順番で取り組みましょう。
「単語・文法」→「英文解釈」→「長文読解」→「英作文・リスニング」
英語の大学受験の問題ではほとんどの出題が「長文読解」という形式ですが、最初からこの長文読解の勉強をしても、書かれている単語がわからなかったり、文章の意味が正確につかめなかったりと、うまくいきません。「なんとなくで推測しながら読む」という悪い癖がついて逆効果、ということさえあります。
長文読解以外にも当然、単語・文法が分からなければ英作文も書けませんし、英文を前から読解できるようにならなければリスニング問題も解けないでしょう。
このように、入試で出題される長文や英作文、リスニングを乗り越えるために、基礎である単語や文法などの学習が必須なのです。
はじめに取り組む「英単語」「英文法」は、なるべく早い時期に固めてしまいたい英語の基本中の基本で、これが理解できていなければそれ以降の勉強にも取り組めません。とくに英文法は軽視されがちですが、英語のルールに当たる部分ですから、複雑で長い大学入試の文章を正確に読むうえでは必須の知識です。
そして、この英単語・英文法を長文読解以降の勉強につなげるうえで大事なのが「英文解釈」。文章の構造を正確に理解して、ルール通りに文の意味を把握するために必要な知識です。英文解釈までできてようやく実際の入試で出題される「長文読解」の学習に入ることになります。
志望校によって勉強すべき範囲は異なる
「単語・文法」→「英文解釈」→「長文読解」→「英作文・リスニング」という勉強の順番は、どの大学を受験する場合でも共通です。しかし、実際にどのレベル・どの内容まで勉強するかは志望校によって大きく異なることに注意が必要です。
英語は他の科目と比べても、大学や学部ごとに出題傾向が大きく異なる科目です。
たとえば早稲田大学の商学部では英作文・和訳などの問題はそこまで多くないですが、5つの長文をスピーディに、正確に読み解く必要があります。
一方で東京大学であれば英作文、和訳、リスニング、文法問題、要約問題などすべてがバランスよくまんべんなく出題されます。大学によっては共通テストさえ解ければ大丈夫、ということもあります。
出題されない範囲の対策に時間を無駄にかけないように、最初に傾向をつかんでおくことがポイントです。
志望校がまだ決められない、という場合はまず「長文読解」までの勉強をどんどん進めておくのがおすすめです。最初に述べた通り、どの大学を受ける場合でも必須になる能力です。
大学受験英語の分野別勉強法と参考書
それでは具体的に、英語の各分野の勉強法について確認しましょう。
英単語・英熟語
英単語の勉強は何よりも最優先で取り組むべき内容です。英単語がわからないことには他の英語の勉強でもつまずいてしまうので、どんどん進めましょう。 英熟語は英単語と比べれば優先度は低めです。まずは単語帳にあわせて掲載されているものや、文法の問題集の「語法・イディオム」などのページを使って覚えるだけでも十分です。
英単語や英熟語の基本的な勉強法は次のとおりです。
- 1. スペル・発音・品詞を確認して、赤字の意味を覚える
- 2. 赤シートを使って意味がわかるかテストする
- 3. 1秒で意味がでてこなかったら×をつける
- 4. ×をつけた単語のみ2と3を繰り返す
- 5. 1ページ覚えたら次に進む
1日30分、100単語ずつほどのペースでどんどん進めていくのがおすすめです。英単語の暗記で重要なのは短い時間で、何度も繰り返しテストをすることなので、なるべく短時間でどんどんテストをして「思い出す」作業の回数を増やしましょう。
- 基礎固め:『ターゲット1200』
- 入試レベル:『ターゲット1900』『システム英単語』
- 難関大用:『Stock4500』『鉄壁』
使う単語帳は使いやすいものであれば何でもいいですが、必ず今の自分のレベルに合ったものを使うようにしてください。いきなり難しい単語帳に取り組んでも、簡単な単語が掲載されていません。入試で頻出なのは当然基本的な単語なので、「難しい単語を覚えたのに、知らない単語がたくさんある」という状態になってしまいます。
詳しい勉強法はこちらの記事でも説明しています。
英文法
英文法は大きくインプットとアウトプットに分かれます。いくら文法の問題集を解いても、正確に文法事項が理解できていないと先の長文などの勉強で使えないので、まずは知識を理解するところから始めましょう。
- 文法項目を理解する
- 知識を定着させるために演習する
- 入試レベルの問題で実践演習する
活用したい参考書はこちらです。
- インプット:『スタディサプリ』
- 定着:『Vintage』『NextStage』など
- 難関大用:『全解説英文法語法問題1000』『英文法ファイナル問題集』
インプットには映像授業の活用がおすすめです。わからない部分でもとりあえず視聴して、あとから見返したり文法書を読んだりして定着させます。基本的には『スタディサプリ』の「ベーシックレベル」、もしくは「高3スタンダードレベル」をおすすめしています。
入試レベルの問題集にどのくらい取り組むかは、受験する大学の過去問での文法問題の比率から逆算して決めるようにしましょう。多くの場合、国公立大学では『Vintage』レベルまでできていれば問題なく、私立大学ではより実践的なものに取り組みたいところです。
英単語と英文法のいずれも、基礎固めまでは高2の間に終わらせておきたいところです。
英文解釈
英文解釈は、習得した英文法を長文読解に活かすうえで重要な学習です。SVOCや品詞、修飾語の分別といった英語の構文を正確に理解することで、長く複雑な文でも正しく読み取ることができるようになります。とくに文章の難易度が上がれば上がるほど「単語の意味はわかるけど、何を言っているのかわからない」となりがちなので、英文解釈で正しく文構造を取れるようになることが重要です。
- 1. 英文の構造を取り、和訳する
- 2. 解説を隅から隅まで読む
- 3. 覚えていなかった文法用語や単語を調べて覚え直す
英文解釈=和訳、と勘違いしがちですが、基礎レベルの英文解釈問題集は和訳以上に正確に構文を取れているかを重視してください。参考書も、和訳まで必要な大学かどうかで使い分けることをおすすめします。
- 基礎:『はじめの英文読解ドリル』『肘井学の読解のための英文法必修編』
- 和訳なし:『ポラリス英文解釈』シリーズ
- 和訳あり:『英文解釈の技術』シリーズ、『ポレポレ』など
英文解釈、構文把握のための勉強法はこちらで詳しく解説しています。
長文読解
英文解釈まである程度練習を重ねたら、高2の後半から高3の1学期には長文読解の勉強をスタートさせましょう。
入試の長文問題で最もネックになるのは限られた時間内で正確に文章を読むことです。近年の大学入試の長文は量が増えており、読むスピードがより重視されています。たとえば共通テストでは、全体でおよそ5000語から6000語、1分あたり140語以上の単語を読まなければ間に合いません。時間がないからと飛ばしながら読むと理解不足で解答できない事があるため、「なるべく速く、すべての文章を読む」ことがゴールです。
実際に文章を読み、解説まで熟読することで「解答の根拠の拾い方」を習得し、さらに音読まで行うことで「時間内に読むための速度」を身につけます。
- 1. 時間を計りながら解く
- 2. 時間をオーバーして解けるところが増えるなら、ペンの色を変えて解く
- 3. あっていた問題も含めて解説をすべて読み、文法や単語を覚え直す
- 4. 音源に合わせて3回以上音読する
問題集はレベルに合ったものを活用できれば問題ありませんが、
- 音読用の音源やスクリプトがついている
- 解説が詳しく、解答の根拠や構文まで記載されている
の2点を満たすものがおすすめです。
- 長文読解の方法から解説:『TheRules』シリーズ
- 解説が丁寧:『ポラリス英語長文』シリーズ、『イチから鍛える英語長文』シリーズ
- 文章数が豊富:『やっておきたい英語長文』シリーズ
詳しい勉強法はこちらも参考にしてください。
英作文
英作文が必要になるのはほとんどの国公立大学および一部の難関私立大学です。大きく分けると指定語数で自由に記述する「自由英作文」と、与えられた日本語を英語に直す「和文英訳」の2パターンがあるため、まずは志望校でどういった形式が出題されるか確認してから対策を決めるようにしてください。
- 1. 例文・短文を暗記する
- 2. 実践演習を積んで、添削してもらう
対策はいずれの場合も「使える表現や型を覚える」「添削してもらう」の2点が重要です。受験生の夏前には学習をスタートして、最終的には過去問も利用した演習を増やします。
- 基本:『基礎英作文問題精講』『英作文のトレーニング必修編』
- 自由英作文:『英作文ハイパートレーニング自由英作文』
- 和文英訳:『ユメサク』
詳しい勉強法はこちらも参考にしてください。
リスニング
リスニングが出題されるのは「共通テスト」「英検等の外部試験」が中心で、大学ごとの個別試験でリスニングが出題されるのは東大などの一部大学のみです。そのため、基本的には共通テストに照準をあわせて対策していくことが望ましく、逆に焦ってリスニングばかりに時間をかけないことが必要になります。
共通テストでしか使わないのであれば、夏頃までは長文読解の際に音源を使った音読を繰り返しているだけでも効果はあります。語順通り、前から意味を理解する練習を繰り返すことで、自然とリスニングの点数が上がります。逆に言えば、長文も読めない状態でリスニングの対策をしても伸び悩むことが多いでしょう。
- 1. 問題を通しで解く
- 2. 解答・解説を全て読む
- 3. スクリプトを見ながら音源に合わせて音読する
勉強法でのポイントは、長文読解の際も取り組んでいた「文章を見ながら、音源に合わせて音読する」練習で、これをオーバーラッピングと呼びます。これでスピードについていきながら、語順通りに意味をつかむ練習ができるので、受験が近づいたら毎日取り組みたい学習です。
参考書は基本的に共通テスト向けのものに取り組めば問題ありません。
- 共通テスト対策:『きめる!共通テスト英語リスニング
- 東大など:『キムタツ東大リスニング』シリーズ
詳しい勉強法はこちらも参考にしてください。
大学受験で活用したい「4技能」英検などの勉強法
大学受験に向けた英語の勉強と切っても切り離せないのが、英検などの外部試験についてです。ここ数年、大学受験でもこうした外部試験を通して「リーディング」「リスニング」「ライティング」「スピーキング」の4技能の能力を問い、入試で活用しようという動きが盛んです。
とくに私立大学などで「英検の2級を取っていれば英語の点数を8割として計算する」「英検を取得していれば英語の試験を免除する」といった入試が増えており、上手に活用することで合格率を高めることができます。
英語の受験勉強+単語+過去問で対応可能
基本的に、これまでに説明した受験に向けた英語学習ができていれば、英検準1級くらいのレベルまでであれば十分合格が可能です。リスニングやスピーキングなどの大学受験で問われることが少ない部分や、英検で頻出の単語などは直前に対策する必要がありますが、大学受験の勉強を進めながら、その過程で英検などの取得を目指すことで、受験でも使える英語力を身につけながら英検対策ができるのでおすすめです。
英検取得を目指すなら高2にはスタートを
英検の資格は2年ほど使えることがほとんどなので、高2に受験した英検から入試に活用できます。受験生になってから英検の対策に時間を割く余裕はないことが多いので、志望校での英検活用を検討する場合は、少なくとも高2の間には2級の取得を目指しておくことをおすすめします。
高1・高2の早い段階から英検対策をする場合でも、英検に特化した対策でリスニングやスピーキングの練習ばかりに取り組むのではなく、英単語・英文法から順番にコツコツ固めてください。
英語の定期テストは大学受験にも活用できる?
高校生の場合、普段の学校の授業や小テスト、定期テストとの両立で悩むこともあるかもしれません。
高校の授業や定期テストは、受験勉強に活かせる部分とそうでない部分がありますが、英語の場合は定期テスト対策などが受験勉強につながるのは一部だけであることに注意が必要です。英単語や熟語の小テストはそのまま知識が大学受験にも応用できますが、学校の教科書の内容など、テストで出題されるものはそのまま受験で出題されるわけではないため、かける時間に気をつけましょう。
具体的には、「英語コミュニケーション」の授業は英単語などの暗記を優先して、教科書内容はテスト前に暗唱する対策が受験・定期テストのバランスを考えると効果的です。一方の「論理・表現」は文法事項の学習が多いため、ワークなどもきちんと解いてすべて理解した状態にしておきましょう。
ただし、学校の英文法の授業は1年間かけて進むことで、ペースが遅くなりがちです。英語の学習はなるべく前倒しで進めたいため、今回紹介した映像授業などを使って独学で進めておくほうが受験勉強には有利になります。
まとめ:大学受験英語は勉強順が超重要!
今回は大学受験に向けた英語の勉強法をすべてお伝えしました。
重要事項を改めてまとめておきましょう。
- 英語はどの受験においても必須・最優先
- 「単語・文法」→「英文解釈」→「長文読解」→「英作文・リスニング」の順
- 志望校によって必要な分野やレベルが異なるので要注意
- 英検は高2までに考えておく
- 定期テストは単語・文法重視
受験勉強の英語は何よりも勉強の順番の重要度が非常に高いのが特徴です。無料体験などで相談を受けるときも、基礎がままならないまま学校の勉強だけ進めている、というパターンが非常に多くなっています。なるべく早い時期に英単語・英文法・英文解釈を固めて、実際に入試で出題される長文以降に取り組めるようにしましょう。
今回紹介した参考書以外にも、活用できる参考書はたくさんあります。
こちらの記事で紹介しているので、参考にしてみてください。
学習塾STRUXの無料体験では、今回紹介した勉強法や参考書を、志望校に合わせて余す所なくお伝えしています。自分の志望校に特化した対策ができるか不安な人は、ぜひお気軽にご活用ください。
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