*紹介している教材にはプロモーションを含みます
古文が苦手な高校生の中には、「間違った方法で勉強している」という人も多いです。しかし、正しい方法を知ったうえで古文の勉強を進めれば、比較的スムーズに高得点を取れるようになります。とくに古文は暗記で対応できる部分も多いため、是非とも取りこぼさずに得点しておきたいところです。
この記事では大学受験生に向けて、正しい古文の勉強法や押さえるべきポイント、オススメの参考書などを紹介します。
なお、以下の動画でも古文に関する効果的な勉強法を解説しています!
古文の勉強法を4ステップで解説!オススメの参考書と合わせて紹介

古文の勉強方法は、主に以下の通りです。
- Step1.単語と文法を理解して覚える
- Step2.品詞分解の練習をする
- Step3.文法を復習しつつ読解演習に取り組む
- Step4.入試レベルの読解演習+過去問演習で総仕上げを行う
各ステップでオススメの参考書の紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
Step1.単語と文法を理解して覚える
まずは古文の単語と文法を暗記しましょう。古文単語は日本語ではありますが、「現在とは違う意味で使われている」「そもそも使われていない」というケースが珍しくありません。とくに現在と違う意味で使われる単語は入試で頻出であるため、しっかり暗記しておきましょう。
この単語と文法の基礎知識がない状態で読解演習を繰り返しても、なかなか成績は上がりません。
古文単語については、英語より暗記が必要な単語数は圧倒的に少ないです。「古文単語315」など300語程度の単語帳を完璧に暗記すれば、1ヶ月程度でほとんどの入試で対応可能なレベルの単語力を身に付けられます。
「自分にとっては使いにくい」「共通テストでしか古文を使わない」という場合は、「マドンナ古文単語230」がオススメです。
「古文の単語を覚えにくい」と思った人は、単語のニュアンスや語源を理解しておくと良いでしょう。その場合は、最初は単語の語源やニュアンス、例文などを読み込んでおくことがオススメです。
具体的には以下のステップで勉強しましょう。
- Step1 1ページずつ見出しの単語を見て現代語訳を覚える。各単語の解説や例文も読んでおく
- Step2 赤シートを使って単語をチェックし現代語訳を思い出せるかテストする
- Step3 間違えた単語の現代語訳をもう一度覚える
- Step4 もう一度テストする
- Step5 Step3〜4を完璧になるまで繰り返す
- Step6 1ページを完璧に覚えたらStep.1〜5を1日分終わるまで繰り返す
1日30単語程度を15〜30分かけて覚えるだけでも、1ヶ月で3周以上は取り組めます。
単語の覚え方は、以下の記事でも詳しく紹介しています。
古文単語帳のオススメについては、以下をご覧ください。
文法については、「用言」と「助動詞」から勉強しましょう。
「用言」とは活用する自立語のことです。「動詞」「形容詞」「形容動詞」を指します。四段活用や上一段活用などが該当します。この「用言」の活用形を理解することで、古文の意味を正確に取れるようになるでしょう。
また、古文は以下のように、語尾の助詞や助動詞によって意味と活用の形が決まります。
- 行かん
- 行きたり
- 行くとき
- 行けば
そして、古文の助動詞では「同じひらがなでも違う意味になる」ものがあります。例えば、以下のような文章が該当します。
男もすなる日記といふものを、女もしてみむとて、するなり。
『土佐日記』という作品の冒頭です。太字にした2つの「なり」は、同じ「す」という動詞に付いていますが、意味は異なります。「なり」の前の部分が「す」になっているか「する」になっているかで、意味を見極めなければいけません。
このように古文の意味は、文末の助動詞で決まることが多いです。そのため、用言の活用がわからないと、意味を正確に取れません。
動詞などの用言や助動詞の活用を最初に覚えたうえで、「接続(助動詞がどの活用形につながるか?)」「それぞれの助動詞の意味」まで覚えられれば、大抵の文章の意味を理解できるでしょう。
古文の助動詞などは、何度も声に出して暗記してください。具体的な勉強法は、以下の記事で解説しています。
そして、文章を正確に読んで話の流れを理解するには「助詞」も暗記しましょう。とはいえ、すべてを覚える必要はありません。現代語と違う意味で使われている助詞を優先して暗記しましょう。
また、古文は主語を省略することが多いため、話の流れを把握しにくいです。そのため、主語を補うヒントである敬語も押さえましょう。
それぞれの勉強法については、以下の記事で解説しています。

Step2.品詞分解の練習をする
品詞分解とは、古文の文章を品詞ごとに分解することです。古文の文章は多くがひらがなで書かれています。そのため、具体的な区切れの場所を把握していないと正確に読めません。
品詞分解の練習では、日栄社の「古文 高校中級用 42 (発展30日完成シリーズ) 」がオススメです。この参考書であれば、文法の復習にも取り組めます。
品詞分解のときは、「助動詞の意味」や「敬語の種類と敬意の方向」まで書き込みましょう。詳しいやり方は、以下の動画で説明しています。
Step3.文法を復習しつつ読解演習に取り組む
品詞分解ができたら、読解練習を繰り返しましょう。参考書としては「古文上達基礎編 読解と演習45」「マドンナ入試解法」がオススメです。
以下のステップで使いましょう。
- Step1 問題を解く
- Step2 採点し正解していた問題も含めてすべて解説を読む
- Step3 出典をチェックする
- Step4 わからなかった単語や文法を調べて覚える
- Step5 意味を意識しながら5回音読する
古文は今の世界観と違う背景で話がまとめられているため、漠然と読んでいると内容を理解できないでしょう。そのため、解説を読むタイミングで「古文常識」も一緒に暗記することがオススメです。
出典になっている古典の時代やジャンルも確認しておくと、似たような話が出てきたときに解きやすくなります。
古文読解の具体的な勉強法は、以下の記事をチェックしましょう。
Step4.入試レベルの読解演習+過去問演習で総仕上げを行う
読解演習を終えて古文が読めるようになったら、最後に入試レベルの読解演習と過去問演習を行います。
まずはセンター試験や共通テストの古文を解きましょう。入試で必要な基礎知識を勉強できる問題が多数出題されるため、まずは8割得点することを目指しましょう。センター試験時代の過去問は30年分以上あるので、十分に練習できます。
共通テスト古文が解けるようになったら、入試レベルの読解演習と過去問演習を進めましょう。私大志望の場合は「私大レベルの入試問題集」、国公立志望の場合は「記述対策の問題集」に取り組んでください。
MARCHレベル以上の私大入試の場合、国公立入試より文章が難しいケースが多いため注意しましょう。
MARCHレベル以上の私大対策には「有名私大古文演習」がおすすめです。
国公立対策なら「得点奪取古文」を使いましょう。
上記の参考書を完成させたら、過去問を進めましょう。

具体的な古文の勉強スケジュール

古文の勉強は、大まかに以下のペースで進めましょう。
- 〜高2・3月:単語・文法を覚える
- 高3・4月〜6月:『古文上達』などの読解演習
- 高3・7月〜10月:センター試験・共通テスト過去問を活用しながら、志望校に合わせた問題集
- 高3・11月〜:過去問演習
古文は暗記量が少ないため、高3からの勉強でも十分間に合いますせる。しかし高3になると、理科や社会など他の科目に割く必要があるため、なるべく2年生の間に単語や文法といった基礎は勉強しておきましょう。
特に理系の場合、高3になって古文の勉強をする暇はほとんどありません。

古文の勉強で押さえるべきポイント!

古文の勉強に取り組む際は、以下のポイントを押さえましょう。
- 最初に大まかなストーリーを把握する
- 高2で単語と文法は固めておく
- 文法は必ず「用言・助動詞・助詞・敬語」を押さえる
- 古文は1日1時間を目安に勉強する
- 文学史や古典常識も押さえておく
最初に大まかなストーリーを把握する
古文で出題される文章には、何らかのストーリーがあります。こうした文章のストーリーを事前にある程度把握しておくだけでも、入試本番で問題を解きやすくなります。
仮に単語の意味や時代背景を正確に理解できていなくても、大まかなストーリーを把握しておけば、「どのタイミングで・何が起きたのか?」「ここで登場人物が何をしたのか?」などを判断できるため、解答する際の参考になるでしょう。
ストーリーについては、歴史系の漫画で勉強することがオススメです。漫画であれば、楽しみながらサクサク古文の流れを把握できます。
高2で単語と文法は固めておく
高3になると、より配点が大きく、覚えるべき内容も多い英語や数学などの勉強に時間を本格的に費やす必要があります。また、入試本番までには、できる限り過去問を含めて問題演習を繰り返すことも重要です。
そのため、受験における配点がそこまで高くない古文については、なるべく高2の間に単語や文法といった基礎を押さえておきましょう。とくに単語については、1冊の単語帳を1ヶ月程度で覚えれば十分に対応できます。
文法は必ず「用言・助動詞・助詞・敬語」を押さえる
勉強法のステップでも解説したように、文法では必ず「用言・助動詞・助詞・敬語」を最初に押さえましょう。用言と助動詞を覚えておくことで、古文の文章の意味を正確に理解できるようになります。また、助詞と敬語を押さえれば、主語が省かれた古文の文章を読んでも、話の流れをスムーズに把握できるでしょう。
古文は1日1時間を目安に勉強する
「個別試験で古文を使う文系は1日1時間」「それ以外の受験生は30分」をそれぞれ目安に勉強しましょう。高校3年生なら「夏休みまでは1日1時間程度(単語と文法を各30分)」で進めて、夏休みのようにまとまった時間を確保できるときに、1時間以上かけて読解問題集に取り組みましょう。
古文は他の科目より配点が低めです。そのため、基本的に古文の勉強には時間をかけすぎなくて良いでしょう。ただし、「春休みにまとめて単語・文法・品詞分解を勉強するために2時間ずつ取り組む」といった方法でも大丈夫です。
文学史や古典常識も押さえておく
志望校の過去問をチェックして文学史が出題される場合は、頻出の内容を勉強しましょう。便覧などでその都度出典をチェックしながら、「古文出典ゴロゴ」や「大学入試国語頻出問題1200」などで暗記すると良いでしょう。
入試で直接は文学史問題が出題されないのであれば、読解演習の際に出典を確認すれば問題ありません。
古文常識は「昔の人は和歌のやり取りをして求婚していた」「男性が女性のもとに通っていた」「貴族の女性は顔を見せなかった」など、現代の常識と異なる当時の生活様式などを表現したものです。こうした背景も理解しておくと、古文の文章の内容を理解しやすくなるでしょう。
余裕があれば「マドンナ古文常識」などの問題集をチェックすればOKです。
まとめ
今回は古文の勉強法を基礎から解説しました。基本的には以下の手順で勉強すればOKです。
- Step1.単語と文法を理解して覚える
- Step2.品詞分解の練習をする
- Step3.文法を復習しつつ読解演習に取り組む
- Step4.入試レベルの読解演習+過去問演習で総仕上げを行う
古文を勉強する際は、英語に取り組むようなイメージで「単語・文法の基礎を早めに固める→演習に取り組む」といことを意識しましょう。
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