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【国公立大学 物理 勉強法】共通テスト+二次試験を両立する段階別ロードマップ

*紹介している教材にはプロモーションを含みます

国公立大学の理系学部を目指す受験生にとって、物理は合否を分ける重要な科目です。しかし、「公式は覚えているのに模試で点数が取れない」「共通テストのひねった問題に対応できない」と悩む受験生は多いです。国公立入試では、思考力を問われる共通テストと、記述力が求められる二次試験の両方を攻略する必要があります。

本記事では、大学受験の物理の特徴や志望校レベル別の参考書ルート、物理を得意科目にして合格をつかみ取るためのロードマップについて解説します。

監修者 橋本拓磨

この記事の監修者

橋本 拓磨 はしもと塾長YouTubeはしもと塾長Instagram

受験生の「何をやればいいかわからない」を解決する学習塾STRUX塾長。熊本県立熊本高校出身、東京大学法学部卒。のべ1000人以上の勉強計画を作成し、東京大学、早稲田大学、慶應義塾大学など多数の合格者を輩出。著書に『現役東大生が伝えたい やってはいけない勉強法【改訂版】』(延べ3万部以上発行)など。

国公立大学の物理入試の特徴を理解しよう

国公立大学の物理入試で知っておくべきことは、共通テストと二次試験で求められる力の違いです。そして、この2つの試験に対してどのように効率よく勉強するかが重要です。まずはそれぞれの試験がどのような特徴を持っているかを確認していきましょう。

共通テスト物理の出題傾向(思考力・図の読み取り重視)

共通テストの物理は、センター試験時代とは一線を画す内容へと変化しています。かつてのような数値計算や典型問題の暗記だけでは、高得点を狙うことは困難です。

近年は思考力・応用力重視で、基本的な知識を前提に論理的思考や現象の分析力が求められる問題が多くなっています。また、グラフや模式図、実験装置の図と絡めた問題も増加し、図・グラフから読み取る力も求められます。

受験生は問題文から現象を図式化し、どの法則が適用できるかを判断しなければなりません。公式の導出過程を深く理解し、現象を言語化できるレベルまで落とし込むことが、共通テスト攻略の一つの目標と言えるでしょう。

二次試験の物理:地方国公立 vs 旧帝大の難易度差

二次試験(個別学力試験)における物理の難易度は、志望する大学のレベルによって大きく異なります。

千葉大や広島大といった地方国公立大学の二次試験では、教科書レベルの標準問題からやや難しい問題が中心で、難問はほぼ出題されません。基本的な公式や典型問題の解法ができれば対応可能です 。

一方、旧帝大(北海道・東北・名古屋・大阪・九州大など)の二次試験では、数段階難易度が高くなります。複数の現象が組み合わさった設定や、微積分的な考え方を背景とした高度な問題が出題されます。ただ、一見すると複雑な条件であっても、根本にあるのは基礎的な法則の組み合わせであることが多いです。

また東大・京大・東京科学大のレベルになると、教科書ではほとんど見たことのないような設定の問題が出題されることもよくあります。見たことのない設定に対応する能力が必要です。

共通テストと二次の配点バランスから逆算した戦略

国公立入試の最大の難しさは、大学ごとに異なる配点比率です。例えば、共通テストの配点が高い地方国公立を目指す場合、11月以降は共通テストの形式に特化した問題演習を優先すべきです。

二次試験の配点比率が高い難関大や医学部志望であれば、共通テスト1ヵ月前くらいまで二次試験レベルの問題演習を継続し、高い思考力を維持したまま本番に臨む計画が必要です。

つまり、配点比率を確認して、いつまでに共通テスト対策をし、いつから二次試験対策をするかの戦略が重要になってきます。まずは自分の志望校が共通テスト重視なのか二次試験重視なのかを早めに把握しましょう。

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物理で成績が伸びない受験生に共通する3つのミス

物理の成績が伸びない受験生は共通のミスをしています。多くの人は「自分は物理のセンスがないから」と諦めてしまいがちですが、実際には学習の進め方や物理に対する考え方に原因がある場合がほとんどです。

ここでは、多くの受験生が陥りやすい3つのミスを紹介します。自分の学習スタイルがこれらに当てはまっていないかチェックしてみてください。

ミス①「公式を覚える」だけで現象をイメージしていない

「物理=公式を暗記して数値を入れる科目」だと思い込んでいる人は、応用問題でつまずく可能性が高いです。

物理学の基本は、公式そのものではなく「なぜその公式が成り立つのか?」という現象の因果関係にあります。例えば、エネルギー保存の法則を式として暗記していても、どのような条件下でエネルギーが保存されるのかを理解していなければ、適切に公式を使うことができず、正答にたどり着けません。

物理の成績が伸びない人は、問題文を読んだ瞬間に「どの式を使うか」だけに注目し、目の前で起きている物体の動き(現象)をイメージしていません。一方で、物理が得意な人は、頭の中で物体の加速や衝突をアニメーションのようにイメージしています。

公式はあくまで現象を記述するための言語に過ぎません。現象を言葉やイメージで理解する習慣をつけない限り、入試で初見の問題に対応できる力は身につかないのです。

ミス②問題を解く前に図を描かない

物理の問題を解く際、図を丁寧に描かずに計算を始める受験生は、失点する確率を自ら高めていると言っても過言ではありません。

特に力学や電磁気では、力の矢印を正確に書き込み、座標軸を設定するなどのプロセスが正答率を高めます。頭の中だけで計算したり、現象をイメージしたりするのは、物理においては致命傷となります。図を描くことを疎かにすると、ミスを連発したり、考慮すべき現象を見落としたりして、最終的に答えを外してしまいます。

図を描くことで自分の思考が見え、客観的に判断できます。複雑な問題になればなるほど、丁寧に描かれた図が正答への道標となります。

ミス③基礎が固まっていないのに応用問題集に手を出す

自分の実力に見合わない難易度の問題集に手を出してしまうパターンです。

物理は数学や英語ほどではないものの積み上げ型の科目であり、基礎的な解法が反射的に出てくる状態でなければ、応用問題の解説を読んでも「なぜその解法になるのか?」が理解できません。結果として、解法を丸暗記する勉強になり、少しひねった問題になると手も足も出なくなります。

基礎固めの目安は、教科書の例題や、標準レベルの問題集をスラスラ解ける状態です。この基礎がないまま応用演習を繰り返しても、点数はなかなか安定しません。

焦る気持ちは分かりますが、まずは教科書に掲載されている現象理解と、基本例題を解くことを優先してください。基礎を積み上げることが、結果として最も早く応用問題が解けるようになる近道です。

国公立大学合格のための物理勉強法ロードマップ

物理の成績を確実に伸ばしていくには、正しい順番で学習を進めるロードマップが大切です。物理は他の科目に比べて、最初のハードルが非常に高い一方で、一度その壁を越えてしまえば、得点が安定しやすいという特性があります。

ここでは、国公立大学合格に必要な力を4つのステップに分けて解説します。

STEP1:講義系参考書で「現象理解」から始める

最初のステップは、講義系参考書で「現象理解」から始めることからスタートします。教科書だけでは理解しにくい場合は、『宇宙一わかりやすい高校物理』のような講義系参考書を併用しましょう。

ここでは公式を適切に使う力よりも、「なぜボールは跳ねた後、同じ高さまで上がるのか?」「コンデンサーにはなぜ電気が溜まるのか?」といった根本的な仕組みを理解することに注力してください。

学習のポイントは、仕組みを理解したら、公式の導出過程を自分の手で再現することです。

STEP2:基本問題集で解法パターンを定着させる

現象理解ができたら、次はそれを「解く力」に変えるステップです。『物理のエッセンス』や『良問の風 物理 頻出・標準 入試問題集』などの基本問題集を使い、典型的な解法パターンを解いていきます。

このステップでは、問題を見たときに「どの法則を使い、どう図を描くか」が浮かぶまで問題演習を繰り返すことが大切です。

1周目は解けなくても構いませんが、解説を読み込み、数日後に自力で解けるようにしましょう。基本的な解法が自然に出てくる状態になれば、ステップ2はクリアです。

STEP3:標準〜応用問題集で得点力を引き上げる

基礎が固まったら、いよいよ入試レベルの演習に入ります。『名問の森』や『実戦 物理重要問題集 物理基礎・物理』を使い、複数の法則が絡み合う複合問題にも挑戦しましょう。

この段階では、答えを出すだけでなく、「記述式の解答としても成立しているか?」を意識しながら解くことが重要です。国公立大学の二次試験では途中式や説明も加点対象となるため、論理の飛躍がない答案作成能力を養っていく必要があります。

応用問題は基礎問題の組み合わせです。解けない問題にぶつかったときは、基礎知識が不足している可能性が高いので、ステップ2に戻って確認するゆとりを持ちましょう。

ステップ2と3の往復を繰り返すことで、思考の深みが少しずつ増していきます。秋までにこの標準〜応用問題集を1〜2冊完璧に仕上げることで、地方国公立から旧帝大レベルまで戦える力がつきます。

STEP4:過去問演習で本番形式に慣れる

最終ステップは過去問演習です。10月頃からは個別試験の過去問を始め、11月頃からは共通テストの過去問や予想問題集に軸足を移していきます。時間配分や特殊な出題形式に慣れていきましょう。共通テストはスピード勝負の側面があるため、いかに効率よくグラフを読み、選択肢を絞り込むかのテクニックも必要です。

共通テスト以降は、個別試験の過去問にフルで時間を使っていきましょう。過去問は「今の自分に足りない力」を教えてくれます。目標の合格点に対して「何点不足しているのか?」「どの分野で失点しているのか?」を分析し、本番までの残された時間で優先的に対策すべきポイントを絞り込みます。

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物理の5分野と学習優先順位

物理の学習を効率化するためには、分野ごとのつながりと重要度を考慮した優先順位をつけることがポイントです。物理は分野間の依存関係が強く、特定の分野をマスターしていないと他の分野の理解が深まらない構造になっています。

ここでは、5分野(力学、電磁気、熱、波動、原子)の役割と、どの順番で学習を進めるべきかを解説します。

力学(最重要:全範囲の土台)

「力学を制する者は物理を制す」と言われるほど、力学は物理の最重要分野です。なぜならば、電磁気や熱といった他の分野でも、粒子の運動を考える際には力学の法則(ニュートンの運動方程式やエネルギー保存則など)が前提となるからです。「力を図示する方法」や「公式の使いどころ」を理解していないと、他のすべての分野でつまずくことになります。

したがって、物理の勉強を始める際は、必ず力学から着手してください。力学は現象が目に見えやすいためイメージしやすく、物理の基本的な考え方を学ぶのに最適です。

運動量保存や円運動、単振動といった頻出テーマを理解していくことで、物理全体の基礎を底上げできます。

電磁気(配点が高い・苦手になりやすい)

力学の次に攻略すべき分野は電磁気です。教科書の順序的には後半に電磁気が載っていますが、入試までに時間がなければ、順序を無視してでも電磁気の習得がおすすめです。

入試における配点が高く、合否に直結する分野ですが、目に見えない電気や磁気の現象を扱うため、多くの受験生が苦手にしがちだからです。

電磁気を攻略するコツは、目に見えない現象をいかに可視化するか、そして力学との共通点を見出すかにあります。例えば、電位は力学の「高さ(位置エネルギー)」に相当するなど、既習の知識とリンクさせることで理解が進みます。

また、コンデンサー、回路、電磁誘導といったテーマは、共通テスト・二次試験問わず頻出テーマです。複雑な回路問題や、磁場中を動く導体棒の運動などは、力学の知識が必要です。

熱・波動・原子(共通テスト〜二次試験の割り振り)

力学と電磁気の2つの分野を終えたら、熱・波動・原子の学習に取り掛かります。

熱力学は範囲が狭く、第一法則の状態変化さえ押さえれば得点が安定しやすい分野です。波動は波の干渉や屈折といった特有の考え方が必要ですが、幾何学的な図解に慣れれば対応できます。

原子はかつて軽視されがちな分野でしたが、近年は共通テストで必須化され、二次試験でも出題が増えているため、対策を怠ることはできません。

これらの3分野は、力学・電磁気に比べて学習時間を短縮できますが、共通テストでは必ず一定の割合で出題されます。二次試験での出題頻度は大学によって偏りがあるため、志望校の過去問を分析し、どれくらい対策すべきかを判断しましょう。

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志望校レベル別・おすすめ参考書ルート

参考書選びは重要です。しかし、自分のレベルや志望校のレベルに合った参考書でなければ逆効果になりかねません。志望校が地方国公立なのか、それとも旧帝大などの難関校なのかによって、取り組むべき問題の量と難易度は異なります。

ここでは、STRUXの「参考書リストシステム」でも推奨されている2つのルートを紹介します。

地方国公立(共通テスト重視型)向けルート

前述したように、『宇宙一わかりやすい高校物理』シリーズのような講義系参考書で現象のイメージを固めていきます。

その後、『良問の風』などで解法パターンを学び、「標準問題を確実に解く力」を高めます。

そして、『短期攻略シリーズ』『大学入学共通テスト 物理の点数が面白いほどとれる本』で共通テスト独特の出題傾向や出題形式に慣れましょう。難問を解く力よりも、共通テストの8割以上を確実に取れる力が大切です。

地方国公立は、共通テストの比重が高い大学・学部が多いため、11月以降は共通テストの過去問と予想問題集に取り組んでいきます。

『2026年用共通テスト実戦模試(8)物理 (Z会大学入試完全対策シリーズ)』『2026-大学入学共通テスト実戦問題集 物理 (駿台大学入試完全対策シリーズ)』などがおすすめの問題集です。

旧帝大・難関国公立向けルート

東大・京大・阪大などの旧帝大や難関校を目指すなら、さらに一段高いレベルの問題演習が必要です。

共通テスト対策に加えて物理の王道とも言える『名問の森』を2〜3周やり込み、『物理[物理基礎・物理] 標準問題精講 七訂版』『難問題の系統とその解き方 新装第3版 物理 力学・熱・波動』といったハイレベルな典型問題の裏にある「物理の考え方」に触れていきましょう。

また、秋以降は志望校の過去問に加え、他大学の良質な記述問題にも触れ、未知の設問に対する適応力も磨いていきます。

STRUXでは独自データベースを用いてあなたの志望校に最適な参考書と、それを終わらせるために必要な勉強時間を分単位で算出します。また、膨大な演習量をいつ、どのペースで進めるべきかを週単位で管理します。難関校志望者ほど「いつまでに何を終えるか」のデッドラインが明確で厳しい傾向にあります。

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国公立理系の物理年間スケジュール(高2冬〜受験本番)

物理は理解に時間がかかるため、後回しにすると試験直前期にパンクしてしまいます。国公立志望者は共通テスト対策と二次試験対策を並行する必要があるため、戦略的なスケジュール管理がポイントです。

高2冬〜春休み:【土台作り】

  • 力学・電磁気を中心に講義系参考書を開始。
  • 公式を丸暗記せず、導出過程や現象のイメージを大切にする。
  • できれば高3になる前に力学・電磁気の基礎演習を一通り終えておくのが理想。

高3春(4月〜6月):【基礎の完成】

  • 熱・波動・原子の基礎を固め、全範囲の学習を終わらせる。
  • 基礎問題集を1周し、典型的な解法パターンに1度触れる。
  • 定期テストを勉強のペースメーカーにし、学習した範囲で苦手を作らないようにする。

高3夏(7月〜8月):【標準レベルの習得】

  • 『良問の風』クラスの標準問題集に取り掛かり、自力で解ける問題を増やす。
  • 夏休みが終わるまでに「教科書レベルでわからないところはない」状態を作る。
  • 志望校のレベルに合わせて『名問の森』や『重要問題集』などの応用演習を積む。

高3秋(9月〜10月):【二次・記述対策】

  • 記述式答案の書き方を意識して問題を解く。
  • この時期が最も物理の学力・成績が伸びる正念場。

高3冬(11月〜共通テスト):【共テ対策・実戦演習】

  • 11月中旬頃から共通テスト形式の演習比率を少しずつ上げる。
  • 時間配分、グラフの読み取り、思考型問題への対策を重点的に行う。
  • 二次試験の感覚を忘れないよう、週に数問は記述問題にも触れておく。

共通テスト後〜二次本番:【志望校特化・最終調整】

  • 志望校の過去問を解く。
  • 頻出分野の最終確認を行い、苦手な分野を重点的に復習する。
  • 最高のコンディションで本番に臨めるよう、睡眠と生活リズムを整える。

物理は一度マスターすれば忘れにくい科目です。夏までに基礎を固め、秋にガッツリと応用力を鍛え、冬以降の共通テスト対策にも余裕を持って臨みましょう。

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